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第1編 《人事行政》

【第2部】 変革が迫られる国家公務員人事管理

おわりに


本稿においては、国家公務員の人事管理の在り方について、現下の行政課題や国家公務員制度改革の流れを踏まえつつ、改めて問題を整理するとともに、三つの観点から、今後の人事管理に資するべく、具体的な対応策の提言を行った。

第一に、人事評価を通じた能力・実績主義の人事管理の実現として、

第二に、採用から退職までの視点に立った人事管理として、

第三に、人事の公正の確保の観点からは、「政」と「官」が役割分担と連携の下に政策を推進していくことを踏まえつつ、幹部職員を含めた人事における公正の確保が重要であることについて整理するとともに、人事院が内閣総理大臣に対して行った提言内容を示した。

 

国家公務員は、憲法第15条で「全体の奉仕者」とされており、公務の遂行に当たり中立・公正が求められている。これを担保する意味から、公務員人事の公正の確保が必要とされている。人事の公正の確保については、「政」と「官」の適正な関係を維持するため、どの先進諸国においても様々な工夫と努力が重ねられている。それだけ重要な課題なのである。

また、現在よく見受けられる採用試験の種類等による人事グループごとの硬直的な人事運用をみると、必ずしも適材適所の人事に資しているとはいえない。「政」と「官」の関係において、人事の公正を求めるからには、当然のことながら、「官」の内部において、成績主義に基づく人事、すなわち能力・実績主義に基づく人事を行っていかなければならない。公務に関わる全ての者が、「全体の奉仕者」である国家公務員について、人事管理をめぐる問題等を十分認識し、実態を踏まえた将来的な動向をシミュレーションした上で、これまで行ってきた人事管理から脱却し、早急に新たな人事管理の構築に取り組んでいく必要がある。


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