除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員の放射線障害の防止について(平成24年6月29日職職−198)
(人事院事務総局職員福祉局長発)
 
 
 人事院規則10−13(東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等の除染等のための業務等に係る職員の放射線障害の防止)(以下「規則10−13」という。)に規定する除染等関連業務に従事する職員の放射線障害の防止については、規則10−13及び同運用通達(平成23年12月28日職職−414)に定めるとともに、これらの運用に当たっては、厚生労働省が策定した「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(以下「除染ガイドライン」という。)の内容を含め、「除染等関連業務に従事する職員の放射線障害の防止について(通知)」(平成23年12月28日職職−422)を発出したところです。
 今般、警戒区域の一部解除に伴い、除染特別地域等内で公的インフラの復旧・復興に係る業務に従事する職員への放射線障害防止のための措置を追加するため、規則10−13及び同運用通達の一部を改正(平成24年6月29日職職−187)しました。これらの運用に当たっては、除染ガイドラインを改正した別添1の内容及び別添2の「特定線量下業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(以下「特定線量ガイドライン」という。)の内容を含め、下記の事項にご留意いただき、職員の安全管理に関し遺漏なきようお願いします。
 また、除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員の健康管理に当たっては、「原子力施設等における緊急作業に従事する職員等の長期的健康管理について」(平成28年1月27日職職−21)を参考にしていただき、これら職員の適切な健康管理に取り組んでください。
 なお、これに伴い、「除染等関連業務に従事する職員の放射線障害の防止について(通知)」(平成23年12月28日職職−422)は廃止します。
 
 
1 対象業務
除染等関連業務及び特定線量下業務を当該措置の対象とする。 
(1) 除染等関連業務とは、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(平成23年厚生労働省令第152号(平成24年7月1日一部改正))(以下「除染則」という。)第2条第7項の除染等業務及びこれら業務に関連する業務で作業場所に立ち入って行う業務(例えば、除染等業務に係る作業の進行等の管理のための立会い、法令に基づく調査測定及び立入検査等の業務)をいい、同項の除染等業務については、除染ガイドライン第2の1を参考にすること。
(2) 特定線量下業務とは、除染則第2条第8項に定める業務をいい、特定線量ガイドライン第2を参考にすること。
 
2 基本原則
各省各庁の長は、職員が放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならないこと。なお、被ばく低減等の考え方については、除染ガイドライン第3の1又は特定線量ガイドライン第3の1を参考にすること。
 
3 職員の被ばく限度及び線量の測定等
(1) 職員の被ばく限度
規則10−13第3条第1項の職員の被ばく限度は、除染則第3条及び第4条又は第25条の2及び第25条の3に規定する被ばく限度の例によるものとすること。この場合において、除染則第3条第1項又は第25条の2第1項中の「5年間」及び「1年間」については、平成23年4月1日を始期とすること。ただし、平成23年3月11日から同月末日までに受けた線量は、平成23年4月1日に受けた線量とみなすこと。
また、被ばく限度の適用に当たっては、人事院規則10−5(職員の放射線障害の防止)(以下「規則10−5」という。)第3条第5項の放射線業務に従事する際に受ける線量(規則10−5第4条の2に規定する緊急作業(規則10−5第4条の3に規定する特例緊急被ばく限度に係る緊急作業を含む。)に従事したことにより受ける線量を含む。)と除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する際に受ける線量を合算すること。
(2) 線量の測定
規則10−13第3条第2項の除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員の線量の測定等は、除染則第5条及び第6条第1項又は第25条の4及び第25条の5第1項の規定の例により行うものとし、除染ガイドライン第3の2又は特定線量ガイドライン第3の2を参考にすること。
(3) 線量の測定結果の記録等
規則10−13第3条第3項の記録の作成等は、規則10−5第24条(第1項第5号を除く。)の規定の例により行うものとし、具体的には以下のとおりとすること。
ア 各省各庁の長は、次に掲げるものについて記録を作成しなければならないこと(保存期間は、その職員の離職の日から30年(Cについては作成の日から5年))。
@ (2)による職員の線量の測定の結果並びにこれに基づき算定した実効線量及び等価線量
A 除染則第14条第2項の措置を講じられた職員の身体の汚染の状態
B 除染則第11条第1項又は第25条の7第1項の医師の診察若しくは処置を受けた職員の実効線量及び等価線量又は汚染の状態
C 除染等関連業務又は特定線量下業務に従事した職員の作業内容等
イ アの@については、4月1日、7月1日、10月1日、1月1日を初日とする三月ごと、一の年度ごと並びに妊娠中の女子及び一月に受ける実効線量が1.7ミリシーベルトを超えるおそれのある女子にあっては毎月1日を初日とする一月ごとに、その期間中における線量の測定の結果並びにこれに基づき算定した当該期間における実効線量及び等価線量をそれぞれ記録するものとすること。
ウ イによる実効線量の算定の結果、一の年度についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は、当該年度以降は、当該年度を含む五年ごとに区分した期間の累積実効線量を当該期間中毎年度集計し、その線量の記録を作成しなければならないこと(保存期間は、その職員の離職の日から30年)。
エ イ及びウの記録の作成に当たっては、規則10−5第3条第5項の放射線業務に従事する際に受けた線量と除染等関連業務に従事する際に受ける線量を合算すること。
オ (2)に基づき線量を測定された職員に対しては、イ及びウの記録後速やかにその職員の当該期間中の実効線量及び等価線量並びに累積実効線量を知らせなければならないこと。
(4) 被ばく歴の調査
   特定線量下業務に職員を従事させるときは、規則10−13第3条第4項による被ばく歴の有無の調査を行い、この記録をその職員の離職の日から30年保存すること。
 
4 放射線障害を防止するための措置
規則10−13第4条の放射線障害を防止するための措置は、除染等関連業務(除染等業務を除く。)にあっては、除染則第11条及び第14条から第18条までの規定の例により行うものとし、具体的には以下の(1)から(3)までのとおりとすること。
また、除染等業務にあっては、除染則第7条から第9条まで及び第11条から第18条までの規定の例により行うものとし、以下の(4)及び(5)を追加して実施することとする。
一方、特定線量下業務にあっては、除染則第25条の6及び第25条の7の規定の例により行うものとし、以下の(1)及び(4)のとおりとすること。
 
(1) 医師による診察等
除染則第11条又は第25条の7の診察等については、除染ガイドライン第4の5又は特定線量ガイドライン第4の2を参考にすること。なお、同条第1項各号に該当した場合には、速やかに人事院に報告しなければならないこと。
(2) 汚染検査の実施等
除染則第14条及び第15条の退出者の汚染検査及び持出物品の汚染検査については、除染ガイドラインの第4の2の(6)及び第5の3を参考にすること。なお、汚染検査所については、除染等業務を行う事業者等の同意を得て、その設置している検査所を利用しても差し支えないこと。
また、除染ガイドライン第5の4を参考にして汚染を防止するための措置を講じること。
(3) 身体・内部汚染の防止
除染則第16条から第18条までの保護具、保護具の汚染除去及び喫煙等の禁止については、除染ガイドライン第4の2の(5)及び第5の5を参考にすること。
(4) 事前調査等、作業計画及び作業指揮者
   除染則第7条から第9条までの事前調査等、作業計画及び作業の指揮者については、除染ガイドライン第4の1、2(1)から(4)及び3を参考にすること。また、除染則第25条の6の事前調査等については、特定線量ガイドライン第4の1を参考にすること。
(5)粉じんの発散の抑制及び廃棄物収集等業務を行う際の容器の使用、保管の場合の措置
   除染則第12条及び第13条の粉じんの発散を抑制するための措置及び廃棄物収集業務等を行う際の容器の使用等については、除染ガイドライン第5の1及び2を参考にすること。
 
5 職員に対する教育
除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員に対する教育は、除染則第19条又は第25条の8の規定の例により行うものとし、除染ガイドライン第6又は特定線量ガイドライン第5を参考にして必要な教育を行うこと。
また、除染等関連業務又は特定線量下業務に係る放射線障害の防止に関する事務を処理する職員及び業務上除染等業務又は特定線量下業務に係る作業場所に立ち入る職員に対しても、必要に応じて教育を行うよう努めること。
 
6 健康診断等
規則10−13第6条の除染等関連業務に従事する職員に係る健康診断等については、次のとおり実施すること。
なお、土壌等の除染等に直接従事する業務、廃棄物収集等業務及び除染ガイドライン別紙5による平均空間線量率が2.5マイクロシーベルト毎時を超える作業場所で行う特定汚染土壌等取扱業務並びにこれらに関連する業務は、必ず実施すること。
(1) 除染等関連業務に従事する職員に対しては、一般定期健康診断のほか、採用時又は除染等関連業務に従事させる際及びその後6月を超えない期間ごとに1回、定期に、次に掲げる項目について特別健康診断を行うこと。
ア 被ばく経歴の評価
イ 末梢血液中の白血球数及び白血球百分率の検査
ウ 末梢血液中の赤血球数の検査及び血色素量又はヘマトクリット値の検査
エ 白内障に関する眼の検査
オ 皮膚の検査
(2) (1)の採用時又は当該業務に従事させる際の特別健康診断については、使用する線源の種類等に応じて(1)エに掲げる検査項目を省略することができること。この場合、職員が従事する作業の内容及び作業条件を考慮して判断するものとすること。
(3) (1)の定期に行う特別健康診断の検査項目のうち、イからオまでに掲げるものについては、当該特別健康診断を行おうとする日の属する年度の前年度の実効線量が5ミリシーベルトを超えず、かつ、当該健康診断を行おうとする日の属する年度の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない職員にあっては、医師が必要と認めるときに限りその全部又は一部を行うものとし、それ以外の職員にあっては、医師が必要でないと認めるときは、その全部又は一部を省略することができること。
(4) 各省各庁の長は、健康診断の結果等について職員ごとに記録を作成し、これを職員の健康管理に関する指導のために活用しなければならないこと(保存期間は、その職員の離職の日から30年)。
(5) 各省各庁の長は、除染等関連業務に従事する職員が除染等関連業務に従事しないこととなった場合には、規則10−4第26条の規定に基づき、人事院に対し、当該職員に係る健康管理手帳の交付を申請すること。
 
7 除染等関連業務等管理規程
各省各庁の長は、規則10−13第7条各号に規定する事項について、除染等関連業務又は特定線量下業務を行う官署ごとに除染等関連業務等管理規程を作成し、職員に周知するとともに、人事院に報告しなければならないこと。
 
                              以   上