育児・介護を行う職員の仕事と育児・介護の両立支援制度の活用に関する指針について
(平成17年2月18日職職―41)
(人事院事務総局職員福祉局長発)
 
最終改正:平成23年3月18日職職―87
 
 育児・介護を行う職員の職業生活と家庭生活の両立を支援するため、別添のとおり「育児・介護を行う職員の仕事と育児の両立支援制度の活用に関する指針」を作成しましたので、各府省においては、本指針を活用し、職員の職業生活と家庭生活の両立を支援する環境の一層の整備に努めてください
 
以   上
 
別添(HTML形式による表示上、図表が正しいレイアウトとなっていません。PDFも御参照ください。)
 
育児・介護を行う職員の仕事と育児・介護の両立支援制度の活用に関する指針
 〜育児・介護を行う職員の仕事と育児・介護の両立のために〜
 
 我が国における急速な少子化の進行は、21世紀の国民生活に深刻かつ多大な影響を及ぼすものであり、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)や少子化社会対策基本法(平成15年法律第133号)が制定されるなど、社会全体で、次代の社会を担う子どもを安心して生み、育てることができる環境の整備に取り組むことが喫緊の課題となっており、各府省は、次世代育成支援対策推進法に基づき、特定事業主行動計画を策定し、その実施に取り組むとともに、同行動計画に基づく措置の実施状況を公表しているところです。
 また、平成22年1月には「子ども・子育てビジョン」(閣議決定)がとりまとめられ、同年6月には新たな「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(仕事と生活の調和推進官民トップ会議)が策定され、さらに、同年12月には「第3次男女共同参画基本計画」(閣議決定)が策定され、仕事と生活の調和の実現に取り組んでいくこととされています。
 このような状況の下で、職員が、男女を問わず、一人一人職業人としてその能力を十分に発揮し、生き生きと意欲的に職務に取り組むとともに、家庭や地域における生活も重視する個人として子育てや介護、家事などの家庭責任をきちんと果たしていくことは、職員の福祉を増進し、ひいては公務能率を向上させることにもつながるものであり、育児・介護を行う職員が職業生活と家庭生活の両立を図ることができるよう職場全体で支援していくことは、公務運営上ますます重要となっています。
 職員が仕事と育児・介護の両立を支援する制度のうちどのような制度を希望し、また、利用することができるかは、職員の仕事や育児・介護を取り巻く事情等により異なりますが、職員が安んじて意欲的に職務に取り組むためには、職員全体の意識改革を行い、仕事と育児・介護の両立を尊重する職場風土を形成すること、職員が希望する両立支援制度を請求し、できる限り希望どおりに利用することが認められる環境を整備していくことが必要です。
 人事院では、育児のための短時間勤務制の導入(平成19年8月)、配偶者の就労状況にかかわらず育児休業等をすることができること、男性職員が子の出生の日から産後期間中に最初の育児休業を取得した場合に再び育児休業をすることができること、育児を行う職員の超過勤務の免除、短期介護休暇の新設及び子の看護休暇の拡充(平成22年6月)、一定の非常勤職員について育児休業等をすることができるようにすること(平成23年4月)などの制度の整備を行ってきました。これらの内容を踏まえて、育児休業、勤務時間制度を中心とした育児・介護を行う職員の仕事と育児・介護の両立支援制度の活用に関する指針を取りまとめましたので、各府省においては、上のような観点に立って、本指針を活用し、職員の職業生活と家庭生活の両立を支援する環境の一層の整備に努めてください。
 
T 仕事と育児の両立支援における人事担当部局と管理者の基本的な役割
  仕事と育児の両立を尊重する職場風土を形成し、職員の仕事と育児の両立を支援する環境を整備していくためには、人事担当部局及び管理者が両立支援の必要性、育児休業、育児短時間勤務、育児時間その他の育児を行う職員の仕事と育児の両立支援のための制度(以下T〜Vにおいて「両立支援制度」という。)について十分理解し、それぞれの役割を果たしていくことが重要であり、人事担当部局及び管理者は、次のような取組を進める。
 @ 人事担当部局は、LAN等の情報通信ネットワークを活用し、両立支援制度の概要とともに、両立支援の推進に関する自府省としての方針及び特定事業主行動計画等の策定及び変更について、全職員に周知・徹底を図る。また、次世代育成支援対策推進法に基づき特定事業主行動計画による取組や目標に対する実績など措置の実施状況について広報誌やホームページへの掲載等により公表し、併せて全職員に周知・徹底を図る。
 A 人事担当部局は、育児を行う職員が希望する制度を請求しやすい環境の整備を進める必要がある。請求に当たっては、管理者の役割が重要であることに鑑み、管理者に対する研修等の機会をとらえて、両立支援の必要性、両立支援制度の概要等の周知・徹底を図る。
 B 人事担当部局は、職員から本人又は配偶者が妊娠中であることの申出があったときその他適切な機会に、管理者を通じて、その職員に対して両立支援制度の利用促進に資する情報提供を行う。
 C 管理者及び人事担当部局は、育児を行う職員が育児休業等の両立支援制度を利用する場合には、当該職員の業務を円滑に処理するため、業務の遂行方法、業務分担又は人員配置の変更など必要な措置を講ずるよう努める。また、管理者は、周囲の関係する職員に対しても十分に説明を行い、両立支援制度の利用について理解と協力を求める(職員が母体保護等のための産前・産後休暇を取得している場合も同様である。)。
 D 人事担当部局は、幹部職員の定例会議の場などで、職員の両立支援制度の部局ごとの利用状況及び特定事業主行動計画に基づく措置の実施状況について定期的に報告を行い、両立支援制度の利用の促進を図る。
 
U 両立支援制度の活用
 1 育児休業を取得しやすい環境の整備
   育児休業の取得を希望する職員の担当業務が育児休業の期間中に支障なく遂行されることや休業後の職務復帰に対する職員の不安を解消することは、育児休業を取得しやすくするための環境整備として重要であることから、管理者及び人事担当部局は、必要に応じて次のような措置を講ずる。
  @ 管理者は、育児休業を取得する職員の業務が、必要に応じて周囲の職員によっても処理できるよう、日ごろから業務に関する情報の適切な共有化を推進するとともに、育児休業を取得した職員の業務が円滑に処理されるよう業務の遂行方法や業務分担を工夫し、これらの業務遂行に当たる職員の能力開発・活用に努める。
  A 人事担当部局は、育児休業をする職員の業務を円滑に処理するため必要がある場合には、人員配置上の措置を講ずる。その職場に代替する要員を確保するときは、職種等によっては、定年退職者の再任用の活用も考慮する。
  B 管理者及び人事担当部局は、育児休業終了時の円滑な職務復帰のため、職員の希望に応じて休業期間中に職務に関連する情報を定期的に提供するほか、必要に応じ、職務復帰直後に休業期間中における業務のフォローアップ研修を行う。
 
 2 育児休業以外の両立支援制度の活用
  (1) 育児短時間勤務の活用
    育児短時間勤務は、職員(非常勤職員を除く。以下U〜Yにおいて同じ。)が職務から完全に離れることなく育児を行うことを可能とするものであり、仕事と育児の両立のために有効な手段である。
    例えば本制度を活用することにより、育児休業からフルタイム勤務への円滑な移行(例@)や夫婦が同時に育児を行ったり、分担すること(例A−1、例A−2、例B)が可能となる。
 
   〈育児休業終了後に育児短時間勤務を行う例@〉



 
  1歳 2歳
育児休業 育児短時間勤務 フルタイム勤務
育児 勤務
   
    ※育児短時間勤務を取得することにより、勤務時間を段階的に増やしていくことが可能。
 
   〈夫婦が同時に育児短時間勤務を行う例A−1〉

  妻:
  夫:
  10:00   15:55  
育児 出勤 勤務(育児短時間勤務) 帰宅 育児
育児 出勤 勤務(育児短時間勤務) 帰宅 育児
    ※妻、夫とも1日4時間55分の短時間勤務(妻、夫ともに10:00〜15:55勤務、休憩1時間)
 
   〈夫婦が同時に育児短時間勤務を行う例A−2〉

  妻:
  夫:
8:30 10:00 12:25   15:55
勤務(育児短時間勤務) 帰宅 育児
育児 出勤 勤務(育児短時間勤務) 帰宅 育児
    ※妻1日3時間55分の短時間勤務、夫1日4時間55分の短時間勤務
    (妻8:30〜12:25勤務、夫10:00〜15:55勤務で休憩1時間)
 
   〈夫婦が分担して育児短時間勤務を行う例B〉
  妻:
  夫:
 
8:30 12:25 13:30 14:35 18:30
勤務(育児短時間勤務) 帰宅 育児
 
育児 出勤 勤務(育児短時間勤務)
    ※妻、夫とも1日3時間55分の短時間勤務(妻8:30〜12:25勤務、夫14:35〜18:30勤務)
 
 
    人事担当部局においては、Tに定める人事担当部局と管理者の基本的な役割を踏まえ、職員に対して制度の内容及びその活用方法を十分に周知する。また、育児短時間勤務を利用しやすい環境を整備するため、Uの1に定める育児休業の環境整備のための措置に準じ、育児短時間勤務を行う職員の業務の遂行方法や業務分担の工夫、任期付短時間勤務職員の任用等の人員配置上の措置等を講ずる。
 
  (2) 早出遅出勤務の活用
    早出遅出勤務制度は、始業及び終業の時刻をあらかじめ定められた特定の時刻に変更することができる制度であり、フルタイムでの勤務を継続しながら、保育所等への送迎を夫婦で又は他の家族と共に担うことを容易にし、また、保育所等の延長保育などの利用を最小限にとどめることを可能にするものである。
    こうした観点から、各府省において、早出遅出勤務のための始業・終業の時刻を設定するに当たっては、業務の遂行に支障が生じない範囲内で、職員が早出遅出勤務を有効に活用できるよう、育児の事情、地域の通勤事情などを十分に考慮する。
    例えば、業務遂行上、幅広い弾力的な勤務時間の設定が可能である場合には、次のように設定することが考えられる。





 
  始業時刻 終業時刻
A組 7:00 15:45
B組 8:00 16:45
標準 8:30 17:15
C組 10:15 19:00
D組 13:15 22:00
             (注)始業時刻は午前7時以後、終業時刻は午後10時以前に設定。
 
    また、保育所等への送迎等のために、早出遅出勤務と(3)の保育時間・育児時間を併用することも可能である。
    なお、早出遅出勤務は、小学校就学の始期に達するまでの子の養育に加え、小学校に就学している子の放課後児童クラブ等への出迎え又は見送りも対象となっており、また、夫婦が同時に利用することができる制度になっていることから、人事担当部局は、職員に対して部内規程の周知をより一層徹底するとともに、管理者に対し、早出遅出勤務を前提とした業務遂行体制の見直しなど、可能な範囲内で、早出遅出勤務を利用しやすい環境の整備を進めるよう促す。
 
  (3) 保育時間・育児時間の活用
    保育時間は、生後1年に達しない子を養育する職員が授乳等を行う場合に1日2回それぞれ30分以内の時間で休暇を取得できる制度である。育児時間は、子が小学校就学の始期に達するまで、子を養育するために1日2時間を超えない範囲内の時間で取得することができる制度である。なお、同じ日に保育時間と育児時間を取得する場合は、合わせて1日2時間を超えない範囲内の時間となっている。
    いずれの制度も、子の養育のために1日の勤務時間の一部を勤務しないことを可能とするもので、仕事と育児の両立のために有効な手段であり、また、男女ともに取得することができるものである。
    管理者及び人事担当部局は、保育時間・育児時間を取得する職員の業務を円滑に処理するために、業務の遂行方法、業務分担又は人員配置の変更など、保育時間・育児時間を取得しやすい環境の整備に努める。
    また、保育時間・育児時間は、連続して取得可能であること(例@)、夫婦ともに国家公務員である場合には、妻が保育時間、夫が育児時間を取得すること又は夫婦が育児時間を同時に取得することが可能であること(例A、例B)、毎日に限らず断続的な取得も可能であること(例C)などの利点があり、例えば次のように活用することも考えられる。
    人事担当部局は、管理者を通じて、育児を行う職員に制度を周知するに当たっては、その活用方法についても説明する。
 
   〈1歳未満の子を保育所等へ送迎する場合の保育時間・育児時間の取得例@〉

 
8:30 9:00 9:30 16:15 16:45 17:15
育児時間 保育時間 勤務 保育時間 育児時間  
    ※1 子が1歳未満の場合、保育時間(有給)が取得可能であり、育児時間(無給)との併用も可能。
    ※2 育児時間は、正規の勤務時間の始め又は終わりにおいて承認されるものであることから、始業時には育児時間→保育時間、終業時には保育時間→育児時間の順序になる。
 
   〈1歳未満の子を夫婦が同時に保育所等へ送迎する場合の保育時間・育児時間の取得例A〉

  妻:
  夫:
8:30 9:00 16:45 17:15
保育時間 勤務 保育時間
 
育児時間 勤務 育児時間
    ※夫婦が同時に保育時間を取得することはできない。
 
   〈小学校就学前の子を夫婦が同時に保育所等へ送迎する場合の育児時間の取得例B〉

  妻:
  夫:
8:30 9:00 9:30 16:15 16:45 17:15
育児時間 勤務 育児時間
 
育児時間 勤務 育児時間
 
   〈1歳未満の子を曜日によって夫婦で分担して保育所等へ送迎する場合の保育時間・育児時間の取得例C〉
 
    (月・水・金曜日)

  妻:
8:30 9:00 9:30 16:15 16:45 17:15
育児時間 保育時間 勤務 保育時間 育児時間  
    (火・木曜日)

  夫:
8:30 9:00 9:30 16:15 16:45 17:15
育児時間 保育時間 勤務 保育時間 育児時間  
 
  (4) 育児休業以外の両立支援制度を利用する職員の超過勤務等への配慮
    管理者は、育児休業以外の両立支援制度を利用する職員に超過勤務を命ずるに当たっては、当該制度が、職員が家庭責任を果たすことができるよう支援するものであることを考慮する。例えば、育児を行う早出勤務職員に対し、超過勤務を命ずることは避ける必要がある。特に育児短時間勤務職員については、その勤務時間がフルタイム勤務職員の勤務時間より短く設定されている趣旨に留意し、超過勤務又は宿日直勤務を命じなければ公務の運営に著しい支障が生じる場合を除き、これらの勤務を命じないこととする。
    また、管理者は、育児を行う職員の深夜勤務・超過勤務の負担を軽減することで仕事と育児の両立を図るため、3歳未満の子を養育する職員の超過勤務を免除する制度、小学校就学前の子を養育する職員の深夜勤務を制限する制度及び月24時間以内かつ年150時間以内に超過勤務を制限する制度についても、周知・徹底を図るとともに、利用しやすい環境の整備に努める。
 
  (5) 承認に当たっての「公務の運営の支障」の考え方
    管理者及び人事担当部局は、育児を行う職員から両立支援制度の利用について請求があった場合には、原則としてこれを承認することとし、業務の遂行方法、業務分担又は人員配置の変更など、当該職員の業務を処理するためにとり得る最大限の措置を検討した結果、当該業務を処理することが困難であり、かつ、公務の運営に支障が生じる場合に限り、承認しないこととする。
    特に、早出遅出勤務、超過勤務の免除・制限は、当該職員が1日に割り振られた正規の勤務時間のすべてを勤務することが確保される措置であることに配慮し、管理者は、可能な限り承認することとする。
 
  (6) 在宅勤務の活用
    在宅勤務は、自宅にスペースを確保して勤務する勤務方式であり、現行制度の枠内で勤務時間管理を行い、育児短時間勤務や早出遅出勤務など、その他の制度と併せて活用することも可能なものである。
    在宅勤務は、通勤による時間的・肉体的負担を軽減し、育児を行う職員の両立を支援する方法としても効果的である。また、育児休業期間が終了した職員の円滑な職務復帰のため、職務復帰直後の勤務において活用することも有効と考えられる。
    こうした観点から、管理者及び人事担当部局は、育児を行う職員が在宅勤務に適した業務に従事する場合にはその希望に応じて在宅勤務をすることが可能となるよう、「現行制度下でのテレワーク実施に関する考え方」(指針)(平成16年7月6日 人事院・総務省)を踏まえ、勤務状況等に応じ、適切な業務遂行体制の整備など必要な環境の整備を進める。その際、管理者は、適切な勤務時間管理を行うとともに、育児を行う職員が在宅勤務を行う日の業務量が適正なものであるよう十分に留意する。
    なお、業務の中には毎日の在宅勤務にはなじまないとしても、例えば週1日程度の在宅勤務であれば差し支えないものも存在することに留意する(例@−1)。
    例えば、幼稚園等の保育サービスを利用している場合において、特定の曜日に、@保育サービスの利用時間が短いときやA保育サービスが提供されないときに在宅勤務を活用することによって、仕事と育児の両立を効果的に行うことが可能となる(例@−2)。
 
   〈育児短時間勤務と在宅勤務の併用の取得例@−1〉
 
    (月・火・木・金曜日(執務室で勤務))

  妻:
  夫:
7:30 8:00 9:30 13:25 14:55 15:25 17:15
  保育サービス      
送り 出勤 勤務(育児短時間勤務) 退勤 迎え 育児  
    (水曜日(在宅勤務))

  妻:
  夫:
7:30 9:30 13:25 17:15
  保育サービス    
育児 送り 在宅勤務(育児短時間勤務) 迎え 育児  
    ※1日3時間55分・週5日の育児短時間勤務(月・火・木・金曜日に9:30〜13:25まで執務室にて育児短時間勤務、水曜日は9:30〜13:25まで在宅にて育児短時間勤務。)
 
    〈育児短時間勤務と在宅勤務の併用の取得例@−2〉
 
    (月・火・木・金曜日(執務室で勤務))


  妻:
  夫:
7:30 8:00 9:30 13:25 14:55 15:25 17:15 18:45
  保育サービス      
送り 出勤 勤務(育児短時間勤務) 退勤 迎え 育児  
出勤 勤務 帰宅  
    (水曜日(夫婦の一方が在宅勤務))
  妻:
  夫:
 
7:30 16:15 17:45 21:40
育児 在宅勤務(育児短時間勤務)  
勤務(育児のための早出勤務) 帰宅 育児  
    ※1 妻が、1日3時間55分・週5日の育児短時間勤務(月、火、木、金曜日に9:30〜13:25の執務室勤務、水曜日に17:45〜21:40の在宅勤務。)、夫が水曜日に7:30〜16:15の育児のための早出勤務。
    ※2 夫婦の一方が早出勤務を活用することにより、もう一方の在宅勤務(育児短時間勤務)の終業時刻を早めることが可能。あるいは、一方が午後に始業時刻を設定する遅出勤務を活用することにより、もう一方の在宅勤務(育児短時間勤務)の始業及び終業時刻を午前中に設定することも可能。
 
V 男性の育児参加の促進
 1 男性の育児参加を促進する環境の整備
   平成21年度における育児休業の取得状況は、女性職員が95.3%であるのに対し、男性職員は、1.6%にとどまっている。男女を問わず仕事と育児の両立を進めることが重要になる中で、公務においても男性職員の一層の育児参加を促す必要がある。
   特に、妻の産前・産後期間(産前6週間(多胎妊娠の場合14週間)、産後8週間。以下同じ。)や復帰直後の期間は、夫たる男性職員が積極的に育児を分担し、親としての責任を果たしていくことが重要である。
  こうした観点から、管理者及び人事担当部局は、男性職員が育児と勤務の事情に応じた両立支援制度を選択して利用しやすくなるよう勤務体制等を工夫するとともに、男性職員に対して積極的な育児参加を奨励する。
 
 2 夫婦の話合いによる計画的な育児分担の奨励
   男性の育児参加を促進するためには、妻の就労状況にかかわりなく、育児休業、育児短時間勤務及び育児時間等を取得できるようになったことも踏まえ、夫婦で育児の役割をどのように分担していくかについて十分に話し合い、計画的に取り組むことが重要であり、管理者及び人事担当部局は、夫婦それぞれの勤務先における両立支援策等を踏まえて、夫婦で話し合った育児計画により、男性が積極的に育児を分担するよう奨励する。
 
 3 妻の産前・産後期間中における男性の育児参加の促進
   妻の産前・産後期間は、母体の健康維持と回復に専念するための休養の期間とされており、妻の負担を軽減するためにも、この時期に夫たる男性職員が積極的に育児を分担していくことは、これを契機とした男性の育児参加意識を高めることにも資するものであり、また、出産後の妻の継続的な勤務の促進に資するものである。
   妻の産前・産後期間中においては、男性職員は、育児休業・育児短時間勤務・育児時間に加え、配偶者出産休暇、育児参加休暇を取得することができる。育児休業については、出生後8週間以内に最初の育児休業をした職員は、特別の事情がなくとも再び育児休業をすることができる。
 
  (1) 配偶者出産休暇の取得促進
    配偶者出産休暇は、核家族化の進展に伴い、妻の出産のための入退院の付添いなどを男性職員が行うために措置された休暇であり、妻の出産に係る入院等の日から当該出産の日後2週間を経過する日までの期間内に2日の範囲内で取得できるものである。
    この休暇は、入退院の付添いのほか、出産時の付添いや入院中の世話などにも使用できることから、管理者は、父親となるすべての男性職員が目的に応じて同休暇を有効に活用できるよう配慮する。
 
   〈配偶者出産休暇の取得例〉



 
妻の出産に係る入院日 妻の出産の日後2週間
             
↑夫:1日取得…妻の出産に伴う入院及び出産の付添い ↑4時間取得…退院の付添い ↑3時間45分取得
…出生届等の諸手続
合計
2日取得
 
  (2) 男性職員の育児参加休暇の取得促進
    男性職員の育児参加休暇は、産前・産後期間中における妻の負担を軽減し、男性職員の継続的な育児参加のきっかけとなることも期待される休暇であり、妻の産後期間(既に小学校就学の始期に達するまでの子を養育している場合にあっては、産前・産後期間)を経過するまでの期間内に5日の範囲内で取得できるものである。
    管理者は、父親となった男性職員が5日間の休暇を有効に活用できるよう環境を整備し、男性職員に取得を奨励する。特に、退院直後など、妻の体力が完全には回復していない時期に男性職員が同休暇を連続して取得することを請求した場合には、その事情に十分配慮し、可能な限り承認する(例@)。
    また、男性職員の育児参加休暇は、既に小学校就学の始期に達するまでの子を養育している場合には、妻の産前期間中から取得できることから、育児の事情により、妻の産前期間中、出産時の入院期間中などにおいても円滑に取得できるよう配慮する(例A)。また、育児参加休暇を使用した職員が、妻の退院後、育児のために年次休暇を請求した場合についても、可能な限り承認する。
 
   〈第1子に係る育児参加休暇の取得例@〉




 
妻の出産の翌日          ← 産後期間 →
 
妻の出産の翌日から8週間
              合計
5日取得

 
夫:
 
↑3日取得…第1子の育児 ↑1日取得…第1子の育児 ↑1日取得…第
1子の育児
 
 
   〈第1子及び第2子に係る育児参加休暇の取得例A〉






 
妻の出産予定日の6週間前
     ← 産前期間 →
妻の出産日
     ← 産後期間 →
妻の出産の翌日から8週間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
合計
5日取得



 
夫:

 
↑1日取得…第1子の育児
 
↑5時間取
得…第1子の育児


 
2日取得…第2子の育児
 
1日2時間45分取得…第2子の育児
    ※第1子は小学校就学の始期に達するまでの子
 
  (3) 育児休業・育児短時間勤務・育児時間の取得奨励
    男性職員は、妻の就労状況にかかわりなく、育児休業・育児短時間勤務・育児時間を取得できること、また、育児休業については、産後期間中に最初の育児休業を取得した場合には、特別の事情がなくとも再び育児休業を取得できることから、管理者及び人事担当部局は、男性職員が育児に積極的に参加できるよう環境を整備するとともに、男性職員に対してこれらの取得を奨励する(例@、A、B)。
 
   〈妻の産後期間中等に男性職員が育児休業等を取得する例@〉
  妻:
  夫:
産後期間 育児
育児休業  
    ※育児休業に替えて、育児短時間勤務又は育児時間の取得も可。
 
   〈妻の産後期間中に男性職員が育児休業を取得した後に再び育児休業を取得する例A〉
  妻:
  夫:
産後期間 育児休業 勤務
育児休業 勤務 育児休業
 
   〈夫婦が同時に育児休業等を取得する例B〉
  妻:
  夫:
産後期間 育児休業 育児短時間勤務
育児休業 育児短時間勤務
    ※育児休業に替えて、育児短時間勤務又は育児時間、育児短時間勤務に替えて育児休業又は育児時間の取得も可。
 
 4 妻の育児休業等からの復帰直後の期間における男性の育児休業等の取得の促進
   育児休業等から妻が仕事へ復帰した直後の期間は、育児の負担に加え、仕事の負担が新たに重なる期間であり、夫の育児参加を求める妻のニーズが高い時期である。妻の負担を軽減するためにも、妻が仕事と育児の両方を担う生活に慣れるまでの間、夫である男性職員が育児休業や育児短時間勤務を取得するなど、より積極的に育児を分担し、親としての責任を果たしていくことが重要である。
   管理者及び人事担当部局は、男性職員が育児に積極的に参加できるよう環境を整備するとともに、男性職員に対してこれらの取得を奨励する。
 
   〈妻の産前・産後期間中及び復帰直後の期間に男性職員が育児休業等を取得する例〉
  妻:
  夫:

 
  第2子の出産    
第2子の産前期間 第2子の産後期間 第2子の育児休業 勤務
第1子の育児短時間勤務 第2子の育児休業
 
勤務
 
第2子の育児休業
 
 
 5 再度の育児休業・育児短時間勤務及び夫婦が協力して取得する育児休業・育児短時間勤務
   通常、育児休業は特別の事情がなければ再度の育児休業は認められず、また、育児短時間勤務も同様に、特別の事情がなければ前回の育児短時間勤務の終了の日から1年が経過しない限り再度の取得は認められないが、最初の請求の際に「育児休業等計画書」を提出し、最初の育児休業又は育児短時間勤務の終了から3月以上の期間経過した場合、それぞれ再度の育児休業又は育児短時間勤務をすることができる(例@)。
   また、男性職員は、妻の産後期間中に育児休業を開始し終了した場合には、特別の事情がなくても、再び育児休業を取得することができ(上記V3(3)例A)、さらに、計画書による再度の育児休業と併用すれば、合計3回に分けて育児休業を取得することが可能である(例A)。
   夫婦が共働きである場合には、育児休業・育児短時間勤務を交互に取得することもできる(例B、C)。
 
   〈計画書を提出して再度の育児休業を取得する例@〉
 
育児休業 勤務(3月以上) 育児休業 勤務
    ※育児休業に替えて、育児短時間勤務の取得でも可。
 
   〈妻の産後期間中の育児休業及び計画書による再度の育児休業を取得する例A〉
  妻:
  夫:
産後期間 育児休業 勤務
育児休業 勤務 育児休業 勤務(3月以上) 育児休業
    ※育児休業に替えて、育児短時間勤務の取得でも可。(夫の産後期間中の育児休業を除く。)
 
   〈夫婦が交互に連続して育児休業を取得する例B〉
  妻:
  夫:
産後期間 育児休業 勤務(3月以上) 育児休業
勤務 育児休業 勤務
    ※育児休業に替えて、育児短時間勤務の取得でも可。
 
   〈夫婦が交互に連続して育児休業を取得する例C〉
  妻:
  夫:
育児休業 勤務(3月以上) 育児休業 勤務
勤務 育児休業 勤務(3月以上) 育児休業
    ※育児休業に替えて、育児短時間勤務の取得でも可。
 
 6 男性職員の子の看護休暇の取得
   子の看護休暇の取得は、疾病にかかった子の看護(予防接種又は健康診断を受けさせることを含む。)のため、子が1人の場合年5日(2人以上の場合には10日)休暇を取得できる制度であり、夫婦共働きの場合に限らず、看護の実態に応じて認められることから、管理者及び人事担当部局は、男性職員に制度を周知するとともに、休暇を請求しやすい環境を整備する。
 
W 介護を行う職員の両立支援の環境の整備
 1 介護に関する両立支援制度の活用
   介護休暇は、2週間以上の期間にわたり日常生活を営むのに支障がある父母等(要介護者)を介護するために連続する6月の期間内において休暇を取得することができる制度であり、短期介護休暇は、要介護者を介護等するために年5日(要介護者が2人以上いる場合には10日)取得できる制度である。
   また、介護を行う職員は、早出遅出勤務の活用、深夜勤務・超過勤務の制限を利用することも可能である。
   介護を行う職員も、働きながら要介護者である家族の介護を行うための時間を確保できるよう、その両立を支援していく必要があることから、管理者及び人事担当部局は、介護休暇及び短期介護休暇の取得、早出遅出勤務の活用、深夜勤務・超過勤務の制限に配慮するなど、育児を行う職員に対する環境の整備と同様に、職員が介護のための両立支援制度を活用することができるよう取り組む。
 
 2 在宅勤務の活用
   在宅勤務は、通勤による時間的・肉体的負担を軽減し、介護を行う職員の両立を支援する方法としても効果的である。
   こうした観点から、管理者及び人事担当部局は、介護を行う職員が在宅勤務に適した業務に従事する場合にはその希望に応じて在宅勤務をすることが可能となるよう、「現行制度下でのテレワーク実施に関する考え方」(指針)(平成16年7月6日 人事院・総務省)を踏まえ、勤務状況等に応じ、適切な業務遂行体制の整備など必要な環境の整備を進める。その際、管理者は、適切な勤務時間管理を行うとともに、介護を行う職員が在宅勤務を行う日の業務量が適正なものであるよう十分に留意する。
   例えば、在宅勤務(介護ヘルパー等の介護サービスなどを活用)と介護休暇を併用することで、仕事と介護の両立を効果的に行うことが可能となる。
 
   〈介護に関する制度と在宅勤務の併用の取得例〉
    ○1日3時間の介護休暇を取得する職員が、週2日在宅勤務をする場合
     ・火・木曜日(在宅勤務)


 
9:00 12:00 13:00 17:45
介護休暇 休憩 在宅勤務
 
  介護ヘルパー
    ※1日3時間の介護休暇を取得(火・木曜日に9:00〜12:00まで介護休暇を取得、その後13:00〜17:45まで在宅勤務(その間介護ヘルパーに依頼)。他の曜日は他の家族が介護。)
 
X 育児・介護を行う非常勤職員の両立支援の環境の整備
 1 育児に関する両立支援制度の活用
   一定の要件を満たす非常勤職員は、1歳未満の子(配偶者が育児休業をしている場合は1歳2か月未満の子、保育所の入所を希望しているが入所できない等の場合は1歳6か月未満の子)を養育するため、育児休業を取得することができる。また、育児時間は、3歳未満の子を養育するため、1日最長2時間の範囲内で取得することができる。
   例えば、本制度を活用することにより、育児休業からの円滑な職場復帰(例@)や夫婦が同時に育児を行ったり(例A)、分担すること(例B、C)が可能となる。
   さらに、育児を行う非常勤職員は、常勤職員と同様に、早出遅出勤務(U2(2)参照)や保育時間・育児時間(U2(3)参照)等の制度を活用することが可能であり、男性の非常勤職員にあっては、妻の育児休業等からの復帰直後の期間の育児参加、再度の育児休業の取得や子の看護休暇の取得(V4〜6参照)など積極的な育児への参加が重要である。
   人事担当部局においては、非常勤職員についても、U及びVの取扱いも踏まえ、これらの制度の内容及び活用方法を十分に周知するとともに、利用しやすい環境整備に努める。
   〈育児休業終了後に育児時間を取得する例@〉



 
  1歳 2歳
育児休業 育児時間 定められた勤務時間
育   児           勤   務
   
    ※育児時間を取得することにより、勤務時間を段階的に増やしていくことが可能。
 
   〈夫婦が同時に育児休業等を取得する例A〉
  妻:
  夫:
産後期間 育児休業 育児時間
育児休業 育児時間
    ※育児休業に替えて育児時間、育児時間に替えて育児休業の取得も可。
 
   〈夫婦が分担して育児休業を取得する例B〉

  妻:
  夫:
    1歳 1歳2か月
産後期間 育児休業 勤  務
 
勤  務 育児休業
 
   〈夫婦が分担して育児休業を取得する例C〉

  妻:
  夫:
    1歳 1歳2か月 1歳6か月
産後期間 勤  務 育児休業 勤  務
 
育児休業 勤  務 育児休業
    ※上記の例における1歳2か月から1歳6か月までの育児休業は、保育所の入所を希望しているが入所できない等の特に必要と認められる場合に限る
 
2 介護に関する両立支援制度の活用
 一定の要件を満たす非常勤職員は、2週間以上の期間にわたり日常生活を営むのに支障がある父母等(要介護者)を介護するため連続する93日の期間内において介護のための休暇を取得することができる。また、介護を行う非常勤職員は、短期介護休暇や早出遅出勤務等の制度を活用することも可能である。
 人事担当部局においては、育児に関する両立支援制度と同様、これらの制度の内容及び活用方法を十分に周知するとともに、利用しやすい環境整備に努める。
 
Y 恒常的な長時間勤務の縮減及び年次休暇等の取得推進
  恒常的な長時間勤務は、職員の健康・福祉に影響を及ぼすだけでなく、職員の職業生活と家庭生活の両立をも損ねるものである。長時間勤務の解消又は軽減のためには、超過勤務の縮減が不可欠であり、各府省においては、「国家公務員の労働時間短縮対策について」(平成4年12月9日 人事管理運営協議会決定)に基づく超過勤務縮減のための環境整備に継続的に取り組むとともに、「超過勤務の縮減に関する指針」(平成21年2月27日 職職―73)に定める超過勤務の上限の目安時間を超えて勤務させないよう、業務の在り方や処理方法等について見直しを行い、業務の廃止を含めた事務の簡素化、業務処理方法の改善、計画的な業務執行等に努めることとする。また、平成22年度からは、月60時間を超える超過勤務手当の支給割合を引き上げるとともに、当該支給割合の引上げ分の支給に代えて超勤代休時間を指定できる制度が新設されたところであり、管理者においても、職員の超過勤務及び在庁の状況並びに健康状態の把握に努めるとともに、制度の活用を図ることが重要である。
  さらに、年次休暇等の計画的な取得及び連続休暇の取得を促進することは、職員の職業生活と家庭生活の両立の実現に寄与するものであり、各府省において休暇を取得しやすい職場の雰囲気を醸成するなど休暇取得促進のための環境整備を行うことが重要である。
 
Z 両立支援の推進体制
  仕事と育児・介護の両立支援の状況等に関する情報交換等の場として、各府省人事担当部局による「仕事と育児・介護の両立支援に関する連絡協議会」を設ける。