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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

Ⅰ 能力・実績に基づく人事管理の推進

2 人事評価制度及び評価結果の活用の制度の整備


(1) 平成20年給与勧告時の報告

人事院は、平成20年給与勧告時の報告において、人事評価制度の基本的枠組み(評価方法、評価結果の開示、苦情への対応等)について言及するとともに、評価結果の任免、給与等への活用の基本的な枠組みを示し、試行の結果も踏まえ、人事評価制度の施行までに最終的な結論を得て、必要な制度整備を図ることを表明した。

なお、昇給、勤勉手当等給与法の改正が必要な事項については、その勧告を行った。(第1部Ⅲ1(3)ウ(ア)参照

(2) 人事評価制度の整備

人事評価制度については、内閣官房を中心に、試行で得られた知見も活用し、最終的な制度整備が進められた。人事評価の基準及び方法に関する事項その他人事評価に関し必要な事項は、国公法において、人事院の意見を聴いて政令で定めることとされていることから、これを受けて、人事院の意見を聴いた上で、「人事評価の基準、方法等に関する政令」が平成21年3月3日に閣議決定され、同月6日に公布された(同年4月1日施行)。

人事評価制度の概要は、以下のとおりである。

人事評価制度の概要
1 評価方法 2 評価期間 3 評価段階 4 評価手続 5 評価結果等に関する苦情への対応

実施権者は、開示された評価結果に関する苦情その他人事評価に関する職員の苦情について適切に対応する。

(3) 評価結果の任免、給与等への活用の制度の整備

人事院は、人事評価制度の施行に合わせて、評価結果の任免、給与等への活用に関する制度の整備を図るため、平成20年給与勧告時の報告において示した基本的枠組みを基に検討を進め、平成21年3月18日、関係人事院規則を公布した(同年4月1日施行)。

人事評価の結果の任免、給与等への活用の概要は、以下のとおりである。

人事評価の結果の任免、給与等への活用の概要
1 昇任

昇任させようとする日以前において、以下に掲げる要件をすべて満たした者の中から、複数年の評価結果を活用し、人事の計画その他の事情も考慮して最適任の者を昇任させる。

本省部長級以上の官職への昇任
  1. 前2年の能力評価の全体評語がすべて上位であること
  2. 前3年の能力評価と業績評価の全体評語がすべて上位又は中位であること
  3. 前2年の業績評価の全体評語に上位があること

※  本省部長級以上の場合には、上記の要件以外に、国の行政及び所管行政の全般について、高度な知識及び優れた識見を有し、指導力を有すると認められる者であることの確認が必要

本省課長級の官職への昇任
  1. 前1年の能力評価の全体評語が上位であること
  2. 前3年の能力評価の全体評語がすべて上位又は中位であること
  3. 直近の業績評価の全体評語が上位又は中位であること
本省課長級未満の官職への昇任
  1. 前2年の能力評価の全体評語に上位があること
  2. 前2年の能力評価の全体評語がすべて上位又は中位であること
  3. 直近の業績評価の全体評語が上位又は中位であること
※施行3年後までは、一定の経過措置を設けている。
2 免職・降任

能力評価又は業績評価の全体評語が最下位となった場合を処分の契機とし、指導その他の人事院が定める措置を行ったにもかかわらず、勤務実績が不良なことが明らかなときに職員を降任させ、又は免職することができる。

3 給与
(1) 昇格(昇任を伴わない場合)

昇格させようとする日以前において、以下に掲げる要件をすべて満たした者の中から、直近の評価期間の末日の翌日から昇格させようとする日までの勤務実績等も考慮し、昇格させる者を決定する。

  1. 直近の能力評価及び業績評価の全体評語が上位又は中位であること
  2. 前2年の能力評価及び業績評価を総合的に把握した場合に上位であると認められること
    1.  ⅱの要件については、行政職俸給表(一)1級から2級への昇格等の場合、これに中位であると認められる評価結果を含み、行政職俸給表(一)2級から3級への昇格等の場合、上位に準ずると認められる評価結果を含む。
    2.  施行3年後までは、一定の経過措置を設けている。
(2) 昇給

昇給日以前における直近の能力評価及び直近2回分の業績評価に基づいて、昇給区分を決定する。

上位の昇給区分には、能力評価及び業績評価の全体評語が上位又は中位である者であって、能力評価及び業績評価の全体評語を総合的に把握した場合に上位であると認められる者の中から、全体評語が上位の者の順に高い昇給区分となるよう決定する。

下位の昇給区分には、能力評価及び業績評価の全体評語のいずれかに下位がある者を決定する。(ただし、全体評語の組合せによっては標準の昇給区分とすることもあり得る。)

(3) 勤勉手当

基準日以前における直近の業績評価に基づいて、原則として業績評価の全体評語が上位の者から順に高い成績率に決定する。

業績評価の全体評語が、上位である者は全体評語が上位から順に「特に優秀」、「優秀」又は「良好」のいずれかの成績区分に、中位である者は「良好」の成績区分に、下位である者は「良好でない」の成績区分に決定する。

(4) 期末特別手当

基準日以前における直近の業績評価の全体評語が下位の場合には、「勤務成績が良好でない場合」に該当するものとして、手当額を減額する。

(5) 降給

能力評価又は業績評価の全体評語が最下位となった場合を処分の契機とし、指導その他の人事院が定める措置を行ったにもかかわらず、なお勤務実績がよくない状態が改善しないときに職員を降格(職務の級を同一の俸給表の下位の職務の級に変更すること)させ、又は降号(号俸を同一の職務の級の下位の号俸に変更すること)するものとする。

4 人材育成

能力評価の評価項目、評価結果等を研修の開発・実施、職員の自発的な能力開発等に活用する。

5 任免、給与等への活用の実施時期

本府省の職員は人事評価の実施に合わせて、本府省以外の職員は原則として本府省の職員の1年後から評価結果を活用する。なお、評価結果の活用を円滑に行うことが可能である場合には、本府省以外の職員についても人事評価の実施に合わせて評価結果を活用することができる。

人事評価は能力・実績に基づく人事管理の基礎となるものであることから、今後、各府省において人事評価が円滑に実施され、評価結果の任免、給与等への活用が適切に行われるよう、各府省の取組を支援していくこととしている。


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