第1編 《人事行政》

【第2部】 在職状況(年齢別人員構成)の変化と人事管理への影響

第3章 在職状況の変化がもたらす課題と人事管理上の対応

第1節 問題の所在

1 在職期間長期化に伴う課題

国においては、第1章において述べたように、民間企業や公共セクターへの再就職規制の強化や年金支給開始年齢の引上げに伴う在職期間の長期化により、50歳台の職員層が増加し、若手・中堅職員の昇進ペースが遅れていることから、組織全体の活力が低下しているのではないかという問題がある。

この問題に対しては、組織活力を維持する観点から、マネジメント能力が低い者は管理職に登用しないこと等を含め、能力・実績に基づくメリハリのついた昇進管理に変えていくこと、ラインによる単線型のキャリアパスだけではなく、専門性の高いスタッフ職等を活用した複線型人事管理を行うことにより、職員が公務で培った能力と経験を適切に活用すること等が考えられる。これらに加え、若年層・中堅層の職員を能力・実績に応じて登用することにより昇進スピードが速まれば、個々の職員のモチベーションを向上させる効果が期待できる。また、こうした人事管理を行うことは、高い専門性を持ったベテラン職員が抱える技能やノウハウを下の世代に円滑に継承していくためにも必要と考えられる。