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定年後の社会保険制度

年金医療保険雇用保険
2.医療保険

医療保険については、国民皆保険制度を採っていますので、退職後もいずれかの医療保険制度に加入することになります。加入手続きが必要ですので、期限内に済ませてください。

退職後、民間企業に再就職する場合は、勤務先の事業所の健康保険制度に加入することになります。

また、再就職先が健康保険の適用外事業所の場合、あるいは、どこにも再就職しない場合は、居住する市区町村の国民健康保険に加入するか、現在の所属共済組合の任意継続組合員(給付内容は在職中と同じ。)となるかを選択することになります。

医療保険の加入先
 健康保険

加入:再就職先に健康保険組合がある場合は同組合に加入します。ない場合は、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に加入することになりますので、管轄の年金事務所に加入の手続きをする必要がありますが、手続きはいずれも事業所側で行います。

保険料:健康保険組合がある場合は、健康保険組合独自の保険料率となります。全国健康保険協会管掌健康保険については、平成21年9月からは、今までの全国一律の保険料率から、医療費等の実情に応じ、都道府県ごとの保険料率に移行しています。平成26年4月からの保険料率は、給与月額(標準報酬月額)と賞与の額に1,000分の98.5〜101.6を乗じて得た額を事業主と被保険者が半分ずつ負担することとなっています。

このほか介護保険の保険料も併せて負担することとなりますが、平成26年4月現在全国健康保険協会管掌健康保険の場合、全国一律となっており、64歳までの被保険者で事業主負担分と被保険者負担分を合わせて1,000分の17.2を半分ずつの負担となっています。

なお、内容の詳細については、管轄の年金事務所又は全国健康保険協会の各支部に照会してください。

医療費の自己負担額:入院、外来とも医療費の3割が自己負担になります。(70歳以上の高齢者には特例があります。)

 国民健康保険

加入:退職の日の翌日から14日以内に居住する市区町村の国民健康保険担当窓口で手続きをしてください。前の保険が終了した日の翌日に遡って適用されますが、手続きが遅れると保険給付が一時差し止められたり、延滞金の支払を求められることがあります。

保険料:各市区町村により異なります(1と同様、介護保険の保険料も負担)。
(基本額、前年所得による額又は前年の住民税額による額、世帯人員等による額等により算出)

医療費の自己負担額:入院、外来とも医療費の3割が自己負担になります。(70歳以上の高齢者には特例があります。)

共済組合や健康保険組合に加入していた人が退職した場合の特例:被用者年金の加入期間が20年以上あること等により、退職者医療制度の適用を受けられる人は、年金証書を受理した日の翌日から14日以内に、市区町村の担当窓口で、年金証書を添え、同制度の適用を受ける旨を申告してください。なお、退職者医療制度の適用を受けても自己負担額には変わりありません。
 また、平成20年4月から新しい高齢者医療制度が実施されていますが、前期高齢者制度は退職者医療制度に代わる新しい制度として位置づけられることから、平成26年度までの65歳未満の退職者は退職者医療制度(国民健康保険)を適用できる経過措置があります。

 共済組合の任意継続組合員制度

加入:退職した日から起算して20日以内に退職時の所属長を経て共済組合に手続きをしてください(組合員であった期間が1年以上あることが必要です。)。

加入期間:退職した日の翌日から2年間が限度。ただし、脱退はいつでも可能。

掛金:任意継続組合員となった場合の掛金は、いわゆる事業主(国)負担分も本人が負担して納付することになります。

ア 標準報酬月額×短期共済掛金率(定年前の本人負担の2倍。ただし、ボーナス分の掛金はなし。)

内閣共済の場合:通常組合員38.34/1000の2倍の76.68/1000
(介護掛金:通常組合員5.53/1000の2倍の11.06/1000)

イ  算定基礎となる標準報酬月額は、1退職時の標準報酬月額、2毎年1月1日現在の所属共済組合の平均標準報酬月額のいずれか低い額になります。ただし、組合員期間が15年以上で、かつ、55歳以降初めて退職する組合員にあっては、3退職時の標準報酬月額から各共済組合の定款で定める割合(内閣共済組合の場合は3割)を減じた額も含め、123のいずれか低い額となります。また、掛金をまとめて前納する場合には割引制度があり、12ヶ月分前納の場合には11.748502、6ヶ月分前納の場合には5.931847を毎月の掛金に乗じた額となります。

なお、12ヶ月分前納の割引の適用を受ける場合には、退職年度内の各共済組合が指定する日までに掛金を払い込むことが必要となります。

4 子等の医療保険の被扶養者になる場合

退職後、共済の任意継続組合員や国民健康保険、健康保険の被保険者にならず、60歳以上の公的年金受給者にあっては年収が180万円、それ以外の人にあっては年収が130万円未満である場合には、子等が加入している医療保険(共済組合、健康保険)の被扶養者になることができる場合があります。

5 介護保険制度

介護保険制度は高齢化が進むことにより生じる心身の変化に起因する疾病等によって「要介護状態」又は「要支援状態」にある人が日常生活を営むことができるように必要な保健医療サービス及び福祉サービスが受けられる制度であり、40歳以上の人全員を対象者(被保険者)として市町村(特別区を含む。以下同じ)が運営(保険者)する強制加入の公的社会保険です。65歳以上の人は第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の人は第2号被保険者とされており、保険料は所得段階に応じて市町村ごとに設定(長期・短期共済組合員及び任意継続組合員の場合は共済組合が定める率)され、保険料は第1号被保険者は年金から、第2号被保険者は医療保険の保険料と併せて徴収されます。

介護サービスが利用できるのは第1号被保険者の場合は寝たきりや痴呆症などにより日常生活で常時介護を必要とする「要介護状態」及び「要支援状態」にある者であり、第2号被保険者の場合は初期の痴呆、脳血管疾患等加齢に伴う疾病により介護が必要となった者で、申請により要介護又は要支援の認定を受ける必要があります。費用は原則として利用料の1割を負担することになっています。

6 後期高齢者医療制度

「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき平成20年4月から始まった制度です。高齢化に伴う医療費の増大が見込まれる中で、高齢者と若者世代の負担の明確化等を図る観点から、75歳以上の後期高齢者全員と65歳から74歳の前期高齢者で一定の障害認定を受けた者を対象とするもので、他の医療保険制度とは別の制度です。

これまでに加入していた医療保険(国民健康保険、被用者保険)から脱退して、後期高齢者医療制度の被保険者になります。

ア 保険者
  都道府県を単位とする後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)が保険者となります。(区域内の全ての市町村が加入します。)

イ 被保険者
・ 広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者
・ 65歳から74歳の人で広域連合から障害認定を受けた者

ウ 被保険者資格の取得
資格取得日は、75歳の誕生日当日
障害認定の場合は、保険者が障害認定した日

エ 保険証の交付
被保険者への1人1枚の保険証が交付されます。

オ 保険料
被保険者が均等に負担する「均等割額」と所得に応じて負担する「所得割額」の合計額
保険料の徴収は、被保険者の年金から特別徴収(天引き)されますが、手続きにより口座振替によることもできます。

カ 自己負担額
・ 一般の人は1割
・ 現役並所得の人は3割
    課税所得が145万円以上の人で、かつ、高齢者複数世帯の収入の合計が520万円以上(高齢者単身世帯の場合は383万円以上)の人が該当

【国民健康保険の被保険者又は共済の任意継続組合員となった場合の比較】

国民健康保険の保険料(所得割)は、前年の所得を基に計算されます。そのため、退職直後の1年目の保険料は、退職前の比較的高い所得を基礎として計算されることにより、共済の任意継続組合員となった場合の保険料より一般的に高くなる傾向があります。

また、2年目は、主な収入が年金となるなど所得が減少します。そのため、国民健康保険の保険料が減少する一方、共済の任意継続の場合の保険料は、退職時の標準報酬月額等を基礎としているため1年目と同額であり、定年後仕事に就かないような場合は国民健康保険の保険料の方が一般的には低くなるようですが、保険料は市区町村によって異なりますので、いずれにしても所属の共済組合及び住所のある市区町村の担当窓口に照会し、確認してください。

なお、1年目は共済組合の任意継続組合員となり、2年目は国民健康保険に加入することは可能です。