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第1編 《人事行政》

【第2部】女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けて

第4章 女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けて

第2節 登用の拡大に向けて


女性職員が‘働き続ける’ための施策から、‘組織において戦力としての役割を担い続ける’ことを推進するための施策へ重点を移行することが必要。

第1章の分析によれば、Ⅰ種試験等採用職員に関して、管理職相当となる7級への昇格に際して幾分の男女差が生じている傾向がみられ、男性と同様に昇進する者とそうでない者の二極化の傾向が今後も生じる可能性は否定できない。また、Ⅱ・Ⅲ種試験等採用職員に関しては、地方機関の管理職に占める女性職員の割合は、著しく低い。

このような状況が生じている主な原因として、まず長時間労働を前提とした労働慣行が挙げられる。そのような職場においては、家庭責任を果たすために長時間労働が制限される女性職員を重要なポストに就けることを忌避しがちであり、この結果、女性職員の職務を通じた育成が進まず、結果として昇格の遅れが生じる傾向がある。また、このことが、女性職員の仕事に対する意欲を低下させることになり、今回の意識調査において示されているように女性の昇進意欲が相対的に低い結果となるものと推測される。これに加え、育児休業等の取得による一時的な職務離脱から生じる昇進の遅れや昇進ルートへの影響なども昇格における男女差が生じている原因として考えられるところである。

家庭責任が負担となることなく働くことのできる女性職員は全体のごく一部といえよう。今後、女性職員の登用を着実に進めるには、まずは女性職員が十分にその能力を発揮し得るような勤務環境を整備するとともに、家庭責任の重さや能力に対する自信のなさなどから、昇進を忌避している女性職員及び休業等により一定期間職務を離れたゆえに、管理職となるために経験すべき職務への復帰のチャンスが与えられない女性職員に、その能力・意欲に応じて適切に職務を付与し、昇進できるような方策を講じていくことが必要である。

そのためには、①働く環境(組織における働き方・マネジメント、家庭における役割分担)、②管理者・人事当局の意識・姿勢、③女性職員の意識・意欲の三つの側面へのアプローチが必要であると考えられる。


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