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第1編 《人事行政》

【第2部】 変革が迫られる国家公務員人事管理

第1章 検討に当たって

1 国家公務員の役割と一般職国家公務員の特性


日本国憲法は、「行政権は、内閣に属する」(第65条)と定めており、内閣は、立法や司法に属さない全ての国家の作用を担当し、国民の生命、財産を守ることなどのため、法律に基づいて幅広い行政活動を行っている。すなわち、国家は、公共目的を達成するために活動を行っており、行政が十分に機能することにより成り立っているといえる。

この行政を実際に担うのは、大臣、副大臣、大臣政務官等の特別職国家公務員と一般職国家公務員である。

一般職国家公務員は、専門性に基づき業務遂行を担い、大臣等の政策決定や行政運営を補佐し、行政の質を保ちながら、安定的、継続的にサービスを提供する責任(役割)を有している。また、「全体の奉仕者」(憲法第15条)という観点から、公務の能率を向上させ、ひいては国民の福祉を増進するため、専ら成績主義に基づいて任用されるべきものとされている。その公務員集団の特性としては、次のような点が挙げられる。

 成績主義による任用・処遇
成績主義原則の下、採用の中心は採用試験によるいわゆる「資格任用」とされており、採用後の任用、給与決定等についても能力・実績に基づいて行われる。
 専門能力を持つ集団
各行政分野における専門家集団として、複雑・高度化している社会経済の変化に適切に対応して職務を遂行する。
 中立・公正性
国民全体の奉仕者として、一部の利益ではなく、公共の利益を追求するため、中立・公正かつ公平に職務を遂行する。
 継続性
公務内における長期的な勤務を前提としつつ、長期的な視点を持って、安定的、継続的に行政に従事するとともに、担当者が交替しても、継続性を持って職務を担当する。

このような特性を持つ公務員の役割の重要性については、東日本大震災後の復旧・復興において、国家公務員や地方公務員が厳正な規律、高い使命感、倫理観を保持して様々な取組を行っていることを通じて、改めて認識がなされている。


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