第1編 《人事行政》

【第3部】 平成27年度業務状況

第5章 職員の勤務環境等

第9節 服務及び懲戒

2 懲戒

(1)懲戒制度の概要、懲戒処分に関する指導等

各府省等の任命権者は、職員が、①国公法若しくは倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合、②職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合、③国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合のいずれかに該当するときは、当該職員に対し、懲戒処分として免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができることとされている(国公法第82条第1項)。その具体的手続は、国公法及び規則12−0(職員の懲戒)に定められている。

任命権者が懲戒処分を行うときは、職員に処分説明書を交付することとされている。人事院は各府省等からその写しの提出を受けて、毎年の懲戒処分の状況を把握・公表するとともに、必要に応じ各府省等に対し指導・助言を行うなど、懲戒制度の厳正な運用について徹底を図っている。

(2)懲戒処分の状況

平成27年に懲戒処分を受けた職員総数は284人(免職19人、停職50人、減給141人、戒告74人)であり、前年に比べて83人減少している。昭和32年の集計開始以来、初めて処分数が300人未満となった。

処分数を府省等別にみると、法務省が最も多く、次いで厚生労働省、国税庁の順になっている。また、処分の事由別にみると、公務外非行関係(窃盗、暴行等)、一般服務関係(欠勤、勤務態度不良等)、交通事故・交通法規違反関係の順に多くなっている(資料5−45−5)。

平成27年中において、懲戒処分を行った事例としては、以下のようなものがあった。

● スポーツの大会等を対象とした賭博事案

ワールドカップブラジル大会の試合を利用して賭博場を開いて利益を図ったり、そのほかにも多数回にわたりプロ野球及びサッカーの試合を利用して多額の現金を賭ける賭博をして利益を図ったとして、法務省の職員1人に対して免職処分が行われた。また、このほかに賭博にかかわったとして、職員2人に対して停職処分、1人に対して減給処分、1人に対して戒告処分が行われた。

● 不正アクセスによる情報流出事案

厚生労働省において、日本年金機構への不正アクセスによる情報流出事案に関して、情報セキュリティーポリシー等に基づく適切な対応が行われなかったとして、担当職員4人に対して戒告処分が行われた。また、このほか9人に対して訓告、1人に対して厳重注意の措置が行われた。

各任命権者は、懲戒処分が行われるべき事件が刑事裁判所に係属している間においても、人事院の承認を経て、適宜、懲戒処分を行うことができることとされている(職員が、公判廷における供述等により、懲戒処分の対象とする事実で公訴事実に該当するものがあることを認めている場合には、人事院の承認があったものとして取り扱うことができる。)。この手続により、平成27年においては、7府省等で11人(免職9人、減給2人)に対して懲戒処分が行われた。