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第1編 《人事行政》

【第2部】 人事院の創立、変遷と国家公務員人事管理における現代的課題

第3節 国家公務員人事管理における現代的課題

5 人事行政の中立・公正性


(1) 行政の基盤としての職業公務員の中立・公正性

議院内閣制の下において、職業公務員は、内閣の基本方針に従い、行政の専門家として専門的知識を備えつつ、国民全体の奉仕者として以下のように中立・公正な立場に立って職務を遂行することが求められる。

また、職業公務員には、特定政党の利益のためその地位を利用することがないよう政治的行為の規制が課されるとともに、民間企業等との癒着関係が生じることで行政が歪められることのないよう一定の規制が行われるなど、厳正な服務規律が課されている。

(2) 公務員人事行政における中立・公正性の確保の必要性とその仕組み

議院内閣制の下で、職業公務員が本来求められる役割を十全に果たすためには、恣意的な人事運用を排し、あくまで成績主義に基づく採用・昇進や分限・身分保障の確保、厳正な服務規律が確保されることが不可欠である。したがって、第1節2でみたように、恣意的な人事を通じて行政運営が歪められることのないよう、成績主義による採用・昇進や分限・身分保障、不利益処分に対する救済システムが講じられている。また、研修の実施に当たっても、議院内閣制の下で、いかなる内閣にも誠実に仕えることのできる職業公務員の育成を図ることが要請される。このように人事行政の中立・公正性を確保することは必要不可欠である。

こうした公務員人事行政の中立・公正性の確保に必要な仕組みとして、公務員制度の根幹となる事項は法律で規定するとともに、任用・分限などについて細目的基準を設定し、その遵守状況を監視・審査する役割及び採用試験、合同研修などの企画立案・実施を行う役割は、使用者である内閣から一定の独立性を持った機関が担うことが必要である。

こうした制度的な保障の下、成績主義に基づく公正で適材適所の人事が行われることにより、職業公務員の高いモラールの維持、有為な人材の誘致が可能となり、効率的かつ安定的な行政運営が実現されると考える。


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