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第1編 《人事行政》

【第2部】 幹部職員等の育成と選抜

第2章 国以外の幹部職員の育成・選抜の状況

第2節 地方公務員の幹部職員の育成・選抜の状況

1 勤務成績等に基づき昇任が行われている地方公共団体の状況

(1)A地方公共団体
ア 採用試験の位置付けについて

職員の採用試験は、大学卒業程度、短大卒業程度、高校卒業程度がある。

幹部職員への登用は、採用後の能力・実績に基づいて行われており、採用試験の種類等により幹部要員となるグループは区別されていない。

イ 昇進選抜の状況

職制段階は、本庁の主任級、係長級、課長補佐級、課長級、部局長級等の順となっており、各職制段階への昇任は、経験年数、年齢のほか、人事評価、人事権者の日頃の人物評価、各部局の推薦に基づいて行われる。人事当局は、各部局に対してヒアリングを実施し、組織全体として順位付けをして昇任者を決定する仕組みとなっている。本庁部局長級の人物評価等は、首長及び副首長によって行われる。候補者の選抜は、昇任させようとする職制段階の1段階下位の段階における勤務成績に基づいて行われる。

本庁主任級までは、同期一斉昇任が行われており、採用後の年数でみると7年となる。このほかの職制段階への最短の者及び標準的な者の昇任年数は、それぞれ、本庁係長級で18年及び22年、本庁課長級で25年及び28年、本庁部局長級で30年及び32年となっており、今後も大きく変わることはない見通しである。

また、採用同期で最終的に各職制段階に昇任しなかった者の割合は、主任級では該当がなく、係長級で5%程度、課長級になると8割程度、部局長級では9割以上となっており、課長補佐級まではほぼ全員が昇任することとなるが、課長級以上は適材適所を徹底し、厳しい選抜が行われている。

このように、後述の昇任試験を実施している地方公共団体に比べて、選抜・昇任の時期が遅いことが大きな特徴である。

なお、採用同期という観点で昇任管理を行っていないため、課長級・部局長級に選抜されなかった者に対する志気の維持のための取組は行われていない。

ウ 幹部の育成の状況

幹部候補者のための特別の育成プログラムはない。

エ 今後の課題

現行の昇任管理について組織運営上の問題は生じていないため、幹部候補者の選抜及び育成について見直す必要はないとしている。

なお、各職員の専門性を高めるための施策が今後の課題とされている。

(2)B地方公共団体
ア 採用試験の位置付けについて

職員の採用試験は、大学卒業程度、短大卒業程度、高校卒業程度があるが、採用試験の種類等により幹部要員となるグループは区別されていない。

イ 昇進選抜の状況

職制段階は、本庁の主任級、係長級、課長補佐級、課長級、部局長級等の順となっており、各職制段階への昇任は、人事評価及び各部局の推薦に基づいて行われている。人事評価について、本庁課長級以上の職員は国と同様に能力評価及び業績評価に基づいて行われているが、課長級より下位の職員は現在試行中であり、今後の検討課題とされている。本庁部局長級の昇任は、首長及び副首長の推薦による。候補者の選抜は、昇任させようとする職制段階の1段階下位の段階における勤務成績に基づいて行われる。

本庁主任級までは、同期一斉昇任が行われており、採用後の年数でみると8年となる。このほかの職制段階への最短の者及び標準的な者の昇任年数は、それぞれ、本庁係長級で13年及び17年、本庁課長級で26年及び30年、本庁部局長級で33年及び35年となっており、今後も大きく変わることはない見通しである。

また、採用同期で最終的に各職制段階に昇任しなかった者の割合は、主任級では該当がなく、課長補佐級で5%程度、課長級で2割程度、部局長級で7割程度となっており、おおむね課長級までは昇任している状況にある。ただし、今後は、大学卒業者の占める割合が増加することに伴い、課長級以上に昇任できない者の割合が増加するものと考えられる。

昇任試験を実施している地方公共団体に比べて、選抜・昇任の時期が遅くなっている。

なお、各職制段階に選抜されなかった者に対する志気の維持のための取組として、他部局に異動させるなど人事異動で配慮している。

ウ 幹部の育成の状況

幹部候補者のための特別の育成プログラムはない。

エ 今後の課題

職員の学歴構成等の変化に伴い、今後、上位ポストに昇任できる者の割合が減少することが考えられることから、選抜方法の在り方が課題となる。


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