第1編 《人事行政》

【第2部】 在職状況(年齢別人員構成)の変化と人事管理への影響

おわりに

この報告では、昨年の給与勧告時の報告から更に踏み込んで、国家公務員の在職状況を本府省、地方機関に分けて分析した上で、各府省人事当局からの聞き取り結果を踏まえ、年齢別人員構成になぜ偏りが生じてきているのか、とりわけ若年層が極端に少ない人員構成が各府省の人事管理や業務遂行にどのような影響を与えているのか、また、各府省はそれに対してどのような取組を行っているのかについて考察した。

その結果、年齢別人員構成の偏りは特に地方機関において顕著であり、多くの地方機関では既に技能やノウハウの円滑な継承の支障となるとともに、国家公務員の人事管理にも大きな影響を与えている実態が明らかになった。人事院としては、今回、このような在職状況の実態を明らかにすることにより、行政の円滑な遂行や国家公務員の人事管理における中・長期的かつ重要な課題が存在することについて、関係各方面が問題意識を共有することが大切であると考えている。

その上で、各府省が年齢別人員構成の偏りに対応するに当たっての人事管理上の課題を抽出し、10年後、20年後を見据えて能率的で活力ある公務組織を維持していくための対応について問題提起を行った。その際、問題の所在として、

  • ① 本府省を中心に、在職期間の長期化により50歳台の高齢層職員が滞留して若手・中堅職員の昇進ペースが遅れており、組織全体の活力が低下しているのではないかとの懸念があり、職員が公務で培った能力・経験を適切に活用することが重要であること
  • ② 地方機関に象徴的な若年層が極端に少ない人員構成の下で、各府省は、新規採用の確保、若年層や中堅層の育成、中途採用などの人事管理上の課題に取り組んでいく必要があること
  • ③ 行政事務の遂行に当たっては業務量に見合った適正な人員が確保されることが基本であること

を挙げ、これら三つの問題を中心とする諸々の課題について、各府省や制度官庁等に人事管理上の対応についての今後の検討を求めたところである。

具体的な問題提起の内容は第3章に記載のとおりであり、各府省等においてこれらの問題提起を参考にして前広に検討が進められることを期待するとともに、人事院としても、人事行政の公正の確保及び労働基本権制約の代償措置を担っている第三者・専門機関の責務として、国家公務員の採用から退職に至るまでの公務員人事管理全般にわたり、中・長期的な視点も踏まえた総合的な取組を引き続き進めていきたい。