定年がもたらすもの

3.生活環境の変化

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定年を迎えると、次に掲げる事例のように、それまでとは生活環境が大きく変わります。加えて、少子・高齢化の進行、就業構造の変化など社会環境も大きく変わってきています。これらの変化への対応は一朝一夕にはできません。今から様々な変化を想定し、退職後の長い第二の人生が、充実したものとなるように準備することが大切です。

1 自由に使える時間が増える

定年後は、通常、拘束されない時間が大幅に増えることになります。

2 収入が減る

退職共済年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられていることから、定年後に再任用、再就職をしたとしても、定年前に比べ、収入は大幅に減ります。自分自身の健康状態や家族の状況などにもよりますが、これまでの生活水準を落とすのか、それとも新たに就業などによる収入の途を探すのかという選択を迫られることになります。

3 主な活動領域が居住地域になる

定年後は、職場から家庭、地域などに生活の軸足が移ります。そのため、地域にいかにスムーズに溶け込めるかということが大切になります。

4 家族と接する時間が増える

自宅にいる時間が増えることにより、定年前まで知らなかった家族の姿や人間関係が否応なく見えてきます。家族の方も、皆さんの在宅時間が増えることにより、困惑することがあるかもしれません。

5 公務での人間関係が徐々になくなっていく

公務の職場を離れると、これまでの職場の人間関係が徐々になくなっていきます。そのために、体験したことのない孤独感や寂りょう感にさいなまれることもあります。

6 公務での価値観や肩書きが通用しなくなる

定年後は、公務に対していかに強い思い入れがあっても、そこから離れて一個人に戻ることになります。これまでの言動のより所であった公務での価値観の転換を迫られるケースもあるでしょうし、定年前の肩書きは通用しなくなります。

7 副次的な避難場所がなくなる

定年前は、職場が、結果として家庭や居住地域での煩わしい事柄からの避難場所になっていたケースがあるかもしれません。しかし、定年後は、このような副次的な逃避場所がなくなります。

【高齢者の生活の満足と不安】

平成26年に内閣府が実施した「高齢者の日常生活に関する意識調査」(60歳以上の者を対象に調査)によると、日常生活に「満足している」「まあ満足している」を合わせると68.2%となっており、前回の調査(平成21年)と比べると、13.6ポイント低下しています。回答者の状況別に満足度の状況をみると、年齢別には満足度の差はあまりなく、健康状態による差は大きいことがわかります。

○ 日常生活全般についての満足度
 

 























満 足
(計)
不 満
(計)
総数
3,893
12.0
56.2
20.6
8.2
68.2
28.8
[年齢別]
60歳〜64歳
824
10.7
56.4
20.9
9.5
67.1
30.3
65歳〜69歳
919
11.5
58.0
20.9
7.5
69.5
28.4
70歳〜74歳
803
13.6
53.9
21.0
8.3
67.5
29.4
75歳〜79歳
625
11.8
56.2
21.4
7.8
68.0
29.3
80歳〜84歳
431
13.2
55.7
17.9
9.0
68.9
26.9
85歳以上
291
12.0
57.0
19.6
6.5
69.1
26.1
[健康状態]
良い
1,615
20.4
61.6
13.1
3.3
82.0
16.4
普通
1,467
7.4
59.3
23.7
6.9
66.7
30.5
良くない
774
4.0
39.3
30.4
20.9
43.3
51.3

また、同調査によると、将来の自分の日常生活全般について、どのようなことに不安を感じるか聞いたところ、「自分や配偶者の健康や病気のこと」が最も多く、次いで「自分や配偶者が寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること」となっています。

○不安を感じる理由(複数回答)

不安を感じる理由