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第1編 《人事行政》

【第2部】女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けて

第2章 民間企業における女性登用等の取組

第3節 まとめ ―公務における女性登用等の取組への示唆―

5 男性も働きやすい職場

女性が基幹的戦力として働きやすい職場とするためには、男性にとっても労働時間が短く、家事や育児への参加ができる職場にする必要がある。このため、全社員に対する一定時間退社の徹底や、男性の家事・育児への積極的な参加に向けた取組が進められている。

コラム:B社経営トップインタビューより(抜粋)

ビジネスモデルが変わる中、男性であれ女性であれ、全社員が活躍できるようにするために何が必要かと考えた時に、取り組んだのが19時前退社の徹底でした。

私も若いときに何時に帰れるか分からないという状態が続き、若気の至りで、「こんなに遅くまでやるのは間違っている」と支店長に文句を言って喧嘩になったこともあるくらいで、夜遅くまで働くことは納得できないとずっと思っていました。毎日この時間に終わると決まっていれば、みんな時間効率が高くなるし、退社後の計画も立てられるし、子供がいる人も含めて、特に女性が働きやすくなるはずだから、そこはどうしてもやろうと取り組みました。

100年以上続いた働き方を変える取組ですから、導入にはものすごい抵抗がありました。副社長以下役員が私のところに来て、「社長、いろいろなことをおやりになって大変素晴らしいと思いますが、これだけは絶対無理です」「仕事はどんどん増えているのに早く帰れなんて矛盾している、文句が来ると思いますよ」と言われたのですけど、「ダメだ、これは絶対やる」と。そのためには徹底してやるということで、毎日、各支店から何時に支店の鍵を閉めて退社したか、人事部に報告するよう言いました。

調べると、支店長たちも残業代が付く若い人たちは早めに帰して、あとはコストのかからない管理職が働いているわけですよ。だから、「この制度はあなたたち管理職のためだよ」と厳しく言い続けた結果、2、3か月ぐらい経ったらほとんど19時までに終わるようになりました。

今の人たちは、評価がきちんと数字で出るから、無駄な時間を過ごさない。だから、我々が働いていた時より、実質的にはみんな密度の濃い働きをしているんです。

結果的に、懸念されていた問題は全然起こりませんでした。例えば、「20時に必ず電話をしなければいけない大手のお客さんがいる」と言ってきた社員には、「会社がこういう方針になったので、18時半か、翌日朝一番の電話にできませんかと頼みなさい」と言いました。担当者が必死で説明しても、従来どおりでなければいけないとおっしゃるお客様はいないはずであり、特に長くお付き合いしているお客様は必ずわかってくださるはずだと。

実際には、そんな大手のお客様を担当しているのはトップセールスの社員ですから、きっちりとご了解を取り付けました。当たり前ですよ、説得できる能力があるからこそトップを維持できているわけです。


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