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第1編 《人事行政》

【第2部】女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けて

第3章 諸外国における女性国家公務員の採用・登用の状況と課題

第4節 フランス

1 現状

(1)女性国家公務員の在職状況及び管理職員・幹部職員への登用状況

国家公務員の在職者に占める女性の割合(教員を除く。)は、2011年では54%であるが、その内訳をみるとフランスでは伝統的に教育、医療、社会保障関係の分野の国家公務員に占める女性の割合が高い。また、本省の総局長・局長、大使、地方長官などの高級職に占める女性の割合は、上記の在職者の割合に比べてかなり低く、本省の総局長・局長では24%、大使では17%、地方長官では10%となっている。

(2)問題点・課題

在職者に占める女性の割合は高いものの、幹部登用の有力なルートの一つとされている大臣キャビネでの勤務と家庭の両立が難しいなどの理由により、高級職等の責任ある地位への昇任に依然として男女の間でいまだに差が生じていることが課題であるとされている。

コラム:ENA

〜2013年10月「女性のキャリア形成、公務におけるガラスの天井をいかにして
乗り越えるか」シンポジウム(ENAにおいて開催)における議論より〜

首相直属の国の幹部公務員育成機関であるENA(École Nationale d' Administration:国立行政学院)では、設立された1945年から1970年までの女性の割合は平均して約5%にとどまっていたが、その後、増加傾向が続き、2013年には45%となっている。

ENAの入学試験においては、一次試験(筆記試験)合格者に占める女性の割合に比べて、二次試験の口頭試問を経た最終合格者に占める女性の割合が低く、口頭試問で女性が不利と指摘されている。その理由としては、試験委員のほとんどは男性で、自分と似通った経歴の受験者(=男性)を評価する傾向があることなどが指摘されている。過去10年間の平均では、一次試験合格者に占める女性の割合(平均42%)と最終合格者に占める女性の割合(平均32%)には約10ポイントの差が生じていた。このため、近年は、女性受験者の増加を目的とした広報活動の強化、試験委員に占める女性の割合の増加等の取組を行っている。


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