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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

第2節 適正な公務員給与の確保

平成21年8月の人事院勧告

1 報告と勧告


(1) 平成21年8月勧告のポイント

平成21年8月11日、国会及び内閣に対し、一般職の職員の給与等について報告し、給与等の改定について勧告を行った。そのポイントは、以下のとおりである。

この勧告を行うに当たって、人事院は、職員団体や各府省の人事当局から、例年同様、きめ細かく意見聴取を行った。また、東京を含む全国43都市で有識者との懇話会、中小企業経営者等との意見交換を行ったほか、人事院が委嘱している「国家公務員に関するモニター」(500人)に対するアンケート調査を実施するなど、広く国民の意見の聴取に努めた。

(2) 民間給与との較差に基づく給与改定

平成21年の給与勧告を行うに当たり、例年同様、春季賃金改定後の民間企業の給与実態調査を行ったところ、ベースアップを実施した事業所の割合は昨年に比べて大幅に減少し、定期に行われる昇給を実施した事業所の割合も昨年に比べて減少していた。

このような状況において、平成21年4月分の公務員の月例給と民間給与との比較を行ったところ、公務員の月例給が民間給与を863円(0.22%)上回っていた。

そこで、月例給については、民間給与との較差の大きさ等を考慮し、これに見合うよう引下げ改定を行うこととした。具体的には、初任給など若年層及び医療職俸給表(一)を除き、俸給表の引下げ改定を行うとともに、自宅に係る住居手当について、財形持家個人融資の利用者が大幅に減少し、措置しておく必要性が認められないことから、廃止することとした。なお、俸給表の引下げ改定を行うことに伴い、平成17年法律第113号附則第11条の規定による経過措置額(給与構造改革の俸給水準引下げに伴う経過措置額)についても、当該経過措置額の支給を受ける職員のうち俸給月額の引下げ改定のあった者について、当該経過措置額の算定基礎となる額の引下げを行うこととした。

これらの改定については、遡及することなく施行日からの適用とするが、平成21年4月から改定の実施の日の前日までの期間に係る較差相当分を解消し、年間給与で公務と民間の均衡を図る観点から、俸給月額の引下げ改定のあった者について、4月の給与に100分の0.24(行政職俸給表(一)の職員全体の較差の合計額を引下げ改定が行われる俸給月額を受ける職員の給与月額の合計額で除して得た率)を乗じて得た額に4月から実施の日の属する月の前月までの月数を乗じて得た額と、6月期のボーナスの額に100分の0.24を乗じて得た額の合計額を、同年12月に支給する期末手当の額で調整することとした。

また、特別給について、職種別民間給与実態調査の結果に基づき、昨年8月から本年7月までの1年間の民間の特別給の支給割合に見合うよう、0.35月分引き下げることとした。平成21年度については、6月期の特別給について前述の5月の勧告に基づき凍結していた分(0.2月分)を支給しないこととし、これを差し引いた残りの支給月数分を12月期の特別給から差し引くこととした。

このほか、超過勤務手当の支給割合等について、民間において時間外労働の割増賃金率の引上げ等を内容とする労働基準法の改正が平成22年4月から施行されることを踏まえ、公務において、特に長い超過勤務を強力に抑制し、また、こうした超過勤務を命ぜられた職員に休息の機会を与えるため、月60時間を超える超過勤務に係る超過勤務手当の支給割合を引き上げるとともに、当該支給割合の引上げ分の支給に代えて正規の勤務時間においても勤務することを要しない日又は時間を指定することができる制度を新設することとした。

(3) 給与構造改革
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