第7回(平成6年)「人事院総裁賞」個人部門受賞者
 
 
「我が国の真の国際化を目指して」
 激増する外国人受刑者の処遇の第一人者として、極めて実用性の高い統一的処遇方法を確立するなど、円滑な行刑に寄与してきたことが認められました
 
佐藤 高城 
法務省

 宮崎県出身。昭和34年外務省海外派遣実習生としてチリ共和国に赴任し13年間滞在した後同48年6月に神奈川少年院に採用。同52年10月から府中刑務所外国人処遇班に刑務官として勤務し、平成5年4月から主任矯正処遇官(処遇担当)。5人家族。巨人と競馬の大ファン。58歳。
 

 外国人受刑者の処遇は、言語、宗教などの相違からきめ細かな配慮が必要とされる業務ですが、佐藤さんは、我が国の国際化の進展による外国人受刑者の激増に伴って緊急の課題とされる、舎房の設計、給食・入浴基準の策定等の外国人受刑者の統一的処遇方法の構築などに中心的役割を果 たしてきた外国人受刑者処遇の第一人者です。

 
受賞の感想をお聞かせください

 大変感謝しています。今回の受賞は、私個人だけのものではなく、府中刑務所の諸先輩方や全職員の外国人処遇に対する汗の結晶であると思っています。

 
仕事をしていて、充実感とかやりがいを感じるのはどのようなときですか
 外国人受刑者の多くの者は、逮捕時から独居で収容されているので、母国語で日常会話をする機会がほとんどありません。そのせいか、入所時私が母国語で話しかけると、緊張と不安で一杯だった顔がみるみる安堵感に満ちあふれた顔に変わっていくときや、出所時に、感謝の気持ちを体一杯に表し希望に輝く瞳を見るときにやりがいを感じます。
 
今までで特に印象に残っていることはどのようなことですか

 入所時に、私の質問に素直で明るく対応していた受刑者が、ある日突然「俺をモルモットと同様に刑務所の実験に使い、職員は日夜その資料を収集している」と申し立ててきたことがありました。私は、そのようなことは無いと何度も説明したのですが、理解を得ることができず、語学力の不足のせいではと悩んだことがありました。これは、後日検査の結果 、身柄が自由にならないことに対するいら立ちによるものと診断されましたが、これを機会に、日進月歩する医療に関するスペイン語や新語のスペイン語の勉強を改めて始めました。

 
この機会に国民の皆さんに知っていただきたいことはありますか
 外国人受刑者の処遇は、その国の言語はもちろん、風俗・習慣・食生活まで理解しなければ効果 的に行えないことから、刑務所職員はこれらの理解のために日夜努力しています。また、近代国家において、外国人犯罪者の処遇は、その国の国際化の程度を計る一つの物差しであると考えています。刑務所職員は、我が国の真の国際化を目指して、外国人受刑者の処遇の充実のために頑張っていることをご理解いただけたらと思います。


受刑者のカウンセリング
 
 
 
-総裁賞受賞者一覧に戻る-