人事院

制度概要
情報公開法のポイント
審査基準
法第5条第1号(個人に関する情報)関係
法第5条第2号(法人等に関する情報)関係
法第5条第3号(国の安全等に関する情報)関係
法第5条第4号(公共の安全等に関する情報)関係
法第5条第5号(審議、検討又は協議に関する情報)関係
法第5条第6号(事務又は事業に関する情報)関係
法第6条(部分開示)関係
法第7条(公益上の理由による裁量的開示)関係
法第8条(行政文書の存否に関する情報)関係
法第16条(手数料の減免)関係
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情報公開法に基づく処分に係る審査基準について

・法第5条第6号(事務又は事業に関する情報)関係

国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
  監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
  契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
  調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
  人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
  独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ

1 趣旨
  (1) 本号は、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報の不開示情報としての要件を定めるものである。
  (2) 本号は、行政機関等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示情報としたものである。

2 解釈
  (1) 「次に掲げるおそれ」としてイからホまでに掲げたものは、各機関共通に見られる事務又は事業に関する情報であって、その性質上、公にすることにより、その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると考えられる典型的な支障を挙げたものである。その他の支障については、「その他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な執行に支障を及ぼすおそれ」で判断する。
  (2) 「事務又は事業の性質上」とは、当該事務又は事業の性質に着目して保護に値する場合のみ不開示とすることができることとする趣旨である。なお、監督、試験、交渉その他同種のものが反復されるような性質の事務又は事業にあっては、ある個別の事務又は事業に関する情報を開示すると、将来の同種の事務又は事業の適正な遂行に支障を生ずることがあり得るが、これも、当該「事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がある場合に該当する。
  (3) 「適正」という要件を判断するに当たっては、開示のもたらす支障だけでなく、開示のもたらす利益も比較衡量する。
  (4) 本号に列記された支障の内容は、次のとおりである。
「監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ」(本号イ)
  (ア) 監査等の事務に関する情報の中には、例えば、監査等の対象、実施時期、調査事項等の詳細な情報や試験問題等を事前に公にすることにより、適正かつ公正な評価や判断の前提となる事実の把握が困難となったり、行政客体における法令違反行為を助長したり、巧妙に行うことにより隠蔽するなどのおそれがあるものがあり、このような情報については、不開示とするものである。また、事後であっても、例えば、違反事例等の詳細についてこれを公にすると他の行政客体に法規制を免れる方法を示唆し得るものも、本号イに該当する。
  (イ) 「監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収」は、いずれも事実を正確に把握し、その事実に基いて評価、判断を加えて、一定の決定を伴うことがある事務である。例えば、指導監査、立入り検査、漁業取締り、試験の実施、国税の賦課又は徴収がこれに該当する。
「契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ」(本号ロ)
  (ア) 契約等の事務に関する情報の中には、例えば、入札価格を公にすることにより、公正な競争により形成されるべき適正な額での契約が困難になり財産上の利益が損なわれたり、交渉や争訟の対処方針等公にすることにより、当事者として認められるべき地位を不当に害するおそれがあるものがあり、このような情報については、不開示とするものである。
  (イ) 国等が当事者となるものに限定される。
「調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ」(本号ハ)
  (ア) 調査研究の事務に関する情報の中には、例えば、知的所有権に関する情報や調査研究の途中段階の情報を一定期日前に公にすることにより、成果を適正に広く国民に提供する目的を損ね、特定の者に不当な利益や不利益を及ぼしたり、試行錯誤の段階での情報を公にすることにより、自由な発想、創意工夫、研究意欲等を妨げ、能率的な遂行を不当に阻害するおそれがあるものがあり、このような情報については、不開示とするものである。
  (イ) 「調査研究」とは、大学、試験研究機関等において行われる調査又は研究をいう。監査、検査等の一環としての調査は、本号イに含まれる。また、一般の行政機関の企画立案に当たっての調査研究は、第5号(審議、検討又は協議に関する情報)の適用の問題となる。
「人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」(本号ニ)
  (ア) 人事管理に係る事務に関する情報の中には、例えば、勤務評価や、異動、昇格等の人事構想を公にすることにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるものがあり、このような情報については、不開示とするものである。
  (イ) 「人事管理」とは、職員の任免、給与、服務、研修等をいう。
「独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ」(本号ホ)
   独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関する情報の中には、企業経営という事業の性質上、その正当な利益を保護する必要があることから、これを害するおそれがある情報については、不開示とするものである。

3 運用
  (1) 「適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」は、行政機関に広範な裁量権限を与える趣旨ではない。「支障」の程度は名目的なものでは足りず実質的なものが要求され、「おそれ」の程度も単なる確率的な可能性ではなく、法的に保護に値する蓋然性が要求されるものである。

4 具体例
 以下は一般的な例を想定したものであり、実際の運用に当たっては、開示決定時点において開示請求に係る行政文書に記載されている情報のないよう、性質、個別の事情等を総合的に勘案し、規定の趣旨に沿って慎重に判断するものとする。
 不開示となる可能性のある情報の例は、次のとおりである。
・ 未実施の試験問題に関する情報
・ 入札に係る予定価格等に関する情報
・ 人事異動、昇給・昇格、勤務評定、懲戒処分の決定等に関する情報に至る経過等が明らかになる情報


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