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第1編 《人事行政》

【第2部】 東アジア諸国と我が国の公務員制度

第3章 我が国の公務員制度と今後の国際協力

第1節 我が国の公務員制度

2 研修等による人材育成

優秀な人材を公務に採用することと並んで重要なのが、採用された職員を育成する研修である。

公務員が国民の期待する成果を挙げていくためには、担当する各分野の専門家としての知識・能力を向上させていくとともに、国民全体の奉仕者として求められる意識や能力も備えていることが求められる。

欧米や東アジア諸国においても研修は各省庁から独立した専門機関が行う例が多いが、我が国では、内閣から独立して業務を行う人事院が公務員研修所という専門施設を設置し、国民全体の奉仕者としての使命の自覚及び多角的な視点等を有する職員の育成の観点に立って研修を実施している。特に、公務員としての基本姿勢や公務に共通なスキル、倫理等を学ぶ行政研修については、人事院が役職段階に応じて省庁横断的に行うことで、体系的、効果的に実施している。公務員が国民からの信頼を保ち、全体の奉仕者として勤務することを確保するためにも、行政研修を充実強化していくことが必要である。

職員に対する専門的な業務研修や人事管理上必要な各種の研修は各府省で行うこととされているが、人事院は、研修に関する知見を有する専門機関として、各府省に共通する研修コース・研修教材の開発、研修指導者の養成等を通じて、各府省が実施する研修に対する支援も行ってきている。長年にわたるこうした研修の運営によって、研修の内容や技法の質が高まり、開発途上国からの支援要請にもつながっている。

我が国では、主に職務を通じた研修(OJT)により人材育成が行われてきており、幹部のみならず実務者を含めた人材の育成に大きな効果を発揮してきた。しかしながら、社会・経済の変化が急速に進み、行政の高度化、国際化が進展する中で、既存のノウハウや知識を伝達するOJTを中心とした人材育成には限界があり、一層の研修機会の充実が求められている。


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