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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

Ⅱ 人材の確保・育成

1 採用試験の基本的な見直しに向けた取組


(1) 検討の背景

国家公務員採用試験の申込者数は、民間企業における採用意欲や受験年齢人口の減少をはじめ、公務及び公務員に対する批判などにより、減少傾向が続いており、看過できない状況になっている。加えて、法科大学院等の専門職大学院の設立に伴い、従来、公務を目指していた人材層が労働市場の他の分野に進むなど、人材供給構造が変化している。このような状況に対処していくためには、人材確保活動を強化するとともに、採用試験制度の見直しを行うことが課題となっている。

また、平成20年6月に制定された国家公務員制度改革基本法においては、「キャリア・システムの廃止」を問題意識の一つとして、採用試験の種類及び内容の見直しや国際対応に重点を置いた採用を行うための措置を講ずることが求められている。

(2) 「採用試験の在り方を考える専門家会合」の開催

このような状況を踏まえ、人事院では、採用試験の基本的な見直しに向けて、平成20年6月より、各専門分野の学識経験者から構成される「採用試験の在り方を考える専門家会合」(座長:高橋滋一橋大学教授)を開催した。同専門家会合においては、新たな試験の意義及び性格をはじめとして、試験区分、能力実証の手法等の具体的な項目について、計12回にわたって検討が行われ、平成21年3月に、報告書が取りまとめられた。

「採用試験の在り方を考える専門家会合」報告書による新たな採用試験のイメージ
1 総合職試験 −政策の企画立案に係る高い能力を有するかどうかを重視して行う試験−

「大卒程度試験」、「院卒者試験」の2種類 − 試験の違いでの優遇的取扱いはない

* 企画立案業務の能力を検証。一定の事務処理能力や国際的な対応能力も検証

〔各試験のポイント〕※全体像は下図参照

※ 最終合格は2次試験の結果を中心。採用者の規模は現行のⅠ種試験よりも増加の方向。大卒とは区別した院卒者の採用予定数の計画が必要

2 一般職試験 −的確な事務処理に係る能力を有するかどうかを重視して行う試験−

「一般職試験A種(大学卒業程度)」、「一般職試験B種(高卒者試験)」、「一般職試験C種(高卒程度試験(中途採用))」の3種類

* 実施業務の能力を検証。A種については一定の企画立案能力も検証

3 専門職試験 −特定の行政分野に係る専門的な知識を有するかどうかを重視して行う試験−

当面、次のような専門職試験を想定(各任命権者のニーズに基づきさらに検討)

※ 国際交渉の専門家の試験を設ける場合には、語学能力検定試験等の活用も検討

4 中途採用試験−係長以上の職への採用を目的に行う試験−
新たな採用試験のイメージの全体像

採用試験の見直しに当たっては、受験生等に対する十分な周知期間が必要であることから、人事院においては、専門家会合の報告書の内容を踏まえ、採用試験の見直しの具体化について、早急に検討を進めることとしている。


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