第2回(平成元年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
林野庁前橋営林局大間々営林署治山課足尾治山事業所
【業務内容】
 足尾治山事業所は、江戸時代の足尾銅山の発見とともに始まった足尾山地の荒廃地を管轄として、民有林(栃木県)及び河川の砂防事業(建設省)との調整を図りながら、荒廃した国有林の山(1,670ha)に緑をよみがえらすための治山工事を実施している。
【設 立】
 昭和25年足尾町赤沢に足尾治山事業所が新設され、昭和28年前橋営林局の直轄事業所となり、昭和32年事業所を現在地に移設し、昭和45年組織変更により大間々営林署に治山課を設置して現在に至っている。
【代表者】 谷田部勇主任
【職員数】 4名
 
 足尾治山事業所は、市街地から遠く離れた栃木県最西端に位置する冷涼な内陸性気候の下、厳しい生活環境、さらには急傾斜と脆弱な地質で、落石・豪雨・落雷等の危険の中で作業を続けています。特に森林伐採と山火事による裸地化に加え足尾銅山の鉱毒により植生が壊滅的な被害を受けた広大な足尾地区の山地を、事業所設置以来40年間に及ぶ地道な努力によって、国有林の荒廃地面 積の40パーセント以上(720ha)に緑を取り戻す等その治山事業が高く評価され、国土の保全に努めたことが認められました。
 治山事業は、荒廃した山地に対して、水源かん養、土砂の崩壊・流出の防備等の機能を発揮する森林を造成・維持するために、治山ダムの設置をはじめ必要な箇所に人力施工で山腹基礎工・緑化工を実施し、さらにヘリコプターを利用して種子の実播や施肥を行う仕事です。
 かつては、一面茶褐色であった足尾の山肌も、多年にわたる職員の地道な努力の積み重ねにより、徐々にではあるが緑が甦り、河川には魚が回帰し、ニホンカモシカ等の大型獣も生息するようになりました。
 しかし、草地も少しずつ広がり緑が戻るとともに、今度はカモシカやニホンカモシカが現れ、せっかく生え出した草や植栽の被害が目立ち始めるようになり、昭和47年頃には植栽したクロマツが殆ど食べられてしまいました。その防止策として、翌年から防護柵・防護網・忌避剤等の方法をいろいろ試みましたが、未だ決め手となる方策がなく、谷田部主任は「動物たちと共存共栄を図りながら、一日も早く足尾地区のすべての山々に緑を取り戻すよう努力したい」と新たな悩みと抱負を語っておられました。


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