第11回(平成10年)「人事院総裁賞」個人部門受賞者
 
 

「厳しい任地で在外24年」

 勤務条件の極めて厳しい任地である中近東、並びに、3度の南米ブラジルでの勤務経験をもつなど長年にわたる在外勤務を通 じ、現地邦人及び関係機関から多大な信頼を得るなど、我が国外交を支えた功績が認められました。
 

移住地視察:ブラジル、アナポリス市の養鶏・果樹・花の栽培農家にて(左側高山氏)
高山 泉 
在ブラジル日本大使館

 東京都出身。昭和35年に外務省に採用され在勤38年のうち24年余を在外公館に勤務。平成9年より在ブラジル日本大使館一等書記官兼領事。妻と2男1女の5人家族。趣味は卓球、テニス、野球、ゴルフ等。63歳。
 

 高山さんは、外務省在勤38年のうち24年余を在外公館に勤務し、クウェイト、アラブ首長国連邦、共産圏次代のチェッコスロバキヤ及びブラジルといった気候、風土あるいは政情・治安等の極めて厳しい任地で長年勤務し、我が国外交の基礎を支えてきました。
 特に、日系人が130万人を超え、90年を超える移住の歴史を持つ日系人社会を抱えるブラジルにおいては、3度の勤務を経験し、その間、二重国籍等の戸籍・国籍問題や日系人社会の生活困窮者問題等の複雑な問題解決に取り組み、現地の邦人及び関係機関から多大な信頼を得ています。
 高山さんは、在外公館で長年にわたり地道な業務である領事・在留邦人保護を通 じて我が国外交を支えてきました。その功績は極めて大きなものがあります。

 
受賞の感想をお聞かせください

 受賞の通知を頂き、信じられないほどの驚きとともに推薦いただいたことに心より感謝いたしております。また、良き上司に恵まれ、良き同僚に恵まれた自分が全く幸せであったと今更ながら感じます。
 今回の受賞に至った陰の功労者は何時、如何なるときにも支援してくれた妻であり、また、外国での種々の困難にも拘わらず立派に社会人として成長してくれた子供達であったと確信し、ここに改めて感謝したいと思う次第です。

 
今までにご苦労されたことは
  生来、楽天的な私にとって、あまり苦労したという経験は少ないのですが、強いて申上げるとすれば、在アンカレッジ総領事館勤務時に経験した零下40度の厳冬の中で行った邦人事故調査が思い出に残ります。
 同事件は8月にアラスカ、フェアバンクス市郊外のチエナ温泉にて、邦人女性が自殺したことにありました。アラスカを訪れた両親は、一時は現地での説明に納得したものの、娘の自殺はあり得ないとして、外務省にクレームがなされ、私は本省の指示により厳冬の12月初旬にブーツとヤッケに身を固めチエナ温泉に赴きました。現地での事情聴取、現場の状況等により、従前どおり他殺としての線は全くないことが結論づけられ、その旨を本省に報告し、両親も納得し本件は落着しました。
 今までに経験したことのない零下40度の現場の深い雪と樹氷、寒いよりもむしろ痛く感じる寒さの経験は今でも忘れることができません。
 
国民に知ってもらいたいことがありましたらお聞かせください

 私ども、海外で邦人保護の仕事に携わる者が常に感じることは、日本があまりにも外国に比べて治安が良いため、あまり心配せずに海外旅行に出る方が多いことです。世界的に治安状況の悪い国が増加しつつある現在、私は国民の皆様方に次の点を是非お願いしたいと思います。
@事前に十分な現地の情報(治安、気象条件、言葉、風俗、習慣、通 貨等)を入手すること。
A外務省領事移住部より「海外危険情報」を入手し、熟読すること。
B特に語学については、少なくとも英語の会話はできるように、常日頃より勉強されること。また、各国の状況について、ガイドブックで十分に下調べを行うこと。(語学を含め)

 
今後の抱負をお聞かせください
 来年3月の定年退職を前にして、現在考えているのは、今までの経験を活かして、今後ますます増加傾向になることにが予想される、「日本人の海外旅行のための情報提供の仕事」をボランタリーにできるのであれば、やってみたいと思っています。


移住地視察・・ブラジル、ベレーン郊外の群馬の森にて胡椒の植樹を行っているところ
 

日系人代表と共にブラジル、カンボス州知事(手前中央左側)を表敬訪問(手前右側)
 
 
 
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