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第1編 人事行政


〔人事行政の動き〕

平成18年度の我が国の社会経済を概観すると、景気回復期が5年目を迎えたとされるものの、少子高齢化・人口減少の進行や、IT化・グローバル化の更なる進展の下で、その構造の引き続いた改革が求められている。

このような中、多くの民間企業では、経営環境の大きな変化に対応するべく、能力や成果重視の人事・賃金制度への見直しに取り組んでいる。

一方、公務においては、「簡素で効率的な政府」を実現するため、政府全体としての定員純減や配置転換、採用抑制等に取り組むとともに、再就職管理の適正化をはじめとする公務員制度改革が重要な課題となっている。また、その一環として、政府に専門調査会が設置され、公務の範囲や公務を担う従事者の類型化の在り方及びこれらを踏まえた労働基本権を含む労使関係の在り方についての検討が開始された。

人事院としては、公務員人事管理が、国民の理解を得つつ、時代の要請に的確に対応したものとなるよう改革を進めることが重要であると考えており、平成18年3月に策定した「人事行政の政策目標」の下、能力・実績を重視した人事管理の実現をはじめ、諸課題に積極的に取組を進めてきた。

主なものは、次のとおりである。

  1. まず、能力・実績に基づく人事管理の推進の観点から、その土台となる人事評価制度の構築に向けて、第1次試行に引き続き、対象を本府省の課長級・課長補佐級から係長級・係員級にまで拡大して、第2次試行に着手した。また、分限制度に関して、各府省がその趣旨に則った対処が行われるよう、手続や留意点等の対応措置についての指針を取りまとめた。
  2. 次に、多様な有為の人材の確保・育成等の観点から、人材供給構造や公務志望者層の意識変化に対応した人材確保策について検討を進めるとともに、新たな経験者採用システムの導入や官民人事交流の促進などに取り組んだ。
  3. また、社会諸情勢に適応した適正な勤務条件の実現の観点から、給与構造の改革を推し進めるとともに、民間企業の賃金水準をより適正に反映できるよう、官民給与の比較方法の見直しを行った。さらに、勤務環境の整備の面では、育児のための短時間勤務制度や自己啓発等休業を導入するため、国会及び内閣に対して立法措置についての意見の申出を行った。
  4. このほか、公正で透明な人事管理の確保・推進の観点から、再就職規制の適正な運用や公平審査・苦情相談業務などにも対処してきた。

今後とも、人事院は、人事行政を担う中立第三者機関・専門機関として、制度改正や意見の表明などを通じて、その役割を適切に果たしていきたい。


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