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第1編 《人事行政》

【第3部】 平成20年度業務状況

第2章 人材の育成

第2節 人事院が実施した研修

2 派遣研修

各府省の行政官を国内外の大学院等や民間企業等に派遣する派遣研修の制度を運営、実施している。

(1) 在外研究員制度
ア 行政官長期在外研究員制度

行政の国際化が進展する中で、国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を2年間諸外国の大学院等に派遣し、研究に従事させる制度である。

派遣される研究員は、在職期間が8年未満の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院等の選考を経て決定している。

平成20年度は136人を派遣し、派遣先国(地域)別の内訳は、米国98人、英国25人、中国4人、フランス3人、オーストラリア及びシンガポール各2人、ドイツ及びオランダ各1人となっている。

昭和41年度の発足以来、平成20年度までに派遣した研究員の総数は、2,413人で、昭和62年度以降着実に増加し、平成14年度以降、派遣者数は毎年度120人以上で推移していたが、平成20年度は136人と過去最高となった。(図2−2

[図2-2]行政官長期在外研究員派遣者数の推移

派遣先国(地域)別の内訳は、米国1,821人、英国322人、フランス133人、ドイツ58人、カナダ44人、オーストラリア19人、中国8人、オランダ3人、その他5人となっている。

この制度の修了者は、そのほとんどが派遣期間中に修士号の学位等を取得するとともに、帰国後、再び海外の第一線で活躍する者が多い。国内にあっても、国際的視野に立った行政施策の企画・調整の衝に当たるなど、我が国行政の国際的な活動において、大きな役割を担っている。

イ 行政官短期在外研究員制度

諸外国において専門的な知識、技能等を習得させることにより、増大しつつある国際的業務に適切かつ迅速に対処し得る人材の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を約6か月間又は1年間、諸外国の政府機関等に派遣する制度である。

派遣される研究員は、在職期間がおおむね6年以上で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の3級以上(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院が選抜審査を行って決定している。研究員は、諸外国の政府機関、国際機関等に派遣され、それぞれの課題について調査研究活動に従事する。

平成20年度は33人を派遣しており、派遣先内訳は、表2−6のとおりである。昭和49年度に発足以来、平成20年度までに派遣した研究員の総数は、1,253人で、派遣先国(地域)別の内訳は、米国618人、英国269人、オーストラリア80人、ドイツ53人、フランス51人、カナダ49人、その他133人となっている。

研究員が帰国後に提出する研究報告書は、海外の制度、実情に関する最新の情報であり、関連する行政分野における貴重な資料として、各府省の行政に反映されている。

また、国際的な場で活躍できる人材の育成に資するため、平成20年度においては「実務体験型コース」として、米国連邦政府機関に2名派遣した。

[表2-6]平成20年度行政官短期在外研究員派遣状況
(2) 国内研究員制度
ア 行政官国内研究員制度(博士課程コース)

行政の複雑・高度化の進展により、従来にも増して高度の専門知識、技能を持った行政官の育成が求められている。併せて、各府省における国際関係業務の進展に伴い、行政官が国際会議へ参加する機会も増え、諸外国の行政官と同等レベルでの交渉を行う上で、各府省の中で、博士号を保有する高度の専門的職員層を一定程度確保していくことが望ましいとの声もあり、職員に博士号を取得させる機会を与える必要性が高まってきていた。そこで、平成19年度に各府省の行政官を3年間を限度として、国内の大学院の博士課程に派遣し研究に従事させる「行政官国内研究員制度(博士課程コース)」を新設した。

派遣される研究員は、在職期間が2年以上おおむね25年未満で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の2級から9級まで(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院の入学試験を経て決定される。

このコースによる派遣は、平成19年度に募集を行い、翌20年4月から開始し、平成20年度は、2人の研究員を派遣した。(表2−7

[表2-7]平成20年度行政官国内研究員(博士課程コース・修士課程コース)派遣状況
イ 行政官国内研究員制度(修士課程コース)

高度の専門知識、技能を持った行政官を育成し、行政の複雑・高度化に対処することを目的に、各府省の行政官を2年間を限度として、国内の大学院の修士課程に派遣し研究に従事させる制度である。

このコースは、平成19年度に「行政官国内研究員制度(博士課程コース)」の新設に伴い、平成20年度から「行政官国内研究員制度(修士課程コース)」に名称を改めた。

派遣される研究員は、在職期間が2年以上おおむね16年未満で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の1級から6級まで(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院の入学試験を経て決定される。

ウ 行政官国内研究員制度(司法修習コース)

各府省の行政官のうち、司法試験に合格している者を司法研修所に派遣して、法律に関する理論と実務の研究に従事させることにより、複雑・高度化する行政に対応し得る専門的な法律知識等を修得させることを目的としている。

平成20年度は1人の研究員を派遣した。なお、昭和63年度の発足以来、平成20年度までに派遣した研究員の総数は25人となっている。

(3) 民間派遣研修制度

人事院は、民間派遣研修の適正かつ円滑な実施を図るために必要な事項を規則10−9(民間派遣研修)に定めている。この研修制度は、同規則に基づいて職員を1月以上1年を超えない期間で民間企業等に派遣して、その業務を体験させることにより、民間企業等の業務運営の手法等を理解させることを目的としている。

平成20年度は、地方機関からの派遣も含めて、4府省から14人が派遣された。


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