第2回(平成元年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
海上保安庁第三管区海上保安本部八丈水路観測所
【業務内容】
 地球内部の流体核に流れる電流は地磁気をつくり、地球は南北の近くに極を持った1つの大きな磁石のようなもので、磁気コンパスのN極は北方を指し、昔から航海の道しるべとして利用されてきているが、地磁気は僅かであるが時々刻々と変化している。八丈水路観測所は、この地磁気の連続観測を行い、磁気コンパスを頼りに航行する船舶や航空機がその針路を正確にとって安全に航行するための観測データを提供している。
【設 立】
 
昭和19年から紀伊勝浦の勝浦水路観測所で地磁気の観測を行っていたが、観測所付近の開発による環境の変化のため観測不適となり、昭和53年に八丈島に移転し、八丈水路観測所としして現在に至っている。
【代表者】 大森哲雄所長
【職員数】 3名
 
 八丈水路観測所は、周囲の電気的影響を避けるため、市街地から遠く離れた不便な生活環境の地で、船舶や航空機が安全に航行するための地磁気の連続観測を行っています。しかも、瞬時たりとも欠測が許されないため、精致を極めた測定器の点検・保守・調整・記録紙の交換を行い、休日にも交替で出勤する等変則的な体制で観測業務を続けるとともに、得られたデータを基に日本近海磁気図を作成するほか、海図や航空図の磁針偏差の貴重な資料を提供する等地道な努力によって、船舶や航空機の航行安全はもとより地震予知にも貢献しています。このような活動は高い評価を受けており、公務の信頼の確保に寄与していることが認められました。
 同観測所は、地震、台風に対しては万全の施設ですが、それを保守する職員は僅か3名と少なく、そのため家族をも含めた健康管理と全体の和が重要であり、公私ともにお互いが助け合いながら業務を遂行しています。
 また、地磁気観測は電車・工場・電化製品等から起こる人工的な磁場の乱れを嫌うため、大森所長は「生活環境が良くなる反面 、観測への支障が出ることが心配です」と新たな悩みを話され、「地磁気の観測は、一般 には関心が薄いと思いますが、船舶や航空機を利用される人達は、地磁気の観測があるからこそ安心して利用できるんだということを理解してほしい」と語っておられました。
 

地磁気の方位の測定
 

観測所全景
 
 
 
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