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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

第1章 人材の確保、育成

1 採用試験の基本的な見直し


少子化の進展、公務及び公務員に対する批判の影響などにより、公務の人材確保について極めて厳しい状況が続いている中、行政サービスの基盤を支える優秀かつ多様な人材を確保するため、各府省と連携した積極的な人材確保活動の推進とともに、国家公務員制度改革基本法においても採用試験の基本的な見直しを行うことが喫緊の課題とされていた。

人事院では、平成22年6月、新たな採用試験の試験の種類、試験区分、試験種目、受験資格等の具体的な内容について、意見公募手続(パブリックコメント)を実施し、その結果も踏まえ、同年8月の人事院勧告時の報告の際、新たな採用試験の全体像を提示するとともに、各試験の出題分野、解答題数、解答時間などの具体的内容を人事院ホームページにおいて公表した。

新たな採用試験は、能力・実績に基づく人事管理への転換の契機となることや、新たな人材供給源に対応し、多様な人材の確保に資する試験体系とすることなどを基本的な視点としている。その主な内容は、現行のⅠ〜Ⅲ種試験を廃止し、総合職試験及び一般職試験に再編すること、総合職試験に院卒者試験を創設すること等である。

見直しの視点と措置のポイントは以下のとおりである。

新たな採用試験における見直しの視点と措置のポイント【5本の柱】

1 能力・実績に基づく人事管理への転換の契機

キャリア・システムと慣行的に連関している採用試験体系を抜本的に見直すことにより、能力・実績に基づく人事管理への転換の契機とする

2 新たな人材供給源に対応した試験体系
  • ① 総合職試験に専門職大学院を含む大学院修了者を対象とした院卒者試験を設ける
  • ② 院卒者試験に新司法試験合格者を対象とした「法務区分」(秋季に実施)を設ける
3 多様な人材の確保に資する試験体系
  • ① 総合職試験に企画立案に係る基礎的な能力の検証を重視した「教養区分」(秋季に実施)を設ける
  • ② 一般職試験に「社会人試験(係員級)」を設ける
  • ③ 専門職試験に、国税専門官採用試験など現行の各種試験に加え、新たに食品衛生監視員採用試験などの専門的な職種を対象とした採用試験を設ける
  • ④ 民間企業等経験を有する者を係長以上の職に採用するため「経験者採用試験」を設ける
4 能力実証方法の改善
  • ① 知識よりも論理的思考力・応用能力の検証に重点を置いた「基礎能力試験」を設ける
  • ② 人物試験をより的確に行うため全ての試験で「性格検査」を実施する
  • ③ 院卒者試験に、政策の企画立案能力及びプレゼンテーション能力を検証する「政策課題討議試験」を導入する
5 中立・公正な試験の確保

今後は、平成24年度からの新たな採用試験の実施に向けて、受験生等に対する積極的な周知を行うとともに、試験問題の作成など必要な準備を進めていく。

なお、平成23年4月には、新たな採用試験について、根拠となる人事院規則等の改正を行うとともに、出題分野ごとの出題数などの細部も含めた新たな採用試験の具体的な内容について改めて公表を行った(新たな採用試験の概要は資料1−21参照)。


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