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第2編 《国家公務員倫理審査会の業務》

【第1部】 特集 倫理法・倫理規程の10年と今後の展望

第1節 倫理法・倫理規程の10年

4 各種報告制度について


  倫理法の体系では、倫理規程によって具体化された「行動のルール」に加えて、倫理法自ら「報告のルール」を定めている。贈与等報告、株取引等報告、所得等報告の3つの制度がそれであり、これらの報告制度は、職員と事業者等との接触の透明性を確保する仕組みとして設けられている。
  指定職以上の職員が提出した贈与等報告書並びに本省審議官級以上の職員に提出義務のある株取引等報告書及び所得等報告書については、その写しが全て倫理審査会に送付され、倫理審査会がその審査を行っている。その結果、贈与等報告書の内容と所得等報告書の内容を突合するなどの作業を通じて、倫理法等違反が発覚したという例も見られた。また、贈与等報告書については、贈与等の額が20,000円を超える場合には一般の閲覧に供されることとなっているが、閲覧者の指摘が倫理法等違反の発覚につながったということも見られたところであり、報告制度は、職員が事業者等から不適正な贈与等を受けていないかどうかを事後的にチェックするという機能を果たしてきた。
  また、これらの報告制度は、職員と事業者等との不適正な接触を事前に抑止するという役割も果たしてきた。本省課長補佐級以上の職員は、事業者等から5,000円を超える贈与等を受けた場合には、すべからく報告書を提出しなければならないとする強い義務を倫理法は定めており、その額が20,000円を超えるときは閲覧に供されることとなる。このことは、職員にとってはかなり大きな負担となっていると思われるが、職員が事業者等から贈与、飲食の提供、講演の報酬等を受ける際に、その内容を確認し、併せてそれが倫理法・倫理規程に違反するものでないか自らチェックすることは、倫理法等違反を未然に防止する効果があるとともに、職員が倫理法・倫理規程を意識する良い機会ともなっていると考えられる。
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