職 員 紹 介
  
         
岡北 有平   桐山 愛世   木原 裕二
   
特許庁 審査第四部電子商取引 審査官   特許庁 審査第一部住環境 審査官   特許庁 審査第二部繊維包装機械 審査官
平成21年採用 T種(理工T)   平成18年採用 T種(理工T)   平成21年採用 T種(理工T)
 
         
福山 則明   坂田 麻智  
   
特許庁 総務部総務課 課長補佐(法規班法規係長)   特許庁 審査第一部 環境・基盤意匠 審査官  
平成22年採用 T種(理工W)   平成16年採用 T種相当〔意匠学〕  
  

  
岡北 有平
 
特許庁 審査第四部電子商取引 審査官
 
平成21年採用 T種(理工T)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
計量経済学(統計学)、金融工学
 
◇ 志望動機は?
 小学生のころ、あるドラマの影響で弁護士を志すようになりました。数学や物理が好きで結局理系の道に進みましたが、技術だけでなく法律も勉強したいという気持ちは変わりませんでした。縁あって、特許庁では審査官として最先端の技術に触れる機会や、行政官として法律の制定等に携わる機会など、非常に幅広い業務を経験できることを知り、志望しました。 
 
◇ 採用後の経歴は?
 入庁後はまず、電子商取引分野の審査官補・審査官を計5年間務めました。当初は法律や語学の面で不安もありましたが、手厚い研修制度や尊敬できる先輩方との出会いを通じ、日々成長を実感した時期でした。その後、一旦審査実務を離れ、制度の企画立案やそのための基礎調査を担当する部署(企画調査課)にて、企業側の要望を調査する業務を担当しました。入庁8年目には経済産業省に出向し、電子商取引でのトラブル防止に向けたルール作りや、青少年をインターネット上の有害情報から守るための制度整備などを担当しました。
 現在は欧州の知的財産制度を学ぶべくミュンヘンのロースクールに留学中です。国外での生活を通じて見識を広げたいとの思いがあり、入庁時から留学を志望していました。ミュンヘンには欧州特許庁やドイツ特許庁が位置しており、欧州の知的財産制度を学ぶ上で素晴らしい環境です。沢山の出会いや経験から日々刺激を受けています。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 審査官の仕事は、理系の専門知識をもとに最先端の技術に関する様々な発明が過去にない優れたものかを判断する審査業務が中心です。私の場合は審査業務に加え、他国の特許庁審査官と互いの国の知的財産制度についてディスカッションする機会や、審査基準の改訂プロジェクトに参加する機会にも恵まれました。
 一方、経済産業省に出向した際は、国会対応や政省令の制定などを経験しました。一つの制度を形作るには膨大な資料調査や様々な立場の意見集約などが必要で、時間や労力を要しますが、プロジェクトが一区切りついたときの達成感は格別でした。業務を通じて庁内外に沢山の知人・友人ができ、大切な財産になっています。 
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 統計学や金融工学の知識が審査実務にダイレクトに活かされています。制度の企画立案を検討する上でも、数学や情報工学の知識が有用なことが多々あります。直近ではAIやブロックチェーン、秘密計算等の技術を理解する上で理工系のバックグラウンドが役立ちました。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 審査業務の面白さは、最先端の発明にいち早く触れることができることだと思います。入庁10年目になりますが、今でも新しい案件に着手する際は、どのような発明なのかワクワクします。また、自身の担当した案件が報道されたり、実用化された製品を市場で見かけた際にやりがいを感じます。 
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは?
 入庁時は語学や法律知識に長けた先輩方に憧れるばかりでしたが、今ではベトナムやイギリス、ドイツなど国外で日本の知的財産制度に関するプレゼンテーションを英語で行ったり、弁護士の先生方とディスカッションする機会も増えました。まだまだ足りない部分を感じますが、入庁10年で語学や法律知識が身についたと思います。自己研鑽ももちろん大切ですが、特許庁では語学や法律に関する多様な研修プログラムが用意されており、また、研修で培った知識を実務で活かせる機会が沢山あるため、成長を実感することでモチベーションが向上するという好循環が生まれやすい環境だと感じています。 
   
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 多くの場合、審査官は一つの案件を一人で担当するため、仕事のペースをある程度コントロールできます。そのため長期休暇や有給休暇も取得しやすく、友人と予定を合わせて国内外を旅行することもよくあります。
 留学中の現在は、授業の予復習やドイツ語学習が中心の日々ですが、トレッキングに出かけたり、現地のイベントに参加したりして生活を楽しんでいます。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 より沢山の人に知的財産制度を身近なものとして感じ、活用していただきたいと思います。そのための制度整備や、知的財産制度の普及啓発に関わる業務に携わりたいです。 
 
 (平成30年10月)

  
桐山 愛世
 
特許庁 審査第一部住環境 審査官
 
平成18年採用 T種(理工T)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
資源工学
 
◇ 志望動機は?
 私は、一つの専門知識を深く追究するのではなく、国として、科学技術の進歩を促進し、さらに、産業を発展させることのサポートをする業務を行いたい、と考えていました。特許庁の仕事は、大学で専攻した専門知識に限らず、幅広い理系の基礎知識を生かすことができ、また、産業財産権制度の適切な運用により、産業の発展に寄与できる仕事であることに特に魅力を感じ、特許庁を志望しました。
  
◇ 採用後の経歴は?
 入庁後は、特許審査部に所属し、油圧ショベル、トンネルを掘るシールドマシンなどの建設機械や、橋梁、ダム、道路など、社会インフラに関する技術分野を担当しました。工法などは書類だけではわかりづらいので、積極的に施工現場を見学しに行きました。トンネル施工現場ではその壮大なスケールに驚かされました。
 また、審査を離れ、応用光学、応用物理、土木・建築などの審査を行っている審査官と共に、出願人と情報交換を行い、出願人の知的財産制度等に関する要望をとりまとめ、各種関係部署に働きかけ、制度改正や行政サービスの改善等につなげる仕事にも従事しました。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 現在は、建具や錠の審査業務を行うのが主な仕事です。初めて担当する分野なので、技術習得のために技術講習や、業界全体の知財動向を把握するために業界との意見交換会に積極的に参加しています。前の所属先において、企業、業界との意見交換を通じ、特許庁の取り組みを周知すると共に各企業のニーズを把握するといった業務を行っていたので、企業、業界との意見交換会においては、企業のニーズに的確に対応することができるようになり、よりふみこんだ意見交換ができるようになったと感じています。
 また、展示会や技術講習に参加する機会もあります。企業の方に製品の説明をしていただいたり、製品を間近でみて触ることで、技術に対する理解がより深まります。断熱性建具と従来の建具を比較して触る機会があり、断熱性建具の断熱性の高さを実感することができました。
  
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 審査部で審査を行っているときは、もちろんですが、出願人の意見集約や知的財産に関する企画立案を行う際にも、企業の事業戦略や研究開発事業についての知識が要求されるので、理工系、ひいては審査官としての知識が活かされています。また、調整を行う企業側の担当者も、知的財産部や技術部が主となっており、理系の方が多いため、バックグラウンドが共通していることにより、調整がスムーズに運ぶといった側面もあります。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 企業の方々との意見交換会を通じて、把握したニーズを集約し、関係部署に伝えることで、特許庁の施策が企業のニーズに応じる方向へと向かったり、企業の疑問や問題の解消につながる特許制度やサービスをご紹介できたときは、とてもやり甲斐を感じます。 
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 特許審査及び企業側の要望や疑問をとりまとめることにより、今後どのような技術が注目されているのか、当該技術に対して、どのように企業の成長に知的財産を活用していこうとしているのかが、実感を伴って理解ができるようになり、社会の動きが手に取るようにわかるようになりました。 
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 私は、3人子供がおり、日々育児に仕事に追われていますが、時短制度やフレックス制度を使い、柔軟な働き方ができるので、とても助かっています。また、職場の理解もあり、困ったときは、相談し、サポートを受けながら、働いているため、とても快適に働くことができています。子供が生まれてからの働き方は、働ける時間に限りがあるというのがネックなのですが、優先順位をつけ、集中して仕事に取り組むようになり、仕事の効率は上がったのではないかと思います。また、家に帰れば、子供との時間となるので、仕事のことを引きずることはなく、オンオフの切換えが上手になり、充実した日々を過ごしています。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 現在までは土木、建設分野の審査を主としていましたが、今後はそれ以外の応用光学、応用物理等の様々な技術分野の審査を担当し、強く、広く、役に立つ権利付与に貢献して行きたいと思っています。また、各技術分野に応じて異なる、知的財産に関する様々なニーズを理解し、具体的な政策に反映していくよう努めていきたいと考えています。 
 
 (平成30年10月)

 
  
木原 裕二
 
特許庁 審査第二部繊維包装機械 審査官
 
平成21年採用 T種(理工T)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
航空宇宙
 
◇ 志望動機は?
 大学時代に培った専門性を活かすことのできる仕事につきたいと考えていました。特許庁に官庁訪問をした際に、最新の技術に触れることができ、なおかつ、自身の判断により、特許権を付与するか否かを判断する業務は、責任重大でありながらも、やりがいのある仕事だと感じました。また、特許制度により、研究者の努力の結晶である研究成果を適切に守ることを通して、社会の発展に貢献できるところはとても魅力的でした。
  
◇ 採用後の経歴は?
 最初は、自動車の操向制御および安全装置の特許審査を行う部署に配属されました。自動車の技術について知識がゼロの状態でのスタートでしたが、講演会や様々な研修(例えば、エンジンを分解する研修)、自動車製造工場の見学、日々の審査業務、先輩方からの指導を経て、この技術の特許審査を十分に行うことができるようになりました。
 次に、特許審査に関する施策の企画・立案を行う部署に配属されました。ここでは、法令に従い自分の論理を突き詰めていく審査業務とは異なり、様々な方々との意見交換と軽快なフットワークが必要でとても刺激的な業務でした。
 その後は、ロボットの特許審査に従事しました。ロボット分野ではまだ実現されていない技術も多くあり、また、活用の幅が広いところから、業界全体としてとても盛り上がっている印象を受けました。1年半のロボット審査業務を経て、米国でロボットの研究をする機会を得ることができました。異なる国籍の方に囲まれて、英語で意見交換をしつつ、研究を進めることは大変でしたが、かけがえのない経験となりました。
 現在は、衣類や繊維機械などの審査に従事しています。
 
◇ 日々の仕事の様子は?
 特許審査では、まず、特許出願された発明を十分に理解していきます。発明は、日進月歩でまだ世の中に出ていない新技術も多くあるので、専門書で調べることや、その技術に詳しい同僚に相談することもあります。次に、その発明に関連する過去の技術について、特許庁のデータベースなどに基づいて調査していきます。最後に、その調査結果を、特許法に照らして、その発明を特許にすることができるか否かを判断していきます。また、ユーザニーズに沿った特許審査を行うべく、出願人の方と面接を行うこともあります。
 行政業務としては、特許審査に関する施策の企画・立案、ユーザーニーズの把握、国際会合への出席、国会対応、見学者に対する特許庁の業務内容の説明など、多岐にわたる業務を行いました。 
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 審査業務において、発明を十分に理解するためには、大学で学んだ専門的な知識をはじめ、幅広い理系の知識が必要不可欠です。また、行政業務においても、審査業務に紐づいた施策を検討していきますので、理系、ひいては審査官としての知識が活かされています。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 特許制度について、少しずつ理解を深めていくことに面白さとやり甲斐を感じています。これまでの審査業務や行政業務で、発明が出願されて権利化される段階については詳しくなりましたが、例えば、発明が生み出される段階、特許権が付与された発明を活用する段階などについてはまだ知らないことが多く、今後知見を広げていきたいと思ってます。
           
◇ 自己の成長を実感したエピソードは?
 法律の知識がほどんどないところから特許法を徐々に理解していくこと、苦手だった英語をコツコツ学習して英語の文献を読めるようになったことなど、できないことができるようになることに、自分の成長を感じています。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 私には、2歳の息子がおり、保育園に息子を送ってから出勤しております。また、業務後はできるだけ早く帰り、夜ご飯を家族と食べたり、息子と一緒にお風呂に入ったりしています。子供が生まれてからは、しっかりとしたタイムマネジメントを行うことで、なるべく残業をしないよう心掛けています。また、子育てにとても理解がある職場で、例えば、息子の急な発熱があっても、すぐに有給休暇を取得できるなど、妻と協力して子育てをすることができています。
 また、入庁後、野球のサークルに所属しました。野球経験のない人でも所属することができるサークルで、土日に練習や試合を楽しく行うことができ、とてもリフレッシュしました。春・夏に開催される大きな大会で、一年通して頑張ってきた練習の成果を発揮する機会もあり、同僚と切磋琢磨して練習できたことは、今でも本当に良い思い出です。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 大学時代、特許庁を訪問するまで、自分自身が特許制度についてあまり知らなかったので、特許制度を広く周知して普及していく業務に興味があります。
 
  (平成30年10月)

  
福山 則明
 
特許庁 総務部総務課 課長補佐(法規班法規係長)
 
平成22年採用 T種(理工W)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
薬学
 
◇ 志望動機は?
 特許審査の業務が、理系としての専門性、読解力(日本語、英語)等を必要とするものであり、学生時代に培ったものを活かせると考えたため、特許庁を志望しました。日々生まれる新しい技術や、改正され続ける法律の内容を常にキャッチアップしていかなければならない仕事であり、何かを常に吸収していきたいという好奇心が旺盛な方にとっては、特許庁はとても適している職場だと思います。
  
◇ 採用後の経歴は?
 入庁後は、接着剤、肥料、洗剤、香料、インク、燃料、火薬、スキーワックス等の化学製品に関する特許の審査業務を担当しました。
 入庁6年目には、審査官が特許審査業務を行う上での指針となる審査基準の作成・調査研究等を行う部署に配属となりました。当時進められていた機能性食品の発明に関する審査基準の改訂作業を担当し、食品企業・大学教授・元裁判官等へのヒアリング、審議会で用いる資料や改訂基準案の作成、パブコメに対する回答の検討等、いろいろな業務に携わりました。また、地方に出張して、審査基準の説明会の講師を担当する機会がありましたが、その場で直にユーザーの声を聞けたことはとても良い経験になったと思います。
 その後、特許審査部に戻った後は、有機EL、液晶、農薬、家庭用殺虫剤等に関する特許の審査業務、医薬品の特許期間に関する審査業務を担当しました。また、当時は、新人の指導を行ったり、元裁判官の方を招いた知財に関する判例勉強会に参加したりと、新たな経験もさせていただきました。
 現在(入庁9年目)、法令の解釈を行う部署に配属となっており、庁内外からの法令の解釈に関する問い合わせへの対応を行っています。例えば、庁内で新しく始める運用が、法令に違反していないか検討したりしています。特許法に限らず、意匠法や商標法に関するものなど、様々な問い合わせがあります。 
 
◇ 日々の仕事の様子は?
 現在の部署では、法令の解釈に関する問い合わせへの対応をしていますが、まずはポイントとなる条文をよく読みこんだ上で、その条文が導入・改正された経緯や趣旨、関連する学説、判例を書籍等を使って調べ、回答を作成するという業務が中心となります。日々勉強しながら業務を進めているところであり、学ぶことが大変多いです。 
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 審査業務で担当した技術分野は、学生時代に学んだ薬学では取り扱わないものばかりでした。しかし、接着剤にしろ、燃料にしろ、その技術の内容を理解するためには、有機化学等の化学の知識を欠かすことはできませんので、直接的ではないものの、学生時代に学んだ化学の基礎が十分に役立ったと考えています。
 一方、医薬品の特許期間の審査をするためには、医薬品の研究開発のプロセスや、承認申請の制度の仕組みを十分に理解することが必須であるため、薬学で学んだことがダイレクトに役立ったと思います。
 また、特許審査においては、先行技術を把握するために学術論文を読まなくてはならないこともありますが、学生時代にセミナーの準備で苦労して英語の論文(細かい実験手順の部分など)を読み込んだ経験が活きたのではないかと思います。
 審査基準の改訂作業や、現在の部署での法令解釈においては、審査業務で培った知見が役立っていると感じています。法令や審査基準についての議論は抽象的な思考を求められるものですが、実際に自分が行っていた具体的な審査業務を当てはめることで、理解がしやすくなります。
 学生時代に学んだことが審査業務で活用され、さらに審査業務で学んだことが他の業務に活用される、というように、学生時代に学んだことがすべての業務に関連しているように思います。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 自分が審査した発明に関する製品が実際に売られていることを目の当たりにすると、自分の業務が実社会とつながっていることを強く実感することができます。私が入庁後に担当していた化学製品の発明は、店頭で実際に売られている最終形態に近い製品に関するものが多かったため、イメージがしやすく、出願書類を読みながら「こんな製品(技術)もあるのか」と驚くこともたびたびありました。
 また、医薬品の特許期間に関する審査業務は、実際に新しく開発された医薬品に用いられている特許の期間を20〜25年の範囲内で適切な期間に設定するという業務であり、その審査結果は医薬品の後発品の参入時期に影響を与えます。責任は重大ですが、実際の製品と特許との密接な関係性を窺い知ることのできる点で面白い業務であると思っています。 
 
  (平成30年10月)

  
坂田麻智
 
特許庁 審査第一部 環境・基盤意匠 審査官
 
平成16年採用 T種相当〔意匠学〕
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
工業デザイン
 
◇ 志望動機は?
 大学院の時に、研究成果を仲間と一緒に特許出願をしたことで、知財に関心を持つようになりました。
 自分の学んできた専門である工業デザインの知識を業務に活かせるため、意匠審査官に魅力を感じました。
  
◇ 採用後の経歴は?
 入庁後4年間の審査官補の期間に、それまで全く触れたことのなかった法律や審査業務の基礎を様々な研修やOJTの形で先輩から学びました。また、審査官となった後は、様々な分野(産業用ロボット、医療用品、テレビ、プレハブ住宅、珍しいところでは配管用管など)の意匠審査を経験しました。
 その他、法律改正、国際業務、政策立案、制度立案、法解釈である審査基準の検討など、意匠行政に関わる様々な部署を経験し、一年間の米国留学でデザインの先端を学ぶ機会も頂きました。 
 
◇ 日々の仕事の様子は?
 出願されたデザインが、世界で最も新しいデザインであるのか、容易に創作できたデザインでないのか等の観点で、特許庁のデータベースに格納されている既にあるデザインとの比較をし、法律に定められた登録のための要件を満たすのかどうか審査をしています。そして、審査の結果を文書として出願された方にお送りしています。このような文書は、なるべく平易な表現で出願された方にポイントが伝わりやすくなるように努めています。
 時には出願された企業のデザイナーと直接お会いして、そのデザインの創作のポイントや背景等をお聞きしたり、担当分野の最先端デザインの展示会等に参加することで、そのデザインに対する理解をより深めることもあります。
 また、現在私は意匠の審査で使用する製品の分類を国際標準に合わせて改正するプロジェクトに参加していますので、そのための作業やメンバーでの打ち合わせ等を行っています。 
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 出願されたデザインを把握し、その創作のポイントを正しく理解するためには、そのデザインの背景にあるデザイナーの意図や、そのデザインを実現するための技術も含めて理解する必要があります。そのためには、学生時代に学んだ工業デザインの知識は非常に役立っていると思います。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 日々、最新のデザインに触れられることです。
また、きちんとした権利を設定することによって、企業の健全な経済活動に直接役に立っているという実感がある点だと思います。 
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 何かを検討する時に、まず法律を見て根拠条文を確認するようになりました。 
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 休日は家族と一緒に近場の温泉に出かけることを楽しんでいます。
また、平日早く帰れる日には、業務後に語学研修を受講したり、趣味の茶道やヨガの教室に通ってリフレッシュしています。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 権利化後の活用促進や、意匠という枠に縛られずに知財全般に関わるような業務に携わっていきたいです。 
 
  (平成28年11月)