はじめに

人事院は、公務の民主的かつ能率的な運営を国民に対し保障するという国家公務員法の基本理念の下、人事行政の公正の確保と職員の利益の保護等その使命の達成に努め、人事行政の面から我が国の行政の一翼を担ってきており、人事院勧告制度をはじめとする公務員制度は、行政運営の基盤として重要な機能を果たしてきた。

行政においては、経済の再生や地方の活性化等の複雑・高度化する課題に迅速かつ的確に対応していくことが求められているが、退職管理の見直しや採用抑制等により、行政を担う国家公務員の在職状況が変化しており、これに対応していくため、関係各方面が連携し、中・長期的な視点も踏まえ、それぞれの役割を適切に果たしていくことが必要となっている。人事院としては、将来にわたって能率的で活力ある公務組織を確保する観点から、現下の人事行政の諸課題、特に、人材の確保及び育成、柔軟で多様な働き方の実現、勤務環境の整備等に対応した人事施策の策定・推進に取り組んでいくことが重要であると考えており、今後とも人事行政の公正の確保及び労働基本権制約の代償機能を担う第三者・専門機関の責務として、適切にその役割を果たしていく所存である。

本報告書の構成は、2編からなり、第1編は「人事行政」全般について、第2編は「国家公務員倫理審査会の業務」の状況について記述している。このうち第1編は3部からなり、第1部は、適正な公務員給与を確保するための給与勧告等、職員の勤務環境を整備するための各施策、多様な人材の確保・育成等のための取組、人事行政分野における国際協力及びIT化の推進など平成27年度における人事行政の主な動きについて記述している。次いで第2部では、特別テーマとして「在職状況(年齢別人員構成)の変化と人事管理への影響」と題し、国家公務員の在職状況に偏りが生じてきている要因、とりわけ若年層が極端に少ない人員構成が各府省の人事管理や業務遂行に与える影響、それに対する各府省の取組について考察し、能率的で活力ある公務組織を維持していくための対応について記述している。第3部では、平成27年度の人事院の業務状況について、各種資料を掲載して詳細に記述している。

本報告書により、人事行政及び公務員に対する理解が一層深まることを願うものである。