第6回(平成5年)「人事院総裁賞」個人部門受賞者
 
 
「表現力豊かな電子顕微鏡に魅せられて」
 電子顕微鏡のオペレーターとして、26年余の長きにわたり、電子顕微鏡による分析業務等の研究支援業務に貢献してきたことが認められました。
 
齋藤 慶子 
工業技術院

 東京都出身。昭和32年4月に工業技術院機械技術試験所に採用され、同42年4月電子顕微鏡操作助手等を経て昭和63年4月より特殊技術専門職。母と妹の3人家族。趣味は、絵画・陶芸・音楽鑑賞・旅行・ゴルフ等。55歳。
 

 電子顕微鏡による試料の観察、分析は、技術的熱度と試料の特性に応じた工夫等により適切、正確な結果 が得られますが、齋藤さんは常に新しい技術、情報、知識を吸収し、特に多様な研究目的にあわせるように自ら改良、機能追加等の工夫を行った4台の電子顕微鏡を駆使して、これまで多くの研究に関し、組成分析等についての的確なデータを提供し、研究者の信頼を集めています。

 
受賞の感想をお聞かせください

 装置の保守や試作・改造に誠心誠意応えてくださる内外の研究者や技術者の援助があってこそ、今まで続けてこられました。とても個人の力だけで受賞できるものではないと肝に命じております。のんびり育ててくれた両親、祖父母、妹、友人、知人に感謝しています。

 
仕事をしていて、充実感ややりがいを感じるのはどのようなときですか
 多様な実験試料について、研究者と十分検討を重ねて最適条件を設定し、双方でわくわくするような結果 が得られたときには興奮します。機械は無機質と思われますが、私が操作すると素直に動いてくれるので生き物のように感じられ、装置の前にいるとつい夢中になり時間の経つのも忘れてしまいます。
 
今までで特に思い出として残っていることがありますか

 電子顕微鏡内で摩擦試験を行う装置の試作が完成したとき、試験を行う段階でトラブルが発生したことがあります。調整に大変手間取り、また、慣れないこともあって連日遅くまで実験を重ね、やっと研究者の方が摩耗の国際会議で発表するのに間に合わせることができました。しかも好評を得たとの報告を受けましたので、苦労のしがいがあったと思ったものです。

 
☆この機会に国民のみなさんに知ってもらいたいことはありますか
 高度な研究が科学技術の発展に貢献していることは言うまでもありません。しかし、さまざまな研究支援があってこそ立派な研究成果 が上がるものであるということ、そして固定観念や既成事実にとらわれず全体像の把握に努める姿勢こそが研究支援業務に不可欠であることを知っていただければ幸いに思います。


電子顕微鏡の操作
 
 
 
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