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第1編 《人事行政》

【第2部】 公務員給与の決定過程 〜諸外国の実態と我が国の課題〜

第1章 諸外国の実態

第2節 イギリス

3 上級公務員及び一般職員の給与以外の勤務条件をめぐる労使交渉の概要

● 交渉は給与に関するものが大半であるが、各省等別に、これに合わせて雇用条件や有給休暇についても交渉されることがある。

● 年金改革のような重要な問題については、大臣級交渉が行われることがある。年金制度は全省統一的な制度であるため、省庁横断的に中央レベルでの交渉となる。

給与以外の勤務条件については、上級公務員であれ一般職員であれ、労使交渉により決定している。

(1)交渉事項

交渉事項の範囲は、法律上例示が列挙されており(1992年労働組合及び労使関係法第178条第2項)、具体的には、勤務条件、解雇条件、職務の割当て、懲戒事項等がある。法律上例示が列挙されていない事項であっても、使用者側は、少なくとも協議という形で労働組合側の意見を聴くこととしており、拒否することは基本的にはない。実際の交渉事項としては、給与が大半を占めるが、付随的に雇用条件、有給休暇等も交渉されることがある。最近では、年金についての交渉が多くを占めている。予算や定員に関する交渉は行われていない。

(2)交渉の形態

給与交渉においては、人事部長〜副部長レベルと、労働組合の交渉担当役員が交渉に当たるのが通例であるが、年金改革のような重大な問題の場合、大臣と労働組合書記長がそれぞれを代表して交渉に当たることもある。また、給与交渉は、制度が各省等単位で構築されているため各省等別に行うが、年金交渉の場合、年金制度は全省統一的な制度であるため、省庁横断的に中央レベルでの交渉となる。この場合、複数の労働組合が一体となって交渉するため、全国規模での労働組合活動となる傾向にある。


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