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3.家庭の人間関係
60歳代の特徴生活設計の手順家庭の人間関係地域社会との関係

定年後は、自宅にいる時間が長くなり、家族の意外な素顔が見えてきたり、公務から離れた寂りょう感のようなものに襲われたりすることがあります。家族との人間関係がうまくいくかどうかが、退職後の生活が充実するかどうかの鍵になります。

平成20年度に内閣府が実施した「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(60歳以上の者を対象に調査)によると、「家族や親族のなかでどのような役割を果たしているか」についてみると、「家事を担っている」が49.1%(男性16.2%、女性78.4%)と最も高く、次いで「家族・親族の相談相手になっている」が35.0%となっています。

【家族の生活に果たす高齢者の役割】 (複数回答)
 
総数
家事を担っている
小さな子供の世話をしている
家族、親族の相談相手になっている
家族の支え手(かせぎ手)である
家族や親族関係の中の長(まとめ役)である
病気や障害を持つ家族、親族の世話や介護をしている
その他
特に役割はない
 
総数
3,291
49.1
8.7
35.0
23.0
25.5
8.0
0.5
14.2
[性 別]
 
男性
1,551
16.2
5.0
39.1
40.2
42.2
5.3
0.6
17.3
女性
1,742
78.4
12.1
31.2
7.7
10.7
10.5
0.5
11.5
[年齢別]
 
60歳〜64歳
849
54.9
11.1
38.9
32.9
28.7
12.7
0.4
5.2
65歳〜69歳
850
51.9
11.5
40.4
27.1
28.7
7.6
0.5
9.1
70歳〜74歳
696
48.9
9.5
32.0
22.1
24.4
7.0
0.6
13.4
75歳〜79歳
517
43.9
4.8
31.1
13.0
23.4
5.8
0.4
22.1
80歳以上
381
37.3
1.0
24.7
7.6
16.3
3.7
1.3
36.7
1 配偶者との関係

定年後は、家族の中では配偶者と過ごす時間が最も増えます。退職後は、在職中の役割分担・意識自体を見直す必要があります。例えば、あなたが主に家計を支え、配偶者が主に家事を行うという役割分担・意識があったかもしれません。しかし、現役の頃と同様の意識のままで定年を迎えると、配偶者との関係がうまくいかなくなるかもしれません。このような状況を避けるためにも、定年後は、配偶者との意思疎通をより一層図るように心掛ける必要があります。

また、配偶者は、あなたが公務に従事していた間に、あなたの知らない人間関係や行動パターンなどを既に作ってしまっていることも考えられます。あなたが、退職後は配偶者と常に一緒に行動したいと思っているのに対し、配偶者は自分自身の時間を大切にしたいと思っているかもしれません。配偶者を束縛したり、依存しすぎることなく、互いに協力し、充実した家庭生活が送れるように、定年後の夫婦関係について配偶者と十分話し合っておくことが大切です。

定年後の長い人生を考えると、もう一度改めて夫婦間の心のつながりというものに目を向ける必要があります。このことを念頭に置いて、定年後の配偶者との関係を考えてみることが大切です。

【心の支えになっている人】(複数回答)

平成22年度に内閣府が実施した「第7回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(日本を含む5カ国の60歳以上の者を対象に調査)」によると、「心の支えになっている人」については、「配偶者あるいはパートナー」を挙げる人の率はスウェーデンの次に日本が高くなっています。

(%)
 
日本
アメリカ
韓国
ドイツ
スウェーデン
配偶者あるいはパートナー
65.3
46.0
55.4
50.2
70.9
子供(養子を含む)
57.4
69.8
57.1
52.0
59.8
子供の配偶者あるいはパートナー
9.8
22.9
10.9
6.1
11,6
17.9
36.2
5.7
17.9
25.4
兄弟・姉妹
13.9
39.3
4.7
12.8
15.9
その他の家族・親族
6.8
35.0
1.7
13.9
12.1
親しい友人・知人
15.5
46.5
6.0
32.3
24.8
その他
0.5
2.6
0.3
1.1
6.1
誰もいない
2.7
3.2
6.2
3.8
0.5
2 子供との関係

定年を迎えるころには、子供は成人していたり、自立しているのが一般的でしょう。成人又は自立した子供との関係については、過保護や干渉を避けることが必要です。

自分と配偶者との老後の生活の優先を第一に考え、定年を契機として子供に対する経済的な援助を見直すという考え方もあります。いつまでも子供を支援してやりたいという親心は理解できますが、現実問題として年金生活に入ると、子供への経済的援助は難しくなります。

このように、定年は、子供との距離を置くための良い機会となりますが、その一方では、子供との日常的な交流を欠かすことなく、困った時には互いに助け合うような関係を作ることが必要です。

子供の成長を認めて、「老いては子に従え」の気持ちで子供との関係を考えてみることも大切なのではないでしょうか。

【老後における子供や孫との付き合い方】

平成22年度に内閣府が実施した「第7回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(日本を含む5カ国の60歳以上の者を対象に調査)」によると、「老後における子供や孫との付き合い方」について、以前は、日本では「子供や孫とは、いつも一緒に生活できるのがよい」を挙げた人の率が最も高くなっていましたが、年々その率は下がり、今回の調査では、「子供や孫とは、ときどき会って食事や会話をするのがよい」の率がますます高くなっています。

(%)
 
日本
アメリカ
韓国
ドイツ
スウェーデン
S60
H2
H7
H12
H17
H22
H22
H22
H22
H22
子供と孫とは、いつも一緒に生活できるのがよい
58.0
53.6
54.2
43.5
34.8
33.1
12.6
24.9
15.9
3.7
子供や孫とは、ときどき会って食事や会話をするのがよい
33.7
37.8
38.0
41.8
42.9
46.8
66.5
55.0
65.4
79.7
子供や孫とは、たまに会話をする程度でよい
5.8
6.0
5.6
6.6
14.7
11.2
16.6
14.6
16.3
13.2
子供や孫とは、全くつきあわずに生活するのがよい
1.5
0.9
0.8
0.9
0.6
1.2
0.5
1.4
---
0.3
わからない
 
 
 
7.0
6.9
7.6
3.8
4.1
2.3
3.1
3 老親との関係

日常の何でもないことでも、より高齢な老親には心身に変調を来す場合が結構見受けられるものです。普段から頻繁に老親とのコミュニケーションを図ることを心掛けていれば、そのような場合の支えになることができます。

また、老親の介護の必要が生じてくるかも知れません。老親の介護は、その加齢とともに家族の負担が増えていくのが一般的です。

介護期間が長くなると、次第に介護者の心身に負担が蓄積して、介護者自身が健康を害したり、家族の人間関係が崩れたりすることにもなりかねません。介護者を女性(配偶者)と決めつけず、家族全員の協力体制のもと、被介護者の老親や家族にとってどのような介護を行うのが一番適切なのかを、家族全員が当事者意識を持って相談しながら決めることが大切です。

なお、介護は老親のみの問題ではなく、皆さん自身の将来の問題でもあります。介護が必要になったときにあわてることがないように、市町村の窓口に足を運び、介護保険制度を含む様々な介護情報を早めに入手したり、誰が、どこで、どのように費用を負担して介護するかなどについて十分話し合っておくことが大切です。

【自分自身が介護を受けたい場所】

平成22年度に内閣府が実施した「介護保険制度に関する世論調査」によると、介護が必要になった場合にどこで介護を受けたいか聞いたところ、現在の住まい(自宅)で介護を受けたいとする者が37.3%と最も多かったとの結果が出ています。

【自分自身が介護を受けたい場所】

さらに、自宅で受けたい介護形態についてみると、「家族の介護を中心に、ホームヘルパーなどの外部の介護も利用したい」が50.0%、「ホームヘルパーなどの外部の介護を中心に、家族による介護も受けたい」が23.8%、「家族だけに介護されたい」が20.2%、「ホームヘルパーなどの外部の介護だけを受けたい」が3.5%となっています。

なお、これを世帯別でみると、夫婦のみ世帯でも全体とほぼ同様の割合となっており、また、これを男女別にみると、「家族の介護を中心に、ホームヘルパーなどの外部の介護も利用したい」が男性51.8%に対して女性47.9%、「ホームヘルパーなどの外部の介護を中心に、家族による介護も受けたい」が男性18.7%に対して女性30.0%、「家族だけに介護されたい」が男性23.5%に対して女性16.3%となっています。

4 一人暮らしの場合     

現在、一人暮らしをしている人だけでなく、配偶者や子供、老親などの家族と暮らしている人であっても今後一人暮らしを余儀なくされる場合が出てきます。一人暮らしは、日々の生活において制約が少ない、人生における様々な選択の可能性が高いなどの大きなメリットがある反面、病気やけがなど、常に万が一の場合への対策を考えておかねばなりません。

また、一人暮らしであっても、親との関わり、きょうだいとの関わりなど、家族とのつながりを大切にし、円滑な人間関係を保持することが大切です。

【一人暮らし高齢者は増加しています】

65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女とも顕著であり、平成22年には男性約139万人、女性341万人、高齢者人口に占める割合は男性11.1%、女性20.3%となっています。

【一人暮らし高齢者の動向】

【頼りたいと思う相手】

平成26年度に内閣府が実施した「一人暮らし高齢者に関する意識調査」(65歳以上の一人暮らしの男女を対象に調査)によると、人とのつきあいに関する意識について、10の事柄についてあてはまると感じる人がいるかと聞いたところ、以下のとおりでした。

頼りたい人とは、「子(息子、娘)」、「近所の人」、「兄弟姉妹・親戚」、「友人」、「子の配偶者(婿、嫁)」、「ヘルパーなどの介護サービスの人」、「親」、「その他の人」です。

困ったときに頼れる人がいまい人の割合