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第1編 《人事行政》

【第2部】 人事院の創立、変遷と国家公務員人事管理における現代的課題

第1節 人事院の創立、変遷

6 平成21年国家公務員法改正案


(1) 経緯

平成18年7月以来、公務員の労働基本権の在り方を含む労使関係等について審議を続けてきた行政改革推進本部の専門調査会(座長 佐々木毅学習院大学教授)は、平成19年10月に報告書を取りまとめた。一方、平成19年4月に閣議決定された「公務員制度改革について」において、公務員の採用から退職までの人事制度全般の課題について総合的・整合的に検討していくこととされ、同年7月には総理の下に有識者からなる「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」(座長 岡村正東芝取締役会長)が設けられた。同懇談会は、平成20年2月に上記専門調査会報告の内容も取り入れた報告書を取りまとめた。これを受けて同年4月、国家公務員制度改革基本法案が閣議決定され、国会審議の過程で与野党の協議により法案が修正された後に、同年6月には、同基本法が可決成立した。その主な内容は、以下のとおりである。

同基本法に基づき、平成20年7月、内閣に国家公務員制度改革推進本部が設置され、また同本部に有識者からなる顧問会議(座長 御手洗冨士夫日本経済団体連合会会長)が設けられた。顧問会議が平成20年11月に報告をまとめた後、「公務員制度改革に係る「工程表」について」が平成21年2月3日に国家公務員制度改革推進本部決定されるとともに、同年3月31日に国家公務員法等の一部改正法案は閣議決定され、同日、国会に提出された。

(2) 改正案の概要

平成21年の国家公務員法の改正案は、内閣による人事管理機能の強化等を図るため、人事の一元的管理に関する規定を創設し、内閣人事局の設置に関する規定の整備を行うとともに、国家戦略スタッフ、政務スタッフを創設すること等を内容とするものであった。その概要は以下のとおりである。

(3) 改正案についての人事院の考え方

縦割り行政の弊害を排除すること等を目的とし、内閣による人事管理機能の強化等を図るため人事の一元的管理を行うなどの国家公務員制度改革基本法に基づく改革については、人事院として必要と認識しており、国家公務員制度改革推進本部とも意見交換や国家公務員法の改正案の協議などを重ねてきた。そうした中で、今回の改正案に関しては、現在の国家公務員法の基本的枠組みに関わる問題があるので、人事院の提案や意見を法案に反映させるよう求めてきたが、合意に至らず法案の閣議決定の運びとなったため、平成21年3月31日、内閣総理大臣に対して修正を求める意見を含む次のような内容の意見書を提出した。

なお、人事院としては、幹部職員の号俸格付けを人事院指令による定めから内閣総理大臣の承認を得て各府省の大臣が行うこととすること、内閣総理大臣の定める基本的な方針(人材基本戦略)を踏まえつつ、人事院が基準の設定等や実施を担うこととすることなどの提案を行っており、これによって国家公務員制度改革基本法に基づく幹部職員等の一元管理は実現できるものと考える。


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