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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

第1章 人材の確保、育成

3 官民人事交流の推進


公務以外の民間部門との人的な交流の推進は、人材の育成や専門性の高い人材の活用、組織の活性化やセクショナリズムの弊害の是正の観点から、極めて有意義であり、これまで民間人材の中途採用(規則1−24(公務の活性化のために民間の人材を採用する場合の特例))、官民人事交流制度(官民人事交流法)、任期付職員制度(任期付職員法)等の各制度を順次整備してきた。

平成22年度においては、官民人事交流制度について、政府からの検討要請を踏まえ、公務の公正性を確保しつつ、制度の趣旨に沿った交流が行われるよう、指定職俸給表の適用を受ける職員のうち、本省庁の部長・審議官などについて、意見公募手続(パブリックコメント)、人事院に置かれる交流審査会(会長:稲葉馨東北大学大学院教授)への諮問を経て、交流基準の見直しを行った。

また、官民人事交流を推進するためには、各府省及び民間企業において、この制度がより広く認知・理解され、活用の機運が高まることが必要である。平成22年度においては、9月に各府省人事担当者会議を通じて官民人事交流の推進の要請を行い、そのニーズの把握に努めた。また、経済団体の協力を得て、総務省と共同して民間企業を対象とした「官民人事交流のさらなる活用に関する説明会」を東京(2回)、大阪及び福岡において実施した。さらに、人事交流体験者の体験談等を内容とした、「2010官民人事交流体験談集(平成22年11月)」を作成し、各種説明会等の機会を通じて、説明、配布した。

以上のような環境整備の取組の下、各府省においては、それぞれのニーズに応じて、これらの制度を活用してきており、公務と民間部門との人事交流は着実に拡大している(図1)。

図1 官民人事交流の実施状況

人事院では、引き続き、様々な機会を通じて官民人事交流の活用についての働きかけを進めながら、公務の公正性を確保しつつ、官民人事交流の推進の環境整備が図られるよう努めていくこととしている。

一方、「退職管理基本方針」(平成22年6月22日閣議決定)では、公益法人や特定非営利活動法人(NPO法人)等の業務のうち、行政運営にとって不可欠な業務を提供しているなど高い公共性が認められるものについて、その業務支援等のために職員をこれらの法人に派遣することは意義があるとして、当該法人から求められた場合には、専門的な知識・経験を有する職員を派遣できるようにすることが適当であるとして、人事院に検討の要請がなされている。職員の派遣については、内閣において国家公務員を公益法人等に派遣することについての意義や妥当性を整理し、高い公共性が認められる法人の認定等の選定を行うこととされており、人事院としてもこれらを踏まえ、必要な検討を行っている。


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