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第1編 《人事行政》

【第2部】 人事院の創立、変遷と国家公務員人事管理における現代的課題

第1節 人事院の創立、変遷

5 平成19年国家公務員法改正


(1) 改正の経緯

我が国では、行政システムの在り方について、内閣機能の強化や中央省庁再編、規制緩和等を通じたいわゆる事前規制型行政から事後監視型行政への転換など、行政の機能、組織及び運営の抜本的な見直しが進められてきた。一方、度重なる不祥事や天下り問題等について、公務員への国民からの激しい批判が寄せられていた。このようなことから、行政を支える公務員制度についても、新たな行政システムの下でその役割と責任を果たしていくことや国民の信頼の再構築を図ることが喫緊の課題となっていた。こうした中で、平成11年3月には、内閣総理大臣の諮問を受けた公務員制度調査会の「公務員制度改革の基本方向に関する答申」が取りまとめられたが、現行制度の理念に基づき各府省人事管理の運用改善を図ることを中心とした提言であった。

省庁再編の準備が進められる中、平成12年12月には行政改革大綱が閣議決定され、信賞必罰の人事制度、再就職の大臣承認制・行為規制の導入、事前規制型組織・人事管理システムからの転換など、これまでの議論とは異なる問題提起を含む国家公務員制度の抜本的な改革が掲げられた。そして、平成13年12月には公務員制度改革大綱が閣議決定され、内閣及び各府省が適切に人事・組織マネジメントを行うこと、内閣と第三者機関の機能の整理、職階制に替えて能力等級を基礎とする任用・給与制度の新設、官民交流や公募制の拡大、再就職の大臣承認制の導入・行為規制などが盛り込まれた。その後、これに基づく立案作業が進められたが、国会への法案提出には至らなかった。

平成16年には、与党から政府に対し、能力・実績主義の人事管理及び再就職の適正化について方針を取りまとめて法案を提出するよう要請がなされた。同年末には、今後の行政改革の方針が閣議決定され、改革関連法案の提出を検討するが、評価の試行などについては現行制度の枠内で早期実施を図ることとされた。人事院は、かねて検討を進めていた給与構造改革を5年間かけて実現することを平成17年の給与勧告で表明した。

平成18年9月には、行政改革担当大臣により、官民間の人材の異動の促進、再就職規制の見直しなどを内容とする試案がまとめられた。その後、政府・与党間での論議等も経て、平成19年4月24日に能力・実績主義の導入と再就職に関する規制を目的とした国家公務員法等の一部改正法案が閣議決定された。国会では様々な論議がなされ、延長された会期において、同年6月30日に同改正法案は成立した。

(2) 改正の概要

平成19年の国家公務員法の主な改正内容は、次のとおりである。

この改正に伴い、人事院が所管していた営利企業への再就職の事前承認制度は廃止された。(なお、一定期間は、これに替えて内閣による事前承認制度を暫定的に設けることとされた。)


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