第2回(平成元年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
郵政省通信総合研究所稚内電波観測所
【業務内容】
 通信総合研究所では、国際電離層観測網の一環として、電離層定時観測業務を全国5カ所(稚内・秋田・国分寺・山川・沖縄)で行っている。
 稚内電波観測所は、電離層観測のほか、短波・超短波・マイクロ波等幅広い周波数にわたる電波の伝わり方についての研究観測を実施しており、最近では降雪時における通 信衛星・放送衛星電波の降雨減衰の地域依存性等、多雪地帯という地理的特殊性を生かした調査研究を行っている。これらの観測結果 は国際無線通信諮問委員会で採用されたり、電離層観測世界資料センターのデータバンクに保管され世界的な規模で資料の交換がなされている。
【設 立】
 昭和21年文部省電波物理研究所稚内観測所として発足し、その後何度か所属が変わり、昭和27年に郵政省の附属機関として電波研究所稚内電波観測所が誕生し、昭和63年名称変更により現在に至っている。
【代表者】 丸山隆所長
【職員数】 5名
 
 稚内電波観測所は、北緯45度と本邦最北端の寒冷多雪の厳しい自然環境の地にあって、これまでの遠方との通 信の主役である短波帯電波に大きな影響を及ぼす電離層の変化を絶えず調べるために、15分毎に上空に電波を発射してその状態を観測する業務を24時間昼夜休むことなく続け、無線通 信の確実な電搬に役立たせるとともに、短波通信の回線設計、衛星通 信、衛星を利用した高精度測位技術等現代の最先端技術分野でも重要な役割を果 たすほか、将来の高度情報社会を支える太陽地球環境科学等の基礎研究資料を供する等の業務を遂行しています。同観測所は、不断の努力と研究心により任務を果 たしており、公務の信頼の確保に寄与していることが認められました。
 電離層は太陽のエネルギーで作られるため、緯度の高い地方と低い地方では電離層の状態が大きく違ってきます。日本の国土で最も北の端にある稚内が電離層を観測する場所の1つとして選ばれている理由はそこにあります。電離層の状態は地上の天気と同じように絶えず変化し続けます。そのために15分毎の定時観測では、機器の故障による欠測に常に注意をしなければなりません。
 近年は、技術革新とともに観測機器も自動式に切り替わる等してきましたが、「日常の定期点検・保守を入念に行うことは勿論ですが、厳しい自然環境の中で長時間にわたり観測データを収集し続けた当観測所職員の不断の努力に敬意を表します」と丸山所長は語っておられました。


観測施設
 
 
 
-総裁賞受賞者一覧に戻る-