第2回(平成元年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
厚生省国立武蔵野学院教務課
【業務内容】
 国立武蔵野学院は、窃盗、恐喝、薬物乱用等の非行を犯した18歳未満の男子児童のうち、非行程度が進み、全国に55カ所ある公立の教護院では処遇困難となっている児童を院内に収容し、性行を指導改善するために教育と保護を行っている。教務課は、生活指導のほか学科指導、職業指導を行っており、特に生活指導においては、夫婦小舎制(擬制家庭的な形態であり、一棟児童10数名の小集団を教護、教母の職員夫婦が継続して指導する方式)を採って、夫婦の役割分担と協力によりこれら児童を教護している。現在までに社会に復帰させた児童の数は約3,800名にのぼっている。
【設 立】
 大正8年に内務省国立少年感化院として開設、昭和13年に厚生省が設置され移管、昭和22年には教護事業職員養成所を併設、昭和37年に国立武蔵野学院と名称変更され、現在に至っている。
【代表者】 佐久間健教務課長(寮長)佐久間幸子教母(寮母)
【職員数】 国立武蔵野学院45名、うち教務課20名
 
 国立武蔵野学院教務課は、国立唯一の男子児童の教護院にあって、不良行為をなし又はなす虞れのある児童を収容し、入所児童のもつ多様な歪みを正して、その本来のあるべき姿にたち返らせるために、教護・教母が児童の親に代わり日夜起居をともにしながら夫婦一体となって行う生活指導と学校教育法に準じた小・中学校の教科指導、職業指導という統合した教護を行い、家庭環境に恵まれず入所した児童たちが将来社会の健全な一員となり得るよう努めています。この活動は、大きな愛情を注ぐとともに不断の努力により児童が早期に退院できるよう進められており、公務の信頼の確保に寄与していることが認められました。  教護院に自ら求めて入るものは1人もおりません。入所児童の多くは恵まれない家庭環境等、過去に不幸な生活体験を経ており、また14〜15歳と年齢的にも難しい時期にあります。佐久間教務課長は、「入所当初はお互いの信頼感を得るのが難しく、無断外出、職員への反抗が繰り返され、苦しい立場に追い込まれます。しかし、どのような時でも心の接触−優しさよりも力強い愛−を心がけ、好ましい人間関係が生まれるまで辛抱強く待たなければなりません」と述べておられます。窮余の策として、「入所児童に我が子の子守りをさせたら、それを契機に心を開いたということもあります」と奥様がほほ笑みを浮かべて話しておられました。
 また、退院生が立派な大人となって突然訪ねて来たときには、「今までの苦労を忘れてしばしの幸福感をおぼえますが、退院した児童たちを地域社会や家族はもっと暖かく迎えていただきたい」とも語っておられました。


入所児童たちと食事
 
 
 
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