第2回(平成元年)「人事院総裁賞」個人部門受賞者
 
 
 澤田さんは、外務省に転任されて以来、その期間のほとんどを在外公館で勤務してこられましたが、特に中近東地域では、紛争や戦闘、テロ事件等が勃発しやすいこともあって、身の危険にさらされるだけでなく、気象条件をはじめ、宗教上の要請や生活様式の違いから日常生活の不自由も多い中で、情報収集を始め幅広い活動を通 じて外交の基礎を支えるとともに、領事としても、各国に多数在留する邦人のための諸活動を行い、人々の保護等に努め、公務の信頼の確保に寄与していることが認められました。
 外交の基礎は情報です。そのため在外公館は種々の情報収集を行い、昼夜を問わず刻々と東京の外務本省に情報を送付することが重要な任務です。また、近年、我が国と国際社会の交流はますます活発となっており、日本の年間海外渡航者は550万人を越え、海外に居住している日本人は約50万人にも達しています。このような海外で活動する皆さんの、安全の確保と健康管理等のお世話をするといった、国民に密着した業務も外交官として重要な仕事となっています。
 澤田さんは、「特に中近東地域の平和と安定のために日本が果たす役割に対しては、各国からの期待が一段と高まっております。私の信条としては、中近東諸国のどこの国の方とも分け隔てなく友好関係を保ち、人物・文化交流の発展のために努力したい」と話され、また「日本国民の海外における活動は国際間の相互理解や友好親善に役立ちます。ただ、皆さんが外国旅行をする場合には、中近東諸国だけでなく、どの国でも同じですが、相手国の法律を守り、慣習や気象条件を十分に理解したうえ、人と人の触れ合いを大切にし、十分に旅行を楽しんでいただきたいと思っています」と述べられておられます。
 また、特に印象深いこととしては、「1975年9月に勃発したレバノン内紛の当時、現地に在留する数百名の邦人全員が僅かの期間に戦火の難を避け、無事にレバノンを出国できたこと」であり、この内紛は14年後の現在も断続的に続いていますが、「世界の全ての国が一日も早く平和になってほしいですね」と語っておられました。

澤田 弘一 
外務省

 三重県出身。昭和25年に労働省に採用され、その後、昭和42年に外務省に転任。外務省在職期間の22年間のうち18年間を、主にクウェイト、レバノン、イラク、リビア、サウディ・アラビア等の中近東諸国の在外公館で外交官として勤務するほか、領事として在留邦人の保護等に努める。平成元年10月から現在の在エジプト日本国大使館一等書記官。61歳。
 
 
 
-総裁賞受賞者一覧に戻る-