第1編 《人事行政》

【第2部】 在職状況(年齢別人員構成)の変化と人事管理への影響

第3章 在職状況の変化がもたらす課題と人事管理上の対応

第1節 問題の所在

3 業務量に見合った人員の確保

行政事務の遂行に当たっては、業務量に見合った適正な人員が確保されることが基本となるが、第1章において述べたように、定員削減や新規採用抑制の結果、地方機関を中心に若年層の在職者数が減少し、人事管理や業務遂行に様々な影響を与えている実態がある。実際の各府省の定員削減に当たっては、農林水産省や国土交通省北海道開発局において他の行政機関への部門間配置転換を活用した例もあるが、原則として、各府省内で定年退職者や自己都合退職者の後補充を抑制する方法が採られており、これまでと同様の業務をより少人数でこなすため、業務の効率化・集約化・民間委託のほか、非常勤職員の活用などの合理化の取組により対処してきている。

行政のスリム化や業務効率化には不断の取組が必要である一方で、今後は、行政のパフォーマンスを維持する観点からの業務量と人員数の在り方についても検討が必要になると考えられる。

戦後の定員管理の経緯

昭和24年に制定された行政機関職員定員法には、戦後直後に膨れ上がった行政機構の簡素化と職員の縮減を行うため、同法に定める定員を超える数の職員は定員の外にあるものとする旨の規定が置かれ、これを根拠に昭和20年代後半には労務作業員など大量の人員整理が行われた。昭和30年代に入ると、政府は同法施行後に各府省の定員不足を補っていた常勤的な非常勤職員を毎年の法改正により定員化するようになり、昭和36年に「定員外職員の常勤化の防止について」(昭和36年2月28日)を閣議決定して昭和37年に最後の定員化措置を行うまで続いた。

その後、昭和44年には、昭和36年に廃止された行政機関職員定員法を引き継いで行政機関ごとの定員を定めていた各省設置法に代わって現在の総定員法(「行政機関の職員の定員に関する法律」)が制定され、従来の省庁ごとに法律の別表で定員を定める方法から、政府全体の総定員の上限のみを法律で定め、その下で一律的な定員削減計画を実施し、削減された定員を新規の行政需要に再配分する方法に改められた。これにより、高度経済成長期において行政需要が拡大する中でも定員の増加はほぼみられなかったほか、現在に至るまで、行政のスリム化を推進するため定員合理化の取組が進められる一方、活発な社会経済のニーズに対応するため、その時々の行政需要の増大に応じて必要な国家公務員の定員が措置されてきている。直近では「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」(平成26年7月25日閣議決定)に基づき決定された定員合理化目標(平成27年度〜31年度)まで13次にわたる定員合理化目標が計画され、実施されてきている。この間、国の行政機関の定員は、昭和47年の沖縄復帰及び昭和50年代前半の新設医科大による増員分を除き、昭和42年度から一貫して減少してきている。

特に、平成13年の中央省庁再編以降は、国の実施機関の独立行政法人化や郵政事業の公社化(平成15年4月、平成19年10月に民営化)、国立大学法人化(平成16年4月)、社会保険庁の廃止(平成21年12月、翌22年に特殊法人日本年金機構が発足)が行われたことに加え、定員純減計画(平成18年度〜22年度)や新規採用抑制(平成23年度〜25年度)といった施策が講じられたことにより、国家公務員の職員数は急減している。

こうした取組の結果、10年前(平成17年)と比べても、国家公務員の人数(実員ベース)は給与法適用職員全体で約3万5,000人(平成17年289,949人→平成27年254,781人)減少し、そのうち行政職俸給表(一)適用職員が約2万8,000人減少している。