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第1編 《人事行政》

【第2部】 公務員給与の決定過程 〜諸外国の実態と我が国の課題〜

第1章 諸外国の実態

主要4か国における総人件費抑制の取組 〜給与据置き・人員削減により実施〜


主要4か国における総人件費抑制の取組 〜給与据置き・人員削減により実施〜
1 アメリカ

近年の連邦公務員の給与改定率は、2〜4%台(俸給と地域均衡給の合計)で推移してきたが、連邦政府の財政赤字が1兆ドルを超え、大きな問題となる中で、2010年11月、大統領は、財政赤字を減らすために、連邦公務員の給与を2011年及び2012年の2年間据置きとすることを提案した。これを受けて、2012年末まで給与改定を行わないものとする法律が成立したため、現在のところ、俸給についても地域均衡給についても、2010年の水準が維持されている。ただし、昇進して等級が上がることによる昇給や定期昇給については、据置きの対象外となっている。

各州政府でも、人件費の削減に取り組んでおり、職員に無給休暇を取らせたり、一斉に政府機関を一時閉鎖したり、職員の健康保険費の政府負担分を減らそうとしたりしている。

2 イギリス

歳出見直しの一環として、人員削減が行われている。2010年の歳出見直しにおいて、国・自治体合わせて553万人の職員を2014年度までに49万人削減する方針が打ち出された。既に、現政権下において2010年6月以降、約50万人の国家公務員中9%(43,000人)が削減された。また、2010年の緊急予算において、公的部門の職員の給与を2年間凍結することが宣言された。ただし、年収21,000ポンド以下の者は例外的に250ポンド以上の賃上げを受けることとされている。上級公務員については、その前年においても給与上昇が凍結されたため、合計3年の給与凍結となっている。2011年11月の財務相による秋の財政演説において、2年間の凍結に続く2年間は平均1%以下の賃上げをする旨が表明された。

3 ドイツ

連邦政府は、2010年6月の閣議決定に基づき、2014年までに約816億ユーロの債務削減を達成するための歳出削減措置の一環として、2014年までに連邦において10,000以上のポスト(官吏及び公務被用者)を削減すること等による行政経費削減に取り組んでおり、2011年度予算から、年1.5%の連邦ポスト純減を盛り込んだ予算案を作成している。

4 フランス

2010年7月、2011〜13年の3年間の俸給指数の改定について労使交渉が行われ、1997年以降、ほぼ毎年引上げが続いてきた俸給指数の凍結の方針が決定された。2011年4月には中間討議の形で交渉が行われたが、その際、2012年についても引き続き凍結することが改めて通告され、労働組合側は交渉の半ばで早々に退席した。

当局側は、俸給指数や俸給単価の引上げは対象グループ全体の給与を一律に上げる効果を持つことから、個人の業績等を踏まえて昇給させることができるよう、今後はできるだけこれら以外の要素を給与交渉の中心としたいとの意向を持っている。

さらに、2007年からは、大統領決定により、定年退職者2人につき1人しか補充しない取組みも進められている。これによって節減された経費の50%は、節減をした各省の自由裁量で給与改善のために使うことができ、その配分は職場協議会で話し合われる模様である。


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