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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

Ⅳ 勤務時間の改定

1 平成20年の報告と勧告


(1) 勤務時間の改定に関する勧告のポイント

平成20年8月11日、人事院は、国会及び内閣に対し、一般職の職員の勤務時間について報告するとともに、その勤務時間の短縮について勧告を行った。そのポイントは、以下のとおりである。

職員の勤務時間を1日7時間45分、1週38時間45分に改定(平成21年4月実施)

国家公務員の勤務時間は、給与と同様に基本的な勤務条件であり、国公法に定める情勢適応の原則に基づき、民間と均衡させることを基本として定めるべきものである。その際、勤務時間が業務運営の基礎であることを考えると、これを頻繁に改定することは適当ではなく、民間企業の所定労働時間を一定期間にわたって調査し、そのすう勢を見極めることが必要となる。このため、平成16年から平成20年まで調査を行ったところ、民間企業の所定労働時間の平均値は1日当たり7時間44分、1週間当たり38時間48分と、職員の勤務時間と比較して1日当たり15分程度、1週間当たり1時間15分程度短い水準で定着していた。

[表3]民間企業の所定労働時間の推移

勤務時間の短縮に当たっては、従来の行政サービスを維持し、かつ、行政コストの増加を招かないことを基本とすべきところ、各府省は、業務の合理化・効率化や勤務体制の見直し等の所要の準備を行うことにより、従来の予算や定員の範囲内で、業務遂行に影響を与えることなく対応が可能であるとしていた。

また、勤務時間の短縮は、家庭生活や地域活動の充実など、広く仕事と生活の調和に寄与すると考えられる。

以上のことから、平成3 年以来17 年ぶりとなる勤務時間短縮の勧告を行った。

(2) 改定の内容
ア 勤務時間法の改正
(ア) 1週間の勤務時間

職員の1週間当たりの勤務時間については、改正前は40時間としていたが、これを38時間45分に改定する。再任用短時間勤務職員の勤務時間は、フルタイム勤務職員との均衡を図るため、1週間当たり16時間から32時間までの範囲内で各省各庁の長が定めることとしていたが、改正後は15時間30分から31時間までの範囲内とする。

(イ) 勤務時間の割振り

勤務時間の割振りについては、各省各庁の長が、月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき8時間の勤務時間を割り振るものとされていたが、1日につき7時間45分の勤務時間を割り振るものとする。再任用短時間勤務職員については、1週間ごとの期間について、1日につき7時間45分を超えない範囲内で勤務時間を割り振るものとする。

(ウ) 船員の勤務時間の特例

船員については、海上勤務の特殊性から、勤務時間の短縮に伴い職員の出動や待機の日数に影響が生ずる場合には、これまでの1週間当たりの勤務時間(40時間)を維持する必要がある。このため、各省各庁の長は、船舶に乗り組む職員(再任用短時間勤務職員を除く。)について、人事院と協議して、1週間当たりの勤務時間38時間45分を1時間15分を超えない範囲内において延長することができることとする。この場合、1日について8時間まで勤務時間を割り振ることができるよう、各省各庁の長は、公務の運営上の事情により特別の形態によって勤務する必要のあるときを除き、7時間45分にその延長した時間の5分の1を超えない範囲内において各省各庁の長が定める時間を加えた時間の勤務時間を割り振るものとする。

イ 育児休業法の改正
(ア) 育児短時間勤務の勤務の形態

育児短時間勤務における1日の勤務時間は、フルタイム勤務職員の1日の勤務時間を基準として設定されていることから、その勤務時間が短縮される比率に従って短縮するという考え方に立っている。ただし、この短縮に当たっては、勤務時間管理を煩雑にすることがないよう、5分単位で改定することとし、5分未満の端数がある場合には、これを切り上げる。

具体的には、育児短時間勤務の勤務の形態を次のとおりとする。

(イ) 育児短時間勤務職員の並立任用

育児短時間勤務職員の並立任用(同一の官職に2人の育児短時間勤務職員を任用すること)は、育児短時間勤務職員の1週間当たりの勤務時間が一般の職員の勤務時間(38時間45分)のおおむね2分の1に相当する時間として人事院規則で定める時間である場合に行うことができるものとする。

(ウ) 他の法律の適用の特例

① 給与法の適用の特例として、育児短時間勤務職員又は任期付短時間勤務職員が、正規の勤務時間が割り振られた日のうち休日給が支給されることとなる日以外の日において、正規の勤務時間を超えてした勤務のうち、超過勤務手当の支給割合を100分の100とする勤務は、正規の勤務時間との合計が8時間に達するまでの間の勤務としていたが、正規の勤務時間の短縮に併せて、改正後は7時間45分に達するまでの間の勤務とする。

また、給与法を改正し、再任用短時間勤務職員についても同様の取扱いとする。

② 勤務時間法の適用の特例として、任期付短時間勤務職員の勤務時間は、1週間当たり10時間から20時間までの範囲内で人事院規則の定めるところにより、各省各庁の長が定めることとしていたが、今回の勤務時間の短縮によってフルタイム勤務職員及び育児短時間勤務職員の勤務時間が短縮されることに伴い、1週間当たり10時間から19時間20分までの範囲内とする。

ウ 任期付研究員法の改正

職員の1日の勤務時間が7時間45分に短縮されることに伴い、裁量による勤務を行う第1号任期付研究員について割り振られたものとみなされる1日の勤務時間を、8時間から7時間45分に改正する。

エ 改正の実施時期等

この改定は、平成21年4月1日から実施する。


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