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第1編 《人事行政》

【第3部】 平成23年度業務状況

第1章 職員の任免

第2節 採用試験

2 平成24年度の採用試験体系の見直し

平成24年度からの新たな採用試験を実施するため、平成23年4月に採用試験について定めた規則8−18(採用試験)の全部改正を行うとともに、「新たな採用試験の具体的な内容」を公表した。また、同年7月には、採用試験の日程を公表するとともに、平成24年2月には平成24年度国家公務員採用試験の施行計画を公表した。これらと並行して、新たな採用試験の大学や学生等に対する周知や、試験問題の作成等の所要の準備を行った。

新たな採用試験においては、第1部第1章第1節に掲げた事項のほか、以下のような見直しを行った。

(1)国際化への対応

国の行政においては、国際関係業務が増加しており、多くの分野でグローバル人材が求められている。英語能力をはじめとする外国語能力は、国家公務員の基礎能力として不可欠であるため、新たな採用試験では、これまで以上に外国語能力を重視することとした。

例えば、総合職試験、一般職試験(大卒程度試験)等の基礎能力試験において英文理解の出題比率を高めたほか、総合職試験(院卒者試験)の政策課題討議試験及び同試験(大卒程度試験)の政策論文試験の参考資料に英文の資料を含むことを基本とした。

また、総合職試験(大卒程度試験)に政治・国際区分を設けたほか、秋季に実施する試験として、政策の企画立案能力の検証を重点的に行う「教養区分」を新設し、外国の大学の卒業生等が受験しやすい試験として設けることとした。

(2)能力実証方法の改善

知識より判断力や思考力を重視する観点から、各試験種目の配点比率について、第2次試験(特に専門試験(記述式)や人物試験)を重視するなどの見直しを行った(「新たな採用試験の概要」参照)。

また、院卒者にふさわしい試験とするため、総合職試験(院卒者試験)に、政策課題討議試験(6人1組のグループを基本として討議、発表)を設けることとし、企画力やプレゼンテーション能力を判断することとした。

さらに、人物試験をより適正に実施できるよう、全ての試験で参考資料として性格検査を実施することとした。

(3)その他
ア 効率的な採用試験の実施を進めていくため、全ての試験で、インターネットによる申込みを実施することとした。
イ 採用試験の見直しに伴い、視覚障害者を対象とする点字試験を、総合職試験(大卒程度試験)法律区分及び一般職試験(大卒程度試験)行政区分で実施することとした。点字試験の試験時間は、従来は一般の解答時間の3分の4倍(1.33倍)としていたが、新たな採用試験では一般の解答時間の1.5倍とした。
ウ 特別職国家公務員である防衛省職員の採用について、平成24年度から、防衛省は語学区分など一部を除き、独自の採用試験を実施せず、人事院が実施する国家公務員採用試験の合格者の中から職員を採用することとし、人事院は採用候補者に関する情報提供など所要の便宜供与を行うこととした。

平成24年度からの新たな採用試験を周知するため、人事院は、新たな採用試験に関するパンフレットを作成し、全国各地で開催した各種の人材確保のためのイベントで広く配布したほか、大学の就職担当窓口に送付し、学生への周知を依頼した。また、全国9地域で15回開催した就職担当教授等との意見交換会において、新たな採用試験の具体的な内容についての説明を行った。

さらに、人事院は、各大学が主催する公務員試験のガイダンスに人事院職員を派遣するとともに(101回、参加者数延べ5,252人)、全国各地で受験者を対象とした試験制度説明会を開催したほか(32回、参加者数延べ689人)、大学就職担当者対象の説明会を実施した(11回、参加者数延べ312人)。このほか、人事院ホームページに採用試験の情報を掲載することにより、受験者に対して随時最新情報を提供するなど、新たな採用試験制度の周知に努めた。

新たな採用試験の概要

総合職試験
【主として政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する係員の採用試験】
(1)試験の種類 院卒者試験と大卒程度試験
(2)試験区分
① 院卒者試験 :
行政、人間科学、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境、法務
② 大卒程度試験 :
政治・国際、法律、経済、人間科学、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境、教養
(3)受験資格
① 院卒者試験 :
30歳未満で大学院修了及び大学院修了見込みの者
※ 法務区分は、新司法試験の合格者であることも要件
② 大卒程度試験 :
21歳以上30歳未満の者
※ 21歳未満で大学卒業及び卒業見込みの者や、教養区分は20歳の者も受験可
(4)試験種目
総合職の試験種目
(5)その他
・ 法務区分及び教養区分は、秋季に実施。また、教養区分は大学卒業後に採用が行われることを前提
・ 採用候補者名簿の有効期間は、院卒者試験、大卒程度試験ともに3年
一般職試験
【主として事務処理等の定型的な業務に従事する係員の採用試験】
(1)試験の種類 大卒程度試験、高卒者試験及び社会人試験(係員級)
(2)試験区分
① 大卒程度試験 :
行政、電気・電子・情報、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学
② 高卒者試験及び社会人試験(係員級):
事務、技術、農業、農業土木、林業
(3)受験資格
① 大卒程度試験 :
21歳以上30歳未満の者
※ 21歳未満で大学卒業及び卒業見込みの者、短期大学卒業及び卒業見込みの者も受験可
② 高卒者試験 :
高等学校卒業見込み及び卒業後2年以内の者
※ 中学卒業後2年以上5年未満の者も受験可
③ 社会人試験(係員級):
40歳未満の者(高卒者試験の受験資格を有する者を除く。)
(4)試験種目
一般職の試験種目
(5)その他
・ 社会人試験(係員級)は、採用予定がある場合に実施
・ 採用候補者名簿の有効期間は、大卒程度試験は3年、高卒者試験及び社会人試験(係員級)は1年
専門職試験
【特定の行政分野に係る専門的知識を有するかどうかを重視して行う係員の採用試験】
(1)試験の種類
〈大学卒業程度〉

従前の国税専門官採用試験、労働基準監督官採用試験、外務省専門職員採用試験、航空管制官採用試験に加えて、皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)、法務省専門職員(人間科学)採用試験、財務専門官採用試験、食品衛生監視員採用試験を創設

※ 法務省専門職員(人間科学)採用試験は、矯正心理専門職、法務教官、保護観察官を対象
〈高校卒業程度〉

従前の皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)、刑務官採用試験、入国警備官採用試験、航空保安大学校学生採用試験、海上保安大学校学生採用試験、海上保安学校学生採用試験、気象大学校学生採用試験に加えて、税務職員採用試験を新設するとともに、刑務官採用試験に、試験種目として柔剣道の実技試験を加えて行う試験区分を創設

(2)受験資格

専門職種の特性等を踏まえ、試験ごとに設定

(3)試験種目

基礎能力試験(多肢選択式)(第1次試験)、人物試験(第2次試験)のほか、専門職種の特性等を踏まえ、試験ごとに設定

経験者採用試験
【民間企業等における有為な勤務経験等を有する者を係長以上の職へ採用することを目的として行う中途採用試験】
(1)試験の種類 採用予定がある場合に、府省別、職制段階に応じて設定
(2)受験資格

大学卒業後5年以上又は高校卒業後9年以上の年数が経過していること。なお、対象となる官職を踏まえ、必要に応じて年数の上乗せ又は短縮を行うことや、特定の資格を有すること等を要件とすることもある

(3)試験種目

基礎能力試験(多肢選択式)(第1次試験)、人物試験(第2次試験)を必須の試験種目とするほか、対象となる官職を踏まえ、試験ごとに設定

試験ごとに選択される試験種目:政策課題討議試験、政策論文試験、総合事例研究試験(記述式)、一般論文試験、専門試験(記述式)、外国語試験、経験論文試験、総合評価面接試験

表1−4 平成24年度国家公務員採用試験の試験日程

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