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3.家庭の人間関係
生活設計の必要性生活設計の作成手順家庭の人間関係地域社会との関係

定年後は、引き続き就業したとしても、これまでの生活環境とは大きく異なってきます。自宅にいる時間が長くなり、家族の意外な素顔が見えてきたり、公務から離れた寂りょう感のようなものに襲われたりすることがあります。家族と良好な関係を築き、家庭を心の安らぎの場とするために、家庭の人間関係について、考えてみましょう。


1 配偶者との関係

定年後の生活環境の変化として、配偶者と過ごす時間がこれまでより増えます。これまでは、日中ほとんど家にいなかったのに、家にいることが多くなります。そうなると、当然配偶者にとっても大きな変化が生じます。

配偶者が出かけようとするとワシも行く、といった「ワシも族」、配偶者が毎日家にいることで「配偶者在宅ストレス症候群」などと呼ばれる現象が近年増えています。そうならないためにも、お互いに趣味を持ち別々の時間を過ごしたり、たまには外食したり、とお互いの立場を尊重しつつ、お互いに協力して充実した家庭生活を送れるようにしたいものです。そして、もう長い間一緒にいるんだから、当然わかっているはず、などと安易に考えず、相手に伝わる言葉で話すことが大事です。

【心配ごとや悩みごとの相談相手】(複数回答)

平成24年度に内閣府が実施した「高齢者の健康に関する意識調査」(55歳以上の者を対象)によると、「心配ごとや悩みごとの相談相手」について、「配偶者」が最も多く、以下、「子ども」、「友人・知人」、「その他の家族・親族」と続いています。

性別でみると、「配偶者」(男性68.3%、女性48.1%)は男性の方が高く、「子ども」(男性33.6%、女性58.6%)は女性の方が高くなっています。また、「友人・知人」(男性20.2%、女性30.4%)も女性の方が10ポイント以上高くなっています。

【心配ごとや悩みごとの相談相手】
2 子供との関係

定年を迎えるころの子供は、社会人として自立していたり、まだ学生であったりと様々でしょう。子供がどのような状況であれ、親として子供に経済的支援をしたい気持ちは理解できますが、現実問題として定年後は経済的にも厳しくなります。

定年を契機に、子供の状況にも向き合い、互いの今後について子供と話し合ってみてはいかがでしょうか。(子供の自立、経済的支援、自身の介護、など)

【老後における子供や孫との付き合い方】

平成27年度に内閣府が実施した「第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(日本を含む4カ国の60歳以上の者を対象に調査)」によると、「老後における子供や孫との付き合い方」について、以前は、日本では「子供や孫とは、いつも一緒に生活できるのがよい」を挙げた人の率が最も高くなっていましたが、年々その率は下がり、今回の調査では、「子供や孫とは、ときどき会って食事や会話をするのがよい」の率がますます高くなっています。

(%)
 
日本
アメリカ
ドイツ
スウェーデン
韓国(*)
H2
H7
H12
H17
H22
H27
H27
H27
H27
H22
子供と孫とは、いつも一緒に生活できるのがよい
53.6
54.2
43.5
34.8
33.1
27.1
9.0
14.2
3.7
24.9
子供や孫とは、ときどき会って食事や会話をするのがよい
37.8
38.0
41.8
42.9
46.8
50.5
61.1
69.0
72.7
55.0
子供や孫とは、たまに会話をする程度でよい
6.0
5.6
6.6
14.7
11.2
12.7
25.1
15.3
22.9
14.6
子供や孫とは、全くつきあわずに生活するのがよい
0.9
0.8
0.9
0.6
1.2
1.1
0.6
0.3
0.1
1.4
わからない
 
 
7.0
6.9
7.6
7.7
4.2
1.2
0.6
4.1
3 親との関係

日常の何でもないことでも、より高齢な親には心身に変調を来す場合が結構見受けられるものです。普段から頻繁に親とのコミュニケーションを図ることを心掛けていれば、親の体調の変化なども早期に発見でき、迅速な対応につながるほか、親の心の支えになることができます。

親の介護の必要が生じてくるかも知れません。親の介護は、その加齢とともに家族の負担が増えていくのが一般的です。

介護期間が長くなると、次第に介護者の心身に負担が蓄積して、介護者自身が健康を害したり、家族の人間関係が崩れたりすることにもなりかねません。介護は家族全員の協力体制のもと、被介護者の親や家族にとってどのような介護を行うのが一番適切なのかを、家族全員が当事者意識を持って相談しながら決めることが大切です。

なお、介護は親のみの問題ではなく、皆さん自身の将来の問題でもあります。介護が必要になったときにあわてることがないように、市町村の窓口に足を運び、介護保険制度を含む様々な介護情報を早めに入手したり、誰が、どこで、どのように費用を負担して介護するかなどについて十分話し合っておくことが大切です。

まずは、地域における介護相談の窓口である「地域包括支援センター」に行ってみてはいかがでしょう。

【自分自身が介護を受けたい場所】

平成22年度に内閣府が実施した「介護保険制度に関する世論調査」によると、介護が必要になった場合にどこで介護を受けたいか聞いたところ、現在の住まい(自宅)で介護を受けたいとする者が37.3%と最も多かったとの結果が出ています。

【自分自身が介護を受けたい場所】

さらに、自宅で受けたい介護形態についてみると、「家族の介護を中心に、ホームヘルパーなどの外部の介護も利用したい」が50.0%、「ホームヘルパーなどの外部の介護を中心に、家族による介護も受けたい」が23.8%、「家族だけに介護されたい」が20.2%、「ホームヘルパーなどの外部の介護だけを受けたい」が3.5%となっています。

なお、これを世帯別でみると、夫婦のみ世帯でも全体とほぼ同様の割合となっており、また、これを男女別にみると、「家族の介護を中心に、ホームヘルパーなどの外部の介護も利用したい」が男性51.8%に対して女性47.9%、「ホームヘルパーなどの外部の介護を中心に、家族による介護も受けたい」が男性18.7%に対して女性30.0%、「家族だけに介護されたい」が男性23.5%に対して女性16.3%となっています。

4 一人暮らしの場合     

現在、一人暮らしをしている人だけでなく、配偶者や子供、老親などの家族と暮らしている人であっても今後一人暮らしを余儀なくされる場合が出てきます。一人暮らしは、日々の生活において制約が少ない、人生における様々な選択の可能性が高いなどの大きなメリットがある反面、病気やけがなど、常に万が一の場合への対策を考えておかねばなりません。

また、一人暮らしであっても、親との関わり、きょうだいとの関わりなど、家族とのつながりを大切にし、円滑な人間関係を保持することが大切です。

【一人暮らし高齢者は増加しています】

65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女とも顕著であり、平成22年には男性約139万人、女性341万人、高齢者人口に占める割合は男性11.1%、女性20.3%となっています。

【一人暮らし高齢者の動向】

【頼りたいと思う相手】

平成26年度に内閣府が実施した「一人暮らし高齢者に関する意識調査」(65歳以上の一人暮らしの男女を対象に調査)によると、人とのつきあいに関する意識について、10の事柄についてあてはまると感じる人がいるかと聞いたところ、以下のとおりでした。

頼りたい人とは、「子(息子、娘)」、「近所の人」、「兄弟姉妹・親戚」、「友人」、「子の配偶者(婿、嫁)」、「ヘルパーなどの介護サービスの人」、「親」、「その他の人」です。

困ったときに頼れる人がいまい人の割合