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第1編 《人事行政》

【第2部】女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けて

第4章 女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けて

第2節 登用の拡大に向けて

3 女性職員の意識・意欲へのアプローチ

女性職員の意識・意欲を改革するためには、人事評価の際の面談など、機会をとらえて組織の戦力として活躍することへの期待を伝え、激励することが必要なことは当然であるが、それに加え、仕事をすることの意義や面白さを見いだせるような職務付与を行うことを通じて、キャリア形成と結婚、出産、育児等のライフイベントとの調和について女性職員自身が真剣に考える契機を提供することが重要となる。

目標とする将来像とそれに至るルートが見え、かつ仕事の面白さも体験することができる状況をキャリアステップの初期段階に創り出すことにより、家庭責任との両立というハードルを超え、仕事にチャレンジしようという女性職員の意識・意欲を高めることが可能となると考えられる。

(1)キャリアパスの「見える化」 〜ロールモデルの育成・周知と相談体制の充実〜

行政職俸給表(一)における女性の本省課室長相当職以上の者は3%、本省課長補佐・地方機関の課長相当職以上で5.3%であり、職種によっては、さらにその割合は低くなっていると考えられる。このような状況で、女性職員が身近にロールモデルを見いだすことは困難な場合が多いと考えられることから、人事当局が職域や職務段階に応じて多様なロールモデル像を設定し、それにふさわしい職員を提示し周知する方策(座談会・講演会の設定、イントラネット等での体験談の掲示等)を講じることが必要である。また、いまだにふさわしい人材のいない職域等においては、その育成を図ることが急務である。

さらに、メンター制度の活用などにより、将来のキャリア形成や、それに必要な日々の職務遂行に当たっての姿勢等について、女性職員が相談しやすい環境を整えることも必要となる。組織の側からメンターを指定するのみではなく、先輩職員との交流の場を設定するなどにより、女性職員が相談しやすい者を自ら選択できるような契機を提供することも工夫すべきであろう。

このような取組は、既に女性の管理職が40%近くになっているイギリス等においても実施が奨励されている。

(2)仕事の面白さを経験できるポストへの採用後早い段階での配置

女性職員の能力・適性、さらには意欲を見極めつつ、採用後の早い段階で、仕事の面白さを経験できるポストへ配置するなどの人事配置上の工夫も必要となる。庶務的な業務や会計処理など、従来女性職員が担うことの多かった職務にのみ採用当初から続けて配置することは、能力ある女性職員から仕事の魅力を経験できる機会を奪い、家庭責任を負いながらも仕事にチャレンジしようという意欲を失わせる要因となるため、避けるべきである。


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