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第1編 ≪人事行政≫


今日、経済社会のグローバル化、IT(情報技術)化の進展による産業・社会構造の変動、少子高齢化の進行による就業構造の変化など、我が国の社会経済システムは大きな転換期にある。

行政においても、平成13年1月には、行政の総合性、戦略性等を確保するため、中央省庁が1府12省庁に再編成されるとともに、政治主導の行政運営を目指して、内閣総理大臣を補佐する内閣府が新設され、各府省の大臣の下に副大臣や大臣政務官が置かれたところである。本年4月からは、行政の簡素化・効率化を目指して国立研究所等の実施部門が57の独立行政法人に移行し、また、透明な行政の実現のため情報公開法が施行されるなど、21世紀の新しい行政を目指した改革が急速に進められている。

一方、民間企業においては、その組織環境が大きく変化する中で、競争力の強化を図る観点から、事務・事業の再構築や業務のアウトソーシングなど経営効率化のための努力が一段と進められている。人事管理システムについても、従来の年功的な人事管理を見直し、能力・実績を重視した賃金・人事制度を導入することや勤務形態、雇用形態の多様化を図ることが喫緊の課題とされ、その取組が進められている。

人事院は、時代の大きな変化に適応し、国民の期待と信頼に応えられるよう、ここ数年、公務員人事管理システム全般の見直しに着手し、能力、適性に基づいた柔軟で開放的なシステムの実現に向けて、制度・運用の両面にわたる改革に取り組んできている。

平成12年度においては、厳しい民間の動向を反映し、給与勧告において、昭和35年の現行方式導入以来初めて俸給表の改定を見送り、また、個人の能力・実績を重視した給与体系への転換方針の表明、任期付職員法の制定に関する意見の申出、「能力、実績等の評価・活用に関する研究会」の最終報告の提出など、第2章に記述する様々な施策等を行ったところである。今後とも積極的に公務員人事管理システムの改革に取り組んでいくこととしている。

政府においても、平成12年12月には公務員制度改革を含む行政改革大綱を閣議決定し、政治主導の下、身分保障に安住することなく公務員が持てる能力を最大限発揮し、国民の信頼を確保するため、公務員制度の抜本的改革を行うこととしている。また、平成13年1月からは行政改革担当特命大臣の下で、公務員制度改革を含む行政改革大綱の具体化等に向けた検討が行われており、同年3月末には「公務員制度改革の大枠」が公表され、同年6月の基本設計において改革の具体的な姿を示すべく検討が進められている。人事院としては、長年の蓄積や調査研究の成果に基づき人事行政の専門機関としてこれらの検討に協力し、あるべき公務員人事管理システムの改革の実現に努めることとしたい。

人事行政全般について報告する本編では、 第1部 において、男女共同参画社会の実現に向けた取組が新たな段階を迎える中で、政策決定過程への男女共同参画の推進に国が率先して取り組む必要があるとの認識に立って、女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けての考え方、課題と施策等について詳述したほか、平成12年度の人事行政の主な動きと今後の課題について概説した。

また、 第2部 においては、平成12年度の人事院の業務全般について記述した。


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