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第1編 《人事行政》

【第3部】 平成21年度業務状況

第2章 人材の育成

第2節 人事院が実施した研修

1 役職段階別研修

(1) 府省合同幹部要員研修(行政研修)

各府省の行政運営の中核となることが期待される職員を対象とする府省合同幹部要員研修(「行政研修」という。)は、豊かな感性と高い倫理観に基づいた国民全体の奉仕者としての使命感の徹底、広い視野、柔軟な発想など国民全体の視点に立つために求められる資質を向上させること及び国家公務員として協力して施策を行うための相互の信頼関係を醸成することを基本的な目的として実施している。

行政研修については、役職段階ごとに採用時の合同初任研修、初任行政研修をはじめ、3年目フォローアップ研修、本府省の課長補佐級、課長級の各職員に対する研修などを実施しており、課長補佐級以上においては、@国民全体の奉仕者としての使命と職責について考える、A公共政策の在り方を多角的に検証し考える、B公正な公務運営について学ぶ、の三点をカリキュラムの柱としている。また、研修参加者が、合宿研修を通じて議論を重ね、意見を交換して、互いに啓発しながら相互の理解・信頼を深めることをねらいとしている。

また、様々な分野の者との交流を通じ幅広い視野を身に付け相互の理解を促進する観点から、民間企業、外国政府等からの参加を得て実施している。

平成21年度における行政研修の実施状況は、表2−1のとおりであり、全体で42コースを実施した。

[表2-1]平成21 年度行政研修実施状況
[表2-2]平成21 年度初任行政研修の内容
[表2-3]平成21 年度行政フォーラムのテーマ及び講師
(2) 昇任時相談窓口等体験研修

平成21年度より、内閣府と共催で、本府省審議官級昇任者を対象とする「昇任時相談窓口等体験研修」を試行的に開始した。

この研修は、平成20年4月に内閣府国民生活審議会(当時)が内閣総理大臣に提出した意見(生活安心プロジェクト「消費者・生活者を主役とした行政への転換に向けて」(行政のあり方の総点検))において、「霞が関に勤務する国家公務員は現場に出て消費者・生活者の声に触れる機会が少ないため、消費者・生活者の実態把握や行っている施策の効果の検証が十分に出来ていない」として、「福祉・労働、消費者行政などの相談窓口での体験研修を含む昇任研修を、府省庁本省の昇任者全員に実施するためのプログラムの実施」という提言がなされたことが発端となっている。

同年7月、関係省庁局長会議において、同プロジェクトに対するアクションプランが決定され、閣僚級の消費者政策会議(会長 内閣総理大臣)に報告されたが、同プランでは、消費者庁の創設と並んで「消費者・生活者を主役とする行政を担う国家公務員の意識改革」が施策の柱の一つとされた。その具体的な取組として、内閣府及び人事院が担当府省となり、平成21年度については、本府省審議官級昇任者を対象に、試行的に相談窓口研修を行うことが盛り込まれたものである。

平成21年度は、アクションプランに基づき、原則として直近1年間に昇任した本府省審議官職員を対象に、5回に分けて実施し、全対象者の約9割に当たる97名が参加した。各回において、研修員は8種類の窓口機関(国民生活センター、消費生活センター、行政相談所、日本司法支援センター(法テラス)、公共職業安定所、児童相談所、福祉事務所、社会保険業務センター)のうち、いずれか指定された窓口に赴いて、消費者・生活者の実態に接する業務を体験した後、その体験を踏まえ、それぞれ担当する行政の今後の在り方の見直しに向けた意見交換を行った。

参加した研修員からは、「消費者・生活者の視点に立った分かりやすい情報提供や、国民のニーズを踏まえた政策の必要性について再認識した」「相談者の立場に立った丁寧な対応ぶりが参考になった」などの意見が出されており、各府省の幹部職員が窓口業務の体験を通じて、具体的に自らの仕事の意義や姿勢を見直す契機となったと考えられる。

平成22年度においても、受入先窓口の協力を得た上で、平成21年度とほぼ同じ形で研修を継続する方向で、受入窓口所管府省及び送出側府省の双方と調整している。

(3) 地方機関職員研修

各地方事務局及び沖縄事務所では、公務員研修所が実施する行政研修と同様の考え方に立ち、管内の各府省の地方機関の実情を踏まえつつ、各役職段階別ごとに求められる能力、資質等を向上させるとともに、国民全体の奉仕者としての使命感と職責を確かなものとし、併せて政府職員としての一体感を培うことを目的とする役職段階別の研修、行政運営の在り方及び幹部行政官として求められる倫理観を考察させることを目的とする幹部行政官セミナー、また、特定のテーマに関する知識・スキルを深めるための特定テーマ研修を実施している(表2−4)。

[表2-4]平成21 年度地方機関職員研修実施状況
[表2-5]平成21 年度幹部行政官セミナー実施状況

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