第7回(平成6年)「人事院総裁賞」個人部門受賞者
 
 
「常に自発的な研究心をもって」
 研究開発に、写真技術を斬新な発想で応用して新しい観察手法を開発し、家畜の衛生及び疾病の研究に寄与してきたことが認められました。
 
安藤 義路 
農林水産省

 岡山県出身。昭和44年6月に家畜衛生試験場北陸支場に採用。同57年4月研究第一部衛生検査科技術主任等を経て平成元年5月より衛生検査専門官。妻と1男の3人家族。趣味は、テニス、妻と共通 の趣味であるアールヌーボー期の西洋骨董の鑑賞・収集。50歳。
 

 安藤さんは、家畜疾病などに関する試験研究における科学写 真業務の担当者として、長年にわたり研究を支援してきましたが、科学写 真を研究成果の記録として活用するだけでなく、自発的研究心と独創的なアイデアをもって、生体情報を可視化して観察する様々な手法を開発してきました。安藤さんの開発した観察手法には、紫外線を用いた撮影による鶏卵の鮮度識別 法(新しい卵と古い卵が違った色に写り、鮮度が色でわかる。)、自然界最強の発癌物質であるアフラトキシン産生カビの簡易検出法などがあり、これらを通 じて研究の進展や研究者の安全性の確保に貢献しています。

 
受賞の感想をお聞かせください

 中学生の頃から趣味であった写真の技術で科学に貢献することを夢見て入省し、今日まで多くの研究者や衛生検査科員から専門知識を教わりながら写 真技術の工夫をしてきました。今回、栄誉ある賞をいただき、本当に感無量 の思いです。多くの諸先輩や職員の皆様のお力添えと心から感謝しています。

 
仕事をしていて、充実感ややりがいを感じるのはどのようなときですか
 獣医学のみならず自然科学では、「観察」することが基本であり、重要視されています。その観察記録に鮮明な写 真を使うことで、後に新たな発見や発想の手掛かりになることがあります。時間を忘れて研究者と一緒に捉えた写 真から意外な発見をし、様々な発想を巡らせ、成果として世に出たときが最も充実感があります。
 
今までで特に印象に残っていることはどのようなことですか

 筑波研究学園都市への移転に際し、写真室の設計に参画し、理想としていた科学写 真業務が行える写真室が実現できたことです。また、アメリカの医学、生物写 真学会に出席し、研究に使われている高度な写真やビデオ技術を見学したことにより、新たな挑戦意欲を見いだせたことが印象に残っています。

 
この機会に国民の皆さんに知っていただきたいことはありますか
 あらゆる研究の発展には、研究者と研究を支援する専門技術者の知識と技術の融合が必要です。研究支援者の多くは表に出ることは少ないですが、この両者の協力があってはじめて真の科学の発展があると思います。今回の受賞により、多くの若者が科学の面 白さに目を向け、科学の分野に挑戦する契機になればと考えています。


顕微鏡写真の撮影
 
 
 
-総裁賞受賞者一覧に戻る-