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第2編 《国家公務員倫理審査会の業務》

第4章 公務員倫理をめぐる状況と今後の課題


平成12年4月に倫理法・倫理規程が全面施行されてから13年が経過し、現在では、倫理法・倫理規程は、国家公務員が遵守すべきルールとしておおむね定着してきている。しかしながら、倫理法等違反により処分等を受けた者の数は、過去最多の違反者を出した平成20年度と比べると低い水準にあるものの、平成24年度は前年度に比べ増加に転ずるなど、いまだ倫理法の精神が全ての公務員に浸透しているとは言い難い状況にある。

平成24年度は地方公共団体から供応接待を受けるなどした違反事案が続いたことなどから、倫理審査会では、地方公共団体の長に対し倫理法・倫理規程への理解・協力を要請する通知を発出したが、このような違反事案の類型に応じた再発防止の取組が、今後も必要となる。

当該事案をはじめ、近年の違反事案をみると、自己の飲食に係る費用を適切に負担していなかったなど、倫理法等のルールに基づく確認を適切に行っていなかったことが原因となって倫理法等に違反した事案が多く、具体的な違反事案を踏まえて特に注意すべきルールを学ぶ研修を繰り返し受講させること等により、倫理法等のルールを徹底する取組が必要と考えられる。

さらに、違反事案の発覚は通報によるものが多いところであるが、実際の通報件数をみると、必ずしも通報制度が十分に活用されているとは言い難い状況にある。現在、全ての府省で窓口が設置されている通報制度の活用を推進することも必要である。

以上の状況を踏まえ、倫理審査会では、現在、「職員の倫理意識の涵養」、「倫理的な組織風土の構築」、「不祥事への厳正な対応」の三つの倫理保持施策の課題を掲げており、具体的には以下のような取組を進めている。

(1)倫理研修の計画的・定期的な実施

職員アンケート調査の結果から、各府省における倫理に関する研修の実施は着実に進んでいるといえるものの、最後に倫理研修を受講してから5年以上経過している又は一度も受講したことがない職員がいまだに5人に1人以上いることが確認されていることから、これらの職員をはじめ全職員に対して、倫理研修の計画的・定期的な実施の促進を図ることが喫緊の課題である。

(2)通報制度の活用の推進

通報制度が活用されていない理由としては、実際に通報するような事案が発生していないという見方もあり得るものの、中には、密告を連想するなどのマイナスイメージや、通報したことにより不利益な取扱いを受けることに対する不安感を抱く職員も少なからず存在すると思われる。

通報制度は、事案の早期発見、さらに違反行為に対する抑止効果という面において、倫理的な組織風土の構築のための有効な制度であり、通報制度が持つこのような効果や、通報者の氏名等が窓口限りにとどめられること、通報したことによる不利益な取扱いが禁止されていることなどへの理解を深めることで、通報制度に対するマイナスイメージや不安感を払拭し、この制度の活用を推進することが重要である。

(3)数値目標の設定とその達成

倫理審査会は、次の10年における三つの倫理保持施策の課題に向けた取組として、上記(1)、(2)をはじめ様々な施策に取り組んでおり、それらの施策の効果を測るため、政策評価として数値目標を設定している。数値目標の設定に当たっては、理想を追求することを重視して高い水準を設定しているところであり、随時、数値目標の達成状況を把握し、その結果の分析、フィードバックを行い、評価結果を適切に施策に反映させることが重要であると考えている。

倫理審査会は、公務に対する国民の信頼を確保するという倫理法の目的の達成に向けて、三つの倫理保持施策の課題及びその具体的取組に積極的に取り組んでいく所存である。


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