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国家公務員制度改革の動向

1 国家公務員制度改革をめぐる動き


国家公務員制度改革については、平成20年6月に制定された国家公務員制度改革基本法(以下「基本法」という。)に基づき、諸改革事項の検討が進められている。

平成23年4月5日、国家公務員制度改革推進本部(本部長:菅直人内閣総理大臣)において、基本法の改革事項全体について政府の方針を定める「国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の「全体像」について」が決定された。同日の会議には人事院総裁もオブザーバーとして出席し、公正で実効性の高い制度の実現が図られるよう人事行政の専門機関として協力していく旨表明した。この全体像に沿って法案の作成作業が進められる中、人事院は、同年4月19日、「国家公務員制度改革についての意見」を内閣総理大臣に提出し、新たな人事行政の実施体制において人事院が担ってきた人事行政の公正を引き続き確保するために法令として措置すべき事項、及び適切かつ実効性のある労使関係制度とするために必要な措置について意見を申し述べた。

平成23年6月3日、国家公務員制度改革推進本部において、幹部人事の一元管理等に係る所要の措置を講ずること、非現業の国家公務員に協約締結権を付与すること、それに伴って人事院勧告制度を廃止すること、労働組合と当局との間の労使関係に関する事項を定めること、公務員庁の設置等の措置を講ずることなどを内容とする国家公務員制度改革関連4法案が決定され、閣議決定を経て、第177回国会(常会)に提出された。

同日、我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み、国家公務員給与について平均7.8%の減額支給措置を講ずるための「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」(以下「給与臨時特例法案」という。)が閣議決定され、国会に提出された。国家公務員制度改革関連4法案については同国会において審議されることなく、継続審査となり、続く第178回国会(臨時会)及び第179回国会(臨時会)においても継続審査となり、第180回国会(常会)に至っている。

人事院は、後述のとおり東日本大震災の影響により、例年より遅く平成23年9月30日、国会及び内閣に対して、一般職国家公務員の給与改定について勧告し、あわせて、国家公務員制度改革について報告し、その中で国家公務員制度改革の議論の前提となるべき基本認識を改めて表明するとともに、国家公務員制度改革関連4法案に関する論点を整理し、提示した。また、基本法において、雇用と年金の接続の重要性に留意して定年を段階的に65歳に引き上げることについて検討することとされていることを踏まえ、同日、人事院は、公的年金の支給開始年齢の引上げに合わせ、定年を段階的に65歳に引き上げるための法改正についての意見の申出を、国会及び内閣に対して行った。

国家公務員給与については、平成23年6月3日に提出された給与臨時特例法案の取扱いと9月30日に提出された人事院勧告の取扱いとが問題になった。最終的には、民主党、自由民主党及び公明党による協議の結果を受け、平成24年2月22日、平成23年人事院勧告に基づく給与改定を実施した上で、東日本大震災に対処する必要性等に鑑み、給与減額支給措置を講ずること等を内容とする「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案」が3党共同で国会に提出された。同法律案は、2月29日に成立し、同日公布された。なお、政府提案の給与臨時特例法案は審議されなかった。

平成24年3月23日、国家公務員の雇用と年金の接続について、再任用の義務化による雇用と年金の接続等を内容とする基本方針が行政改革実行本部・国家公務員制度改革推進本部(本部長:野田佳彦内閣総理大臣)合同会合において決定され、この方針に基づき、政府全体として具体的な施策の検討が進められている。


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