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第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第5章 勤務環境の整備

1 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応


(1)ボランティア休暇の特例の制定

東日本大震災による被害は甚大であり、被災地においてボランティア活動が復旧、復興に大きな役割を果たすことが期待されていたことから、職員が被災者のためのボランティア活動に参加することが容易になるよう、規則15−14(職員の勤務時間、休日及び休暇)で定めるボランティア休暇の特例として規則15−16(東日本大震災に対処するための人事院規則15−14(職員の勤務時間、休日及び休暇)の特例)を制定した(平成23年4月13日公布・施行)。

特例の内容は、被災地への交通事情の悪化や被災者の避難地域の全国への広がりを踏まえ、被災地において被災者を支援する活動を行う場合の休暇の上限日数を5日から7日に引き上げたこと及びボランティア活動の対象地域として「被災者を受け入れている地域」を追加したことである。

特例の有効期限は、当初は平成23年12月31日までとしていたが、使用状況(平成23年の使用実人員659人)、被災地におけるボランティア活動への需要や復興への取組の進捗状況等を総合的に勘案し、平成24年12月31日まで延長することとした。

(2)被災地において職務に従事する職員等の惨事ストレスへの対応

東日本大震災に際しては、自ら被災した職員のほか、多くの職員が被災地等において肉体的・精神的に過重な業務に従事し、その惨事ストレスへの対応が課題となった。そのため、専門家の協力を得て、平成23年6月から8月にかけて、気仙沼市、仙台市、石巻市において、被災した職員、被災地で復興作業に従事する職員等のうち希望者を対象として個別面談を実施するとともに、仙台市では、健康管理事務担当者を対象として惨事ストレスへの対応に関する講演会も併せて開催した。

(3)職務に専念する義務の免除に関する臨時措置

東日本大震災による職員の現住居の滅失等の被害の状況を考慮し、指令14−1(平成23年東北地方太平洋沖地震の被害に伴う職員の職務に専念する義務の免除に関する臨時措置について)を発出し、同年3月15日より被災した職員が住居の復旧作業に従事し、又は一時的に避難している場合等で、職員が勤務しないことがやむを得ないと認めるときは、公務の運営に支障のない範囲内において、勤務しないことを承認することができるよう臨時的な措置を講じている。

また、現住居の滅失等の場合の特別休暇の要件をこの指令の要件と同様のものとする等のため、規則15−14(職員の勤務時間、休日及び休暇)の一部を改正した。あわせて、非常勤職員についても現住居の滅失等の場合の休暇(有給)が利用できるよう休暇制度を新設するとともに、出勤困難の場合の休暇(有給)の日数を「連続する3日の範囲内の期間」から「必要と認められる期間」とする等のため、規則15−15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の一部を改正した(平成23年3月17日公布・施行)。

(4)東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応

東京電力福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の事故に対応するため、電離放射線障害防止規則の特例を定める厚生労働省令が制定(平成23年3月)及び廃止(同年12月)されたことに合わせ、規則10−5(職員の放射線障害の防止)を改正し、福島第一原発で緊急作業に従事する職員の被ばく限度の変更を行った。

また、福島第一原発で緊急作業等に従事している職員に対し、平成23年10月、健康診断や保健指導の適切な実施等を定める「東京電力福島第一原子力発電所において緊急作業に従事する職員等の長期的健康管理に関する指針」(平成23年職職−321)を発出するとともに、 除染等業務に関連する業務に従事する職員に関し必要な措置等を定めた規則10−13(東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等の除染等のための業務等に係る職員の放射線障害の防止)を制定した(平成24年1月施行)。

(5)東日本大震災に対処するための給与法等の規定の適用の特例等

東日本大震災による行方不明職員の生死が3月間不明等の場合、給与法及び補償法の規定の適用において、当該職員は、平成23年3月11日に死亡したものと推定することとした(東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成23年法律第40号)第12条、第13条)。

また、東日本大震災の発生に伴う災害応急作業等の業務で規則9−30(特殊勤務手当)において手当の支給対象とされていない業務(福島第一原発の敷地内及びその周辺の区域で行う作業等)について、規則9−129(東日本大震災に対処するための規則9−30(特殊勤務手当)の特例)を制定した(平成23年6月29日公布・施行、同年3月11日適用)。(詳細については第3部第3章第2節1(1)参照)


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