第7回(平成6年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
「地域農業の振興・発展のために」
 沖縄県本土復帰後初の国営土地改良事業に取り組み、創意工夫をもって困難な工事を成功させ、地域農業発展の基礎づくりを行ったことが認められました。
 

沖縄開発庁沖縄総合事務局石垣農業水利事業所
【業務内容】
 石垣農業水利事業所は、干ばつ被害に悩む石垣島における農業用水を安定的に確保するために、農業用のダム建設及びかんがい施設の整備等を行っています。
【代表者】 所長 木村 博志
【職員数】 22名
 
 石垣島は、昭和45年以降8回の干ばつ被害を受けるなど、農業用水の安定的確保が長年の懸案でした。石垣農業水利事業所は、こうした中で計画された沖縄県初の農地の高度利用を目的とした国営土地改良事業を、農業者の理解を得るための粘り強い努力により事業実施に導き、ダム等の建設過程に多大な悪影響を及ぼす台風などの厳しい気象条件や多くの設計・施工上の技術的困難を創意工夫により克服して成功させました。このような職員のたゆまぬ 努力によって完成した三か所のダムとかんがい施設は、地域農業の発展に大きな役割を果 たしています。
 
受賞の感想をお聞かせください
 各施設の整備とともに、さとうきび、野菜、熱帯果 樹などの作物が栽培され、石垣農業は多様な発展を遂げつつあります。そうした中での受賞は、事業所開所以来19年の歴代の職員と関係者の努力が報われたものと職員一同が喜ぶとともに身が引き締まる思いです。
 
今まで苦労したことあるいは思い出に残っていることがあると思いますが…
 沖縄県で初めての土地改良事業でしたから、事業の実施について農家の同意を得るのに苦労しました。石垣島における農業振興の重要性や、そのためにはどうしても農業用水の確保が必要だという認識をもっていただくことから始めましたから、毎日深夜に及ぶまで説明会や農家の訪問を行いました。また、本土から遠く離れた離島ですから、ダムなどの建設に必要な資材を台湾から調達したり、機具の搬入に時間がかかったりなど本土の事業とは違った苦労もありました。
 
平成5年から本格的な灌水を始めたそうですが、その感慨といったものはありますか
 平成5年は、昭和46年以来の大干ばつに見舞われましたが、ダムの水が圃場に灌水され、被害を回避できたことは技術者冥利に尽きることでした。また、全国的な冷害に伴う種籾不足の緊急対策として、ダムの水を使って増殖事業が行われたことも印象に残っています。
 
この機会に国民の皆さんに知っていただきたいことはありますか
 干ばつや台風被害が多く、良好な土壌が少ない石垣島で、年々優良農地を増加させ安定した農業経営を確立させてきたのは土地改良事業の進展の成果 といえます。農業・農村の抱える問題は複雑ではありますが、農業・農村整備事業は、生産性の向上や住みよい生活環境の整備などを支援していくものであることをご理解いただきたいと思います。


ダム等の工程会議
 

底原ダム全景
 
 
 
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